| |
引用が長くなっても問題ありそうだし、これを引用したからって何がどう変わるという訳でもないということもあったりで遅くなりましたが、約束だしま分割して引用すればいいのかなーという感じで。
あんまり意味ないと思うけど。
::::::::::::::
4.オーウェン・レニックの症例
間主観性学派からの症例としては「分析において手の内を見せてトランプをすること−−自己開示の問題へのアプローチ」という論文でレニックが報告しているアンの症例を取り上げよう(;Renik,1999:521‐540)。レニックはこの症例を通して、トランプを表向きにすること、すなわち自己開示が有用であることを主張しており、自己開示の機能として、分析家の脱理想化よりも、むしろ患者の権限の拡大を重視し、それによって患者と分析家を同等の水準に置くことを目指している。まずはアンの症例の概略を示すことからはじめよう。
*
アンは報道記者として働いている女性であり、対人関係に問題を抱えていた。それは夫との関係にも表れていた。「分析中、アンは夫についての批判的な考えが生じたとき、それを自己不信に代えながら、こうした考えを放棄しなければならないと感じているように思われた」とレニックは記述している。例えば、アンが仕事の話を夫に熱心にした話しているとき、夫は無関心であるように感じられ、その理由を彼女は夫が自分の仕事の成功をおそれているからだと考えたが、最終的には自分の話し方に問題があるのだと結論したりするのである。
分析家ははじめに夫との関係を母親との関係に結びつけようとした。なぜなら、アンは、母親は愛情はあるが支配的な人物だと感じていたからである。彼女は母親にたいしてアンビバレントな感情を持っていた。
分析の転機は、分析家が率直になることによってやって来た。アンが前述の夫の話をしたあと、分析家は「私は困惑しています。どうしてあなたは自分の話し方によって夫が興味を失ったと感じたのですか」と言った。するとアンは分析家に率直になるように求めた。彼女は「先生が困惑しているとは思いません。先生は何が起こっているかについてある見解をおもちでしょう。どうして思った通りにおっしゃらないのです」と言い、さらに「(…)とうして先生が心配されいる通りに説明されないのですか。代わりに先生は困惑しているとおっしゃり、それは本当ではないし、(…)どうして先生が心配されている通りに説明されないのですか。代わりに先生は困惑しているとおっしゃり、それは本当ではないし、(…)なぜそんなデタラメを言うのです」と述べた。
:::::p48-49:::::::::
(つづく)
|
|