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ラクシュンさん、こんばんは。
>なんかねー、そこには「ならば」演算子が機械的に展開されているだけなんですよ。あくまでも直感ですが、この構造だったら何でもそこにブチ込めそうな気がするんですよ。
そんな中立的な理由で支持されているわけもないと思うのですが、基盤になっているのは仰っているように「エディプス三角形」なのですよね。それへの個々の人間行動のアナロジーが展開されているというふうに理解しています。
アナロジーによる分析が信頼されるかどうかは使われ方や使う人間の性質如何によるところが大きいと思うので、自分と違う意見の人間たちにダメ出しするための道具になることが多いなら信用を落としますよね。そのような使い方をする人はどうせマンカスですよ。
で、アナロジーは科学的には疑問符が付くのでしょうけれど、まあ科学的に怪しいものが必ずしも的を射ないわけではないし、信頼される場合もあります。人間臭くて面白い時は好感されます。
今読んでいる大阪の寝具商の本に原油輸入自由化の年の彼の先々代の経済見通しについての思い出をオイルショックの翌年であるそれから12年後に発表したエッセーに書いてます。つまり高度成長期といわれる時期をまたいだ雑感ですか。
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ところでプロの評論家は自分の予想が外れると、あとあとの講演のギャラに影響するから、どうしても尻尾をつかまれず、どっちへ転んでもケガのない言い方をするものだが、これでは面白くないのは当たり前。その点彼の予想はおおらかなものであった。
「虎は日に千里往って千里還るということですよって、今年はえろう荒れる年になりそうでんナ。大正三年の寅は第一次大戦、昭和二十五年には朝鮮動乱が起きとります。とにかく世界的な事件が起きやすい年ですよってに、よほど気イつけまへんと……」
これは彼の昭和三十七年寅年の予想。ただしこの年はあいにく世界的な大事件は起きていない。しかし繊維界では、この年綿紡が戦後最高の三六%の操短をやっているから荒れた年には違いない。
さて同じ寅年の今年はと言えば、ご存知のとおりのそれこそ世界的、未曽有の不況、繊維界もご覧の有様。
「そやさかい、言わんこっちゃあない……」と泉下の彼、キセル片手に鼻うごめかしているは必定である。
彼もしかし、まんざら当てずっぽうやカンだけで卦を立てていたわけではない。無類の金庫好きだった彼自慢の金庫の中には、肝心の現金は一文もなく、彼が尊敬する方たちから貰ったたくさんの手紙の類と共に一枚の図表が収蔵されてあった。
厚手の紙に二つの円形図表、それぞれに表題があり、一つは経済界循環表=Aいま一つは経済軌道≠ニある。経済軌道にはーー此表ハ英国ケンブリッジ大学校経済学教授マシキアル氏ノ調製ニカカル英国恐慌循環、西暦一八四七年(弘化四年)、一八五七年(安政四年)、一八六七年(慶応三年)例ニ拠レリーーとしてある。
しかし彼が占卜に利用したのは、むしろもう一つの経済循環表の方だったが、このケインズばりの循環表の出典は審らかではなく、ただ脇田先生蔵書の写、和田哲夫著とあるだけである。(和田亮介「扇子商法」より)
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一代で会社を築いた商売人が自分が手探りで編み出した手法と頑固な人生哲学を基盤に世の中を見立てる。こういうの好きです。
関東平野は雨が降ってきましたね。 頓珍漢なこと書いてると思うので、できたらご指摘願います。
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