攻撃力不足で、どうしても決定的ダメージを与えられなかった妹達、決め手に欠けていたアグリメッサ・・・一見巨体故の強靱さを持つアグリメッサが優勢かに見えたが、状況は一気に妹達優勢になだれ込んだ。 「・・・・・・毒ガスが・・・・・・跳ね返されて・・・・・・動揺・・・・・・している内に少しでも・・・・・・ダーク・・・フォース・・・」 毒ガスで視界を奪われている間に千影は闇の破壊魔法を放つ。先程から同格、もしくはそれ前後の魔法は何度も放ったが、いずれも効果は殆ど無い・・・それは百も承知であったが、それでも千影は少しでも多くダメージを与える為、そして何より妹達の士気をあげる為に諦める訳にはいかなかった。 「うん! いっくよーーっふぁいあ〜ぼ〜る!」 雛子の炎の球が、 「アイスジャベリン」 亞里亞が凍りの投擲槍を投げる。 「まさか・・・」 鈴凛が額に汗を少したらしながら呟いた次の瞬間・・・ 「合体!」×2 「やっぱりーーーっ!!」 雛子と亞里亞が正反対の属性の魔法を融合させたのに鈴凛はあまりにお約束なパターンに叫び声をあげる。 「こんなんじゃ敵が“鎧を着た”り、“変身”するのを否定する事が出来ない気が・・・」 「鈴凛っ! 今はそれどころじゃないよ! 真空斬!」 誰にともなくツッコミを入れている鈴凛を注意しながら、衛は剣に風の力を蓄え、それを一気に解き放つ。 「まったく・・・じゃあ今度は・・・」 「みなさん下がってください!!」 「ズルッ」 鈴凛がまたもやどこからともなくロケットランチャーらしき物を取り出した瞬間に鞠絵が全員に下がるように言われ、ずっこけてしまう。 他の妹達が全員離れたのを確認すると、鞠絵は一心不乱に祈りながら右手で十字をきる。 “(ハァ、ハァ・・・小賢しい真似を・・・まだするかっ!!)” 苦々しげに妹達の方を目を見開いて睨みつけるアグリメッサだったが、その時には鞠絵の放った何かが完成していた。 “(グランドクロス・・・!? この技で倒される分には恥にならないか・・・)” 鞠絵の祈りは聖なる真空の刃を2本呼び出し、巨大な十字架状となってアグリメッサに襲い掛かかる。 そして、それは爆発を起こすと後には巨竜の姿は跡形も無く消えていた。 「随分とあっけないですね・・・」 顔じゅうに汗をびっしりと浮かべながら鞠絵はそう呟くが、確かに彼女の言う通り終わりの方があまりに拍子抜けする程に簡単に決着がついてしまった事に言い様の無い不信感を覚える。 「・・・・・・それよりなんか・・・・・・隠し部屋みたいなのが・・・・・・ある・・・・・・よ・・・・・・」 目ざとく千影が衝撃で穴のあけられた壁の先にある小部屋を発見する。 最初は千影ですら、中から吹き出されている並々ならぬ闇の魔力を警戒して中に入る事をためらっていたが、やがて好奇心が勝り、辺りに注意を払いながら入っていく。 「こ、これはなんなのデスか!!?」 先に入った四葉がその隠し部屋で見たものは見るも禍々しい感じの鎧、盾、剣のセットであった。 色はこれといって変哲の無い灰色がかった金属色・・・要所要所に黒が混じってはいるが。 色自体よりも装飾関連が殆ど魔物趣味である上に、強大な魔力と霊障らしき物を吹き出しているのが禍々しさの原因であろう。剣はやや曲刀と長剣を足して2で割った様な形の片刃の剣で、刀身の色は輝く様な黒。鍔や柄の部分はまるで暗黒のドラゴンの様な装飾が施されており、鎧や兜は魔人を思わせる感じであった。そしてどことなく咲耶の装備している武具と対を為す感じを受ける。 「うっ・・・こんな物一体誰が・・・?」 春歌はその武具に対し凄まじい嫌悪感を持って視線をそらしつつも、怖い物や苦手な物を見るような感じで見る。 「それで・・・どうするんですか? これ・・・」 可憐が皆に質問するが、全員返答に詰まってしまう。 