|
ひとまずは手の届く範囲を。何時麗華さんにここがバレても良い様に、地盤を固めていかなければ。
と、思い立ったが吉日。早速行動に移してみようと思い、生徒会室の窓からプールに目を向けた、のだが……
そこでは俺の予想を遥かに超えるとんでもないことが起きていたのである。
仲良く集まって、練習しているかに見える部員。しかしてその実態は――
「ひゃっ! そこはっ……だ、めぇ」
「なーに清純ぶってんのよ! ほらほら、いつもの堅物副部長は何処へ行ったのかしらねぇ……」
「ひゃぅ! そ、んなの知らない、よう……」
「そこらへんで止めといたらー? でないと……私もヤりたくなっちゃうから……」
「何をだよ」
「ナニだなんて……いやらしい……。 んっ、ああっ……」
「胸揉むのって、気持ち良いね……」
絶賛レズプレイ中(中身男)。アホだろ。
お互いがお互いの身体に欲情しているからこうなったのだろうか。
無理やり水着を脱がすとか、着衣プレイに勤しむとか、傍観しながら自分で楽しんでる奴とか色々居るみたいだが。
おそらくはその子達の本来の趣味、なんだろう。
極め付けに、いくら生徒会室が近いからといって、ここまで聞こえるような声を出す奴が何処にいる。変なうわさが立ったらそれだけで怪しまれるというのに。
……あ、俺か。
***
まぁ、見たところ水泳部は完全に掌握できたと判断していいだろう。これでひとまずは安心だな、と胸を撫で下ろしたその時――
|
|