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安倍総理が政府幹部に消費増税の延期を指示したというニュースが流れています。
しかし「延期」では弱いでしょうね。「取り消し」にしないと。
5%から8%への増税の時の議論を思い出してみます。
増税推進者たちは、アベノミクスの効果は劇的に現れている、したがって増税しても需要の落ち込みは最初の四半期だけで、その後は回復するから大丈夫、と言っていました。反対者たちは、デフレ期に増税したら長期にわたる需要低迷に陥る、97年増税の時もそうだったではないか、と言っていました。
結果として増税推進者の言っていた楽観論が間違っていたわけで、増税反対者の懸念が正しかったのだから、総理は反対していた人たちの意見に耳を傾けるべきでしょう。
そうすれば、「延期」ではさらなる需要の落ち込みを先延ばしするだけで需要を喚起することにはならない、ということが理解されると思います。
しかし、それが分かっていても、政治家としては、一度始めたことを取り消すのは難しいのかもしれません。自己否定になりますから。だから、サミットで主張したように世界経済がどうのこうのと屁理屈を並べて、つまりは自分の意志で制御できないもの(地震もそう)のせいにして、増税「延期」という中間的な策でお茶を濁すということかもしれません。
野球でいえば、変なフォームで投げているからコントロールがつかない投手のようなものです。合理的なフォームで投げさせるべきとコーチは言い続けているのに、変なフォームを教えた監督は意固地になって変えさせない。合理的なフォームで投げれば素晴らしいボールを投げる潜在力があるのに、もったいないことです。
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