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調査委員会による小保方博論の調査結果について、具体性なく悪しざまに書いてしまったので、少しだけその理由を書いておきます。
調査報告書は小保方博論についてこう述べています。
>仮に本研究科の博士論文の審査体制及び博士学位授与の審査体制に重大な欠陥・不備(下記V.3.(5)記載)がなければ、本件博士論文が博士論文として合格し、小保方氏に対して博士学位が授与されることは到底考えられなかったといえる。
はっきりと「博士論文に値しない」という判断を下していることがわかります。
結論部では、論文の問題点を列挙した上で、改めてこう述べています。
>本来であれば、これらの問題箇所を含む本件博士論文が博士論文審査において合格に値しないこと、本件博士論文の作成者である小保方氏が博士学位を授与されるべき人物に値しないことも、本報告書で検討したとおりである。
ここでは「人物」にまで言及して「博士」に相応しくないことを確認しています。そして申し訳のように次のように付け足します。
>本件博士論文は、このような決して許されない行為により作成されたものである。本件博士論文の作成者である小保方氏について、博士学位の取り消し要件に該当しないと本委員会が判断したことは、この問題点の重大性を一切低減するものではないことは、改めて明確にしておく必要がある。
結局、委員会が出した結論は、小保方博論は「許されない行為により作成された」「合格に値しないもの」であるが、早稲田大学の「学位取り消し要件に該当しない」という理由で合格は維持される、というものです。これ、どれくらいの人が理解できるのでしょう?
委員会が検討した早稲田の「学位取り消し要因」とは「不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したとき」という早稲田大学学位規則の文言です。「不正の方法」とは何かについて具体的には学位規則に書かれていない。そこで委員会は「不正の方法」が何であるかは解釈に委ねられているとして、小保方博論はこれに該当しないという「解釈」を縷々行う。ここはもうはっきり言ってしょうもない法律談義であって、「科学」とは何の関係もない駄弁です。先に「学位取り消しはしない」という結論があって、それに合わせるように一所懸命理屈をこねている、という感じ。ひどいもんです。
上に引用した箇所などから、委員会のメンバーからは厳しい意見もあったことが推察されます。論文も人物も博士に値しない、という明快な評価を、どうやって「学位取り消しには該当しない」という遥かな結論まで持っていくか。まあ、苦労したといえば苦労したんでしょう。
ともあれ、結果的に、コピペも捏造もOKという異様な結論が提示されました。こうでもしないと、他にも大量コピペが明らかになっている博論がたくさんあって、大変なことになるから、ということだったのでしょうか。この際、膿はちゃんと出した方がよかったのに、愚かですねー。
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