私は僧侶ではありませんが、仏道修行の探究者の立場から私見を述べさせていただきます。まず、浄土教が生まれた背景は、法然氏から端を発しますが、法然氏や親鸞氏の頃の時代は阿修羅の如く戦の尽きない世でありましたが、本来上座仏教では大衆救済の観点が無く、また無学文盲で、難しい経文も読めない状況であって、位の高い貴族趣味的な嗜みのようになって、真の救済としては役に立っていない事に法然は気づかれ、お釈迦様であれば大衆救済を手がけるに違いない。誰もやっていないならば法然氏が大衆救済を手がける決意をされたのが、浄土教の背景であります。ただ阿修羅地獄の戦にあって、屍るいるいの中、大衆は心の安らぎや極楽浄土は望めない状況にあって、罪を犯さねば食べていけないものも多くおられて、大乗救済としての使命として、応急処置的ではあっても、経文は読めないので、即席で南無網阿彌陀如来への念仏をあげる事で、極楽浄土から阿弥陀如来が雲上に乗って救ってくださるという言い伝えであります。心清らかで、念仏をあげて救われる人もいると思いますが、中には極楽浄土に行けない者もいるわけですが、今にも死にそうな人に、念仏を通して一つの救済のキッカケとしての機会を与えています。それで、一時心を安らかになる人もおられると思います。真の意味の救済ではありませんが、応急処置としての救済のキッカケを与えることが、誰もやっていない、浄土教の開祖の法然氏が応急処置としての大衆救済を悲願として行なう必然性が出てきたわけであります。本来、念仏とは、瞑想して阿弥陀如来を念じて観るであります。
罪を犯さねば食べていけないものも多くおられたので、「悪人正機説」を説かれておられます。この説も悪人はこの世に生きながら、良心の呵責で苦しみ、毎夜寝れない苦しみを
味わっています。今世にて地獄の罰を味わっているので、悪い事をした悔恨が、改心の機会にに立っているので、応急処置的救済として説かれいています。
だからと言って悪い事をせよとは述べていません。明恵氏は浄土宗を批判し、日蓮宗の開祖日蓮氏も浄土経を批判していました。上座仏教の良い面と浄土教の良い面を参考にされたら良いと思います。死後、極楽浄土に行くためには、心のチリやアカを日頃、正しい反省を通して、清らかな心を取り戻し、無私の善行を積む事であります。念のため申し添えます。 |