「ちょうど・・・・・・刀を・・・・・・失ってしまった・・・・・・ところだ・・・・・・」 武具に手を伸ばそうとする千影。それを素早く衛が遮る。 「ダメだよ千影あねぇ! そんな物装備したら呪われるに決まってるよ!」 「・・・だけど・・・・・・これくらいのリスクを負わないと・・・・・・本気の彼女達に勝てる保証は・・・・・・無い・・・・・・!!」 衛の意見を千影はあっさりと切り捨てる。それだけ今の彼女の心境には三女として以上の何かに拘っている感じがあった。 「・・・・・・皆・・・・・・下がって・・・・・・この剣や鎧・・・盾は・・・・・・持ち主の精神を乗っ取る・・・・・・と言われて・・・いる・・・・・・だから・・・・・・、私が・・・・・・」 「最後まで言わなくてもわかっているんですの! 姫たちはもし千影ねえさまが、千影ねえさまでなくなったら何がなんでも止めちゃうんですのからっ!!」 「ありがとう・・・・・・白雪くん・・・・・・」 千影のお礼を聞くと白雪は他の姉妹と共に外で待機する事に決める。 「・・・・・・いよいよ・・・・・・本に載っていた伝説の・・・・・・『魔界の剣』、『魔界の盾』、『魔界の鎧』に・・・・・・挑める・・・・・・とは・・・・・・ね・・・・・・」 伝説の存在に普段の彼女の態度では考えられない程胸を躍らせる千影。そっと手を伸ばしてみると・・・武具から紫色の弱い稲妻は生じ、千影の手を攻撃した。 「痛ぅっ・・・」 痛がる千影であったが、決して手を引っ込めたりせずにまずは剣に手をかけた。 “我に触る者・・・名を名乗れっ!!” (・・・・・・千影・・・・・・) 頭に響いた声に驚く事無く千影は心のうちでそう思う。なんとなくその声の主が誰であるかは予想がついていたし、恐らく声をあげる事も無意味であると千影は理解していたから。 “良い名だな・・・力も申し分ないが・・・少し試させてもらうぞっ!” (なっ・・・・・・何を・・・!?) 気がついた時には既に全ての装備が勝手に装着されていた。 「・・・・・・くっ・・・・・・何を・・・・・・」 “お前が我々を使いこなせるか試そうと言っているのだよ” 千影はかろうじて精神的には武具の支配を免れていたが、妙な息苦しさを感じさせられ、言葉を発する事はできず、おまけに体の自由は奪われている。 (おの・・・・・・れ・・・・・・私に・・・・・・妹達を・・・・・・傷つけさせる・・・・・) そこで千影の意識は完全に途絶えた。 「おそいね・・・千影お姉ちゃま・・・」 不安になった花穂が千影のいる隠し部屋に向かおうとする。その刹那・・・ 「ヒィッ!」 花穂の目の前に地面を一振りの長剣が突き刺さる。そして花穂の眼前に現れたのは・・・ 「千影お姉ちゃま?」 目は虚ろでどこを見ているのか定かではなく、表情は普段以上に無表情と言える感じであった。 千影はそのまま花穂の目の前に突き刺さっていた剣を片手で引き抜くと、いきり立ったかのように花穂に襲いかかる。 「ベギラマですのっ!」 白雪が何の躊躇いも無く、千影の鎧の中心部分に向けて炎の魔法を放つ。 だが、それを千影はあっさりと剣で切り払うと、対象を花穂から白雪に変えて襲いかかる。 “結局この者も私の力に耐えきれなかったか・・・” 武具はそう思ったが、何故か千影の言葉まで操る事ができていない事に何の不思議も感じなかった。 「・・・・・・・・・き・・・・・・さ・・・・・・な・・・・・・お・・・・・・う・・・・・・」 (貴様ら・・・・・・の・・・・・・思い通りに・・・・・・なると・・・・・・思うな・・・・・・) 意識をかろうじて取り戻した千影は心の中で武具に怒りをぶつける。その反動のせいか、彼女自身の口からもいくらか言葉が発せられる。 「千影おねえたまはだいじょうぶだよっ!」 雛子に言われるまでもなく、他の姉妹は千影が完全に自分達に剣を振れる状態で無いことは薄々であり、個人差もあったが感じ取れていた。 