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「あ・・・あの趣味とかは?」
「前の学校どこ?」
「どんなタイプの男が好きなんですか?」
俺はバッグを机に置くと、人垣を掻き分けて前に出る。
「お・・・」
どこかで見たことある?
いや・・・見たことないよな。でもやっぱり?
「( アイドルの名前 )に似てるって言われない?」
「( 若手女優の名前 )だろ?そっくりだよね??」
「い〜や。憧れの( その他芸能人 )にそっくりだってば。」
男たちはみんな興奮しきっている。
確かに・・・似てる?いや・・・とにかく超絶美少女なのは間違いないぜ。
ここはちょっくら得点稼ぐか。
「あ〜ちょっとどけよっ、転校生のえ〜と・・・何さんだっけ?」
「佐藤良子ちゃんだよっ!!」
なんという平凡な・・・
「あ〜その、佐藤さん、先生が職員室にこいって。こっちこっち。」
「あっ、てめえ鈴木!!何手握ってんだよっ!!!」
超ダッシュで追っ手をまき、俺は取り壊し予定の旧校舎に転校生を連れ込んだ。
「はぁっはぁっ・・・も・・もう大丈夫・・・」
俺は彼女の顔を見た。
俺がこんだけ息切れしているのに・・・まったく呼吸も乱れずに彼女は俺の顔を正面から覗き込んだ。
「ありがとう。助かったわ。動きが取れなくて本当に困ってたの。」
「はあ・・・はあ・・・そうか、よかった。俺、鈴木。よろしくな。佐藤さん。」
うっかり手を握ったままなのに気がつく。
「あ、ごめん。」
慌てて離そうとしたが、彼女は俺の手をぎゅっと握ったまま、俺の顔を凝視して動かない。
「鈴木さん、ちょっと問題が発生したので協力してもらいます。」
彼女は身動きひとつしないまま、自分の正体を俺に打ち明けた。
彼女は・・・
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