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こうなったら、一か八か身体を切り離すしか無い。
そう思った俺は、痛みに耐えながら一心不乱に念じた。
――切れろ。切れろ。切れろ。
それと同時に感じる激痛。どうやらあちらも必死のようだ。
まだ朦朧とした意識の中、俺という「異物」を認識し、防衛本能が働いているのだろう。
だが、俺も麗華さんから逃げ切らなければならない。
こんなところで息絶えるのはゴメンだ。
それから2、3分たっただろうか。突然、身体の一部に喪失感がした。
切り離しがうまくいったのだろう。すぐに俺は口から飛び出した。
ベチャッと音を立て、着地する。
あゆみちゃんはというと、
「あがっ……ぐう……」
苦しんでいる。俺の一部が口の中に残ってしまったからか?
そして、ゴクンと喉を鳴らして俺の一部を飲み込んでしまった。
「はうぅ!ああっ!」
うめき声をあげたかと思うと、急にあゆみちゃんが震えだしながら、ナニカを呟きだした。
「私、いや俺は進藤あゆみ……義理の姉の麗華さんに実験台にされて……」
「違う……私はそんな人知らない……私の、俺のお姉ちゃんは……」
「あ、あれ?私は?俺で……」
「お、俺が私で、あれは俺、私は、あぁぁぁ!」
そんなことをひとしきり呟くとあゆみちゃんは叫び、倒れた。
いったい何が起こったのだろうか?
とりあえず俺は……
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