「だけど・・・今の太刀筋から察するに・・・ワタクシの攻撃以上の破壊力はありますわ」 「そんなのは関係無い! 今はボク達でどれくらい、千影あねぇの猛攻に耐えつつ、可憐や雛子を守るかが重要だよ」 千影の剣が雛子や花穂・・・亞里亞に迫る前になんとかそれを各々の武器で防ぐ春歌と衛であったが、一人の少女の細腕から繰り出される剣にしては、余りの力任せな技にほとほと手を焼いてしまう。 「生命の水!」 「ケアルア!」 大分かわしたり、捌いたりするのに体力を相当消耗しきった所に鞠絵と可憐が回復魔法を唱えた声が響く。だが、鞠絵の回復魔法は千影に対して放たれた物であった。 「なぜ・・・なぜなの? 鞠絵お姉ちゃん!」 「可憐さん冷静になって考えてもみてください。あそこまで過剰な腕力を無理矢理使わされれば、肉体はそれ以上の負担を強いられています」 「たしかにそれは言えてますわ! 鞠絵さんの判断は正しいですわ」 疑問を投げかける可憐とは対照的に、春歌は鞠絵の判断を素直に誉める。 「だけどボク達に対する回復も忘れないで欲しいなぁ・・・」 千影の斬撃の殆どを春歌と共に受け止めている衛の体力消耗量は生半可な物ではない。そんなちょっとした事に対する愚痴さえももれてしまう。その分まだ幾分かの余裕はあるのだろうが、表情から察するにそれももう少しで尽きそうな感じであった。 「ホイミ」×2 亞里亞と雛子が全く同時に同じ回復魔法を衛にかける。 「ありがとう2人とも! もう少し・・・もう少しだけ!」 体力の回復した衛は千影を傷つけないように、軽く剣の腹の部分で押す。 「スネークショットデス!」 よろけて隙の生じた千影に足止めとばかりに四葉が、闘気で蛇を生み出してまとわりつかせる。本来は闘気でできた蛇が噛み付いたり、締め付けたりする技であるが、四葉は自分の姉を傷つけないように巧みに調節する。
その様子を心の中で見ていた本当の千影は・・・ (・・・・・・クッ・・・・・・みんな・・・・・・) “だが、お前は何もできまい・・・” そんな千影の思いを嘲笑う武具。 (ふざけるな! 何もかも・・・・・・お前達の思い通りになると・・・・・・思う・・・・・・な!!) キッパリと武具の言葉を否定する千影。 “この状況で何をしようと言うのだ・・・我々を扱う資格が無い者が! ここで己の姉妹もろとも朽ち果てるがいい!!” 千影の敗北を堂々と言い放つ物に対し、彼女は毅然とした態度で言い放つ。 (私達を・・・甘く・・・・・・見ないでほしい・・・・・・) 心の中で薄く笑う千影を不審に思う武具であったが、何をしでかすか予想ができないのと、何もできやしないという感情が相まって、これといって何かしようとは思わない。
「無言で魔法を放つってどういうことよ!」 いきなり千影が左手から放った闇の光弾をビームライフルで撃ち落しながら鈴凛はボヤく。 「姉上様が仰られてました。言葉を発せずに魔法を発せられるのは物凄く徳の高い魔法使いとかだけだって・・・」 「だけど千影ねえさまあそこまで達していないはずですの! たとえそうであったとしても、今の魔法は無言じゃ唱えられるほどとは思えませんの!」 姉の言葉を思い出す鞠絵であったが、白雪は千影がそれに当てはまらないと思いすぐさま否定する。 「でも絵とかの出ない小説ではあまりそういう設定は読者に不親切だと可憐は思うなぁ」 「四葉もそう思いマス! だって相手がどんな魔法を使ったのかとってもチェキしにくいデス!」 「そこぉっ!! 何やってるのさ!! いいから手伝ってよ!!!」 千影の剣を必死で防いでいる衛と春歌を除いて、外野でいろいろな推測らしき物を並べている他の姉妹をどやしつける衛。 「あぶないっ! 衛!!」 「えっ・・・!?」 よそ見をしてしまった衛には決して生じてはならない隙が生まれてしまう。