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「大義がない」とか「争点がない」とか言われている来月の総選挙、そのことも含めて不吉な選挙だなと思います。与党も野党も言っていることが筋を違えていて、どう転んでも悪くなるばかりという、前代未聞の選挙だからです。
たとえば10パーセントへの増税を1年半先送りにするというのは、大げさにいえば地獄に落ちるのが1年半先になるいうだけの話で、何かが良くなるわけでありません。なのに、8パーに上げたのを元に戻せと本気で主張する声は有力政党からは聞こえてきません。それもそのはずで、そういう主張をする人が一部にいてもマスコミや有権者からは「戯言」として一蹴されるのだから、どうしようもないのです。
去年、消費税増税やTPPが待っているからアベノミクスの先行きは暗い、と書きましたが、どうも世間の大方の見方は違うようで、「増税は痛いけど増大する一方の社会保障費をまかなうためにはやむをえない」とか、「TPPは痛みもあるけど全体としては日本の貿易発展に資する」とか、誰かに騙されているのか自ら騙されたがっているのか、とにかくレミングの集団自殺のように国民こぞってあらぬ方向に進んでいるようにみえます。
しかし無理もないなという気もしないではありません。今朝の朝日新聞はこう恫喝しています。
>40年代後半に日本の人口は1億人の大台を割り込み、65歳以上の割合は4割に近づく。
>(中略)
>消費税率を25%まで上げたうえで、「年金支給は69歳から」「高齢者の医療費自己負担は一律2割」などで社会保障を切り下げないと国の借金の膨張は止まらない、という試算(大和総研)もある。国債が信用を失って金利が暴れ始めれば、どんなに景気が悪くても「強制増税」に踏み切らないと国がもたなくなる。つい3年前、ギリシャやイタリアで起きたことだ。
>(中略)
>今回の増税延期で、年金弱者対策などの社会保障改革も見直しが不可避になった。
最後の一文など、「増税に文句つけるとこーゆーことになるんだよ、ざまぁ」とニヤニヤ笑いながら書いている感じ。といっても、慰安婦強制連行でっち上げの朝日新聞だからではなく、巨大メディアのほとんどが大同小異のことを言っています。毎日のようにこういう恫喝に接していたら、そりゃ影響されてしまうでしょう。消費税を下げろという主張を聞いても「でも下げたら大変なことになってしまうんじゃない?」と不安になって、とても支持する気にはなれなくなるでしょう。
というわけで、この度の総選挙を機に、国民貧困化、国力弱体化の方向がほぼ確定し、まだ見えている出口がついに視界から消えるような気がしています。そうなれば、尖閣で戦闘が起こる、といった事態も飛躍的に確率が高まります。戦争の危機は特定秘密保護法案とか集団的自衛権容認とかで高まるのではなく、国民の貧困化によって高まるのです。
(私も恫喝しているような気が…影響力ないからいいか)
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