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金持ちの娘ばかりを勧誘し、いつの間にか財産を残らず寄付させている、との情報で捜査していた団体の代表者の女だった。
体を見下ろす。
鏡の中の女と同じに、胸には乳房が揺れている。
「な・・・何をした?」
「何ってなんだ?高見沢妙蓮こと、高見沢節子さん。」
ぐらっ、と眩暈がする。何が起こっているのか理解ができない。
俺が・・・あの女の姿に?
なぜだ???どうやって???
「私の服をどこにやったのですかっ!?警察といえでも無礼は断じて・・・・・うっ?」
今のはなんだ?俺が喋ったのか?
「名前を言ってみろよ、教祖様。」
「ワタクシは・・・高見沢妙蓮・・・なんですの?なんで・・・ワタクシの!?」
その口調は間違いなくあの教祖の話し方だった。
「そう、あんたが今から教祖様ってわけだ。ってわけでそろそろ本庁に来て貰うぜ。ご協力願おうか。一応任意だからね。」
意識は完全に俺のまま。
しかし行動や言葉は完全にこの女のものに置き換えられてしまう。
高慢な態度で取調室の面々を侮蔑する。
「帰らせていただきますわ。これ以上お話しすることはありません。逮捕状でも取ってきたらいかが?」
俺は立ち上がり、制止する声に耳も貸さずにエレベーターに乗る。
そして・・・
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