そこをつくかのように、今まさに千影の剣が衛の首を刎ねんばかりの勢いで襲い掛かってくる。 「・・・・・・エ・・・・・・ビ・・・・・・ル・・・・・・」 微かに千影の声がする。もっとも余りに小さくて誰にも聞こえてはいないが・・・。 衛は右手に装備してある盾で何とか一撃の衝撃を抑えようと試みるが、どう足掻いても間に合いそうに無い・・・。 「・・・・・デ・・・・・・イ・・・・・・ン・・・・・・」 衛の首に千影の魔界の剣が滑り込む一歩手前のところで千影に黒い稲妻が落ちる。 「うわーーっ!」 発生した衝撃で吹き飛ばされる衛。煙がもうもうと立ち、千影の安否をただ黙って見つめる事で心配するしかない妹達・・・。
“貴様・・・死ぬ気か!?” (ふん・・・・・・私の妹を・・・・・・この手に・・・・・・かけるくらいなら・・・・・・) あまりの出来事に驚きを隠せない武具に向かい、すごい剣幕で睨み付けながらも千影は淡々とした口調で語る。 (・・・・・・いっそうのこと・・・・・・私自身の命を・・・・・・) 目を瞑り、大きく息を吸い込み・・・そして吐き出して目をカッと見開く。 (・・・絶つ!!) 確固たる意思と力を秘め、そして一点の曇りも迷いも無い・・・そんな瞳をしていた。 “・・・・・・お前に我々の力を委ねよう・・・” 千影は魔界の剣、魔界の鎧、魔界の盾を手に入れた!! (・・・・・・パクり・・・・・・? でも・・・・・・今はそれでも・・・・・・ありがたい・・・・・・)
煙が止むと、そこには体は無傷で、禍々しきオーラはもう放っていない鎧を着こなしているように見える千影が呆然と立ち尽くしていた。 「千影アネキ!?」 真っ先に駆けつけた鈴凛がそばによると、千影はあたかも鈴凛に寄りかかるかのように倒れこむ。 「うわっ! チョット千影アネキ〜。みんなもボーっと見ていないで手伝ってよ!」 倒れてきた千影を何とか支えるも、鎧の重さが思ったよりもキツいらしく悲鳴をあげる。他の姉妹も状況を察しいっしょに支える。 咲耶が妹達の元に辿り着いたのはちょうどそんな時であった。
「そうですか・・・咲耶姉君さまも大変だったのですね・・・」 鈴凛と衛と共に千影を支えながら咲耶は自分の戦った相手に関して話したのだった。無論千影達の戦いを見ることが出来た事や、相手の妙な誘いの事は伏せて。 春歌達から聞かされた事で咲耶は、見ていない千影の装備に関する事だけであった。 (私の使っている装備と正反対な装備な感じ・・・あんまり良い気分はしないわね) という思いと、 (これで武装によるハンデは無し。私と殆ど互角かそれ以上・・・面白いじゃない) という思いが心の中で交錯した。 それをお約束のとおりいずこかで見ていた者がいた。
既に日も暮れ始め、辺りは段々暗闇に包まれ始めている。九月の初旬ともなればまだ残暑が厳しく、また、日暮れ時もまだ遅い・・・その所為か妹達の様子を屋敷の外で観察している人物の顔は肉眼では解らなかった。 「フンッ・・・あれ程度で苦戦されては困る・・・まぁ予定外のアクシデントも乗り越えたようだし・・・フィリア様の顔でも見に行きますか」 空中に浮かびながら、フレイアはそれだけ言うと消えようとしたが、何物かが近づいて来た気配を感じて咄嗟に身構えた。 「何やつ!?」 後ろを振り返ると、そこには今彼女がもっとも会いたくない存在が目の前にいた。 「それはこっちの台詞よ! 貴女・・・もしかして12人の女の子達を見なかった? 一番上の子は丁度貴女と同じ位の歳だと思うのだけど」 妹達が心配になって、いてもたってもいられず、飛び出して来た姉であった。そして、目の前のフレイアが空に浮かんでいることをさして気にも止めずに質問する。 「(私が何者か気付いていないの? ・・・なら都合が良いわ・・・演技でないといいけど・・・)一応見かけましたよ。丁度そこにある屋敷付近でね・・・」 「どうも・・・」 軽くお礼を言うと姉は正に目のも止まらぬ早さでフレイアの目の前から消え去る。 「ふっ・・・全く鈍感なんだから。まだ完全に女神の剣を使えていないようね・・・共鳴が無いのが正にその証ね」 最後にそれだけ呟くとフレイアは本当に消えてしまう。
