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活動に必要なエネルギーは充分に頂いたのだし、俺の役目は果たしたと言えるだろう。
それならもう一人の俺の方に向かうとするか。
目を閉じ、精神を集中して、居場所を探す。……ん、遠くまで逃げていると思ったんだけれど、結構近いな。これなら随分早く合流できそうだ。
ぱっとその場から走り出した俺は、きっと年相応の姿に見えていたに違いない。
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で、気配のするほうへ走っていってそれらしき場所に着いたのだが――
「まいったな、こりゃ……」
目の前に聳え立つのは、今の俺の二倍以上はあろうかという黒い門、奥に見えるのは四階立てはあるだろう巨大な建物。中からは若い女の子らしき声が。
そう、所謂女子高ってやつだ。
今の姿じゃ入れないし、無理やり成長しても見慣れない奴として見つかりそうだしな。
となると、誰かに身体を貸してもらうしかないんだけど……
「どうしたものか……、ん? あれは――」
ふと目をやると、そこには――
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