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>今でも、終戦記念日とかに繰り返されるような反戦ドラマがあるでしょう。
>そこで描かれる戦時中の日常は大体一緒ではないでしょうか。
>一般庶民は日常の平和を愛しながら、しかし軍部(政府)の目を恐れそれを口には出来ず、憲兵は高圧的で恐ろしく、、、といった。
>そして日本が戦ってるはずのアメリカは描かれない。
>まるで、一般庶民が、日本軍部と対立してるような。
いわゆる「反戦」ものに限らず、戦争の時代を舞台とするドラマはそうですね。NHKの朝ドラとか。
アメリカや日本の一般庶民を無罪化し、日本の軍部を悪魔化してきた戦後を、単に占領政策や東京裁判のみに帰することはできないでしょう。多くの日本人がそれを望まなければ成功しなかったはずです。敗戦後に「一億総懺悔」を唱えた政治家の声も、デモクラシーを「でも憎らしい」と洒落たアメリカ憎しの庶民の声も、あなたたちは悪くないという居心地の良い図式の前に消されていった。そしてひとり悪を背負った旧軍はもう無い。実体を失い、抽象化された「悪」であればこそ、安心して非難することができたし、安心して新生日本は宗主国アメリカと同衾することができた。デモクラシーを結納金として。
そこには嘘が、誤魔化しがあるんだと思います。日本人の伝統からいえば、葬り去らねばならなかった旧軍や戦前的なものに対する鎮めや祈りがあってよさそうなもの。ところがあらゆる人的・物的被害の責をそこに押しつけた。
それゆえに繰り返し物語を反復しなきゃいけない。これでよかったのだ、と言い聞かせるために。
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