屋敷の入り口に降り立った姉はまず、ドアを開けようとしたが鍵がかかっていて開かない。 「じゃあ仕方無い・・・ブチ破るわ!」 気合い一閃。姉は右手から発した衝撃波で跡形も無くドアを吹き飛ばす。 近くに妹達がいたのだが、偶然にもその衝撃や、吹き飛んだドアの破片にぶつかることは無かった。 もっとも目の前でいきなりドアが粉砕されたのには物凄くびっくりしたが・・・。 「お姉ちゃん!!(それぞれの呼称)」×11 「貴女達怪我はない!?」 姉は妹達を見つけると、すぐさま駆け寄って心配する。 「そんな心配しないでよアネキ! 私たちは無事に今アネキの目の前にいるからさ・・・そんな心配されるとこっちも何か悪いなぁ・・・なんて思っちゃうよ・・・」 鈴凛があまりにも心配性っぽい姉の行動を止める様な感じの事を言う。心配してくれるのは嬉しいが、そこまで過保護なほどに心配されると、却って迷惑をかけている感じが嫌なのだ。 「それだけ言えるって事は少しは余裕ができたって事ね・・・じゃあひとまず帰りましょう・・・一緒に・・・」 姉はとにかく自分の妹達が無事である事が嬉しいのか、特に何か質問はしない。 「お姉ちゃま・・・花穂たちがどういうことしたのか・・・きかないの?」 いたたまれなくなった花穂は姉に疑問を投げかけるが、姉は敢えて詳しく答えようとはせずに、 「どうせアイツについて大した手がかりは得られなかったんでしょう? そんな事だろうと思ったから・・・心配になって来た。ただ・・・それだけよ・・・」 「本当に?」 まだ疑念の晴れない花穂ではあったが、姉がなぜか妙に悲しそうな顔をするのを見て思いとどまる。妹の誰もが何故そうなるのかは理解していなかったが、妹達が彼女に関して触れてはならない部分について触れようとすると決まって無意識の内にそういう顔をするのだ。今では妹達も口に出さずにそれ以上口出ししない事にしている。 もっとも雛子と亞里亞は持ち前の純粋さで“感じ取っている”が正しいのだが・・・。 「お姉様・・・一体何があったの? お姉様がただ単に私達が心配なだけじゃそうそう助けに駆けつけるって事は無いもの!」 だが、その時の咲耶は違っていた。彼女はそこではない違う部分に深入りするような発言をする。 「・・・察しが良いわね・・・」 呆れながらも姉は、半ば諦めた口調で答える。 「もしかして何か重大な事件でもあったんデスか?」 横槍を入れる様に四葉が更に質問し、姉はその様子に微笑ましさと微かな不安を感じたが、表面に出さずに回答する。 「それは家に帰ってくれば解るわ・・・もしかしたら・・・私達は大きな流れに巻き込まれたのかもしれない・・・」 「どういうことですの?」 白雪の最後の言葉には答えず、姉は全体完全回復魔法で妹達を回復させると、すぐさま瞬間移動魔法で自宅にワープする。
44話へ続く・・・・・・
あとがき 何か天竜帝アグリメッサは設定の割にはあっけなく倒してしまいましたね・・・これは別にページの都合だとか、そういうのは無いです・・・(強さのインフレ街道まっしぐらだな・・・) オルプェファは“オルペファ”に近い発音だと思って下さい・・・読みにくいですが、書く方も半端じゃなく辛かったデス・・・(じゃあ素直に・・・) 尚、フレイアは読者様は彼女が敵サイドのキャラであることは知っているが、妹達はその事を知らないと言う感じですが・・・いかがでしょうか? (普通聞くか・・・?) それでは次回へ・・・(自戒の間違いじゃ・・・)
PS:()内は自分で自分をつっこんでいるだけです
|