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バジル二世さん、
>ここでの貸し手は最終的に自分で、銀行に預けた、つまり貸した金が巡り巡って国債を買ってゐて、デフォルトかインフレの危機にさらされてゐるわけでせう?「縮み志向」だらうが、心配なものは心配としか言へません
デフォルト、インフレ、いずれの危機も今のところまったく無いと思いますけどね。
国債の利率がぐんぐん上がってきているというならデフォルトの心配も分かりますが、ここ何年か史上最低のレベルが続いている、言い換えれば、利率が極端に低くても買いたい人がいっぱいいるという状態です。日本国債の信用度は極めて高いと考えるべきでしょう。
インフレについても既に書いたように年2パーセントというインフレ目標にも遠く及ばない状態で、心配すべきはむしろ再度のデフレ突入だと思います。
ただし、「『縮み思考』だろうが、心配なものは心配」というバジル二世さんの言葉ををおかしいと言うつもりはありません。個人レベルでは「縮み」を志向する方が合理的であるという状況がかれこれ20年くらい続いています。それが全体として「不合理」に繋がっているということを前に書きましたが、「全体」と言われても、個人にはどうしようもないわけです。だから政府が積極財政を…、というのが私の言っていることで、そう言いながら自分自身はといえば基本「縮み」志向の生活をしています。これは矛盾ではなく、当然の(理屈通りの)行為です。
このようにミクロとマクロでは合理が一致しないことがあります。われわれ個人はミクロの合理で動いていくから(そうしないと生きていけない)、それで全体が変な方向に行くなんてことにならないように、政治家さんたちには適切なかじ取りをしてもらいたい。そのかじ取りが、もう長い間まちがった方向に進んでいるのではないかと私は思っています(最近は「一億総活躍」などとまた変なことを言い始めました)。
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