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TPPに関連して、以前、芥屋アニキと「日本の交渉下手」について話したことがありますが、今回のTPPでも、本当に間抜けですよね。
私がTPPに反対であることはさておいて、交渉を成功させたいなら甘利さんみたいに「早く妥結させたい、早く、早く」みたいな態度を見せちゃダメなのは大原則でしょう。あんな態度見せるから、妥結が間近という段になって、ニュージーランドが高い要求をしてくるわけで。「早く妥結したいの?わかった、じゃあこれとこれも呑んでね。妥結したいんでしょ?したいんでしょ?したいんでしょ?」
TVニュースをみると甘利さんはだいぶ頭にきている様子で「(某国代表は)頭を冷やしてほしい」と言っていましたが、頭に血が上っているのは明らかに甘利さんの方でした。
本来は、「離脱もありうる」という姿勢をほのめかさないといけない。もちろん、口先だけではなく、「日本は本当に離脱するのでは」と思わせないといけません。カナダも、マレーシアも、それをやっているし、アメリカでも有力な次期大統領候補とされるクリントン氏が先月演説で「得にならないなら交渉を離脱する」と明言しました。
日本はTPP交渉の最重要国の一つです(マーケットがでかくてマネーが豊富という意味で)。いろんなチャンネルを使って、「離脱もあるぞ、本気だぞ」というところを示せばかなりの効果が期待できます。ところが反対に日本はあれもこれも譲歩して、「こっちはこれだけ譲歩したんだから、そっちも誠意を示せ」みたいな交渉をしているようにみえます。
そして政、財、官、マスコミこぞって「TPP万歳」「何としてでも早期妥結を」と叫び続けている。今年に入って農協改革なるものを断行し、反対の声を弱体化させるという、早まった行動までしてしまいました。こうした日本の国内情勢を交渉参加国は見ています。「もっと要求しても日本は呑むぞ」――足許を見られているのですね。
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