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イギリスのEU離脱は新スレッドにしようかと思ってましたが、バジル二世さんがすでに書いているのでここに書きます。
イギリスの国民投票で僅差ながら「離脱」が勝利したことは近年にない朗報でした。ダメかと思っていたので狂喜しました。
4年前の5月18日、私は「『マネー神』と『民主主義』」というタイトルの駄文をこの板に書きました。その時ギリシャ危機に関連させて書いたように、以前より私はEUの市場原理優先が「民主主義」と相容れなくなってきているという問題意識を持っています。
今回の国民投票でEU離脱派が突いたのもそこでした。「インディペンダンス・デイ」とは、これでイギリスは自分たちのことを自分たちで決められるようになったということの誇張表現に他なりません(植民地だったわけではないから「誇張」ですが、離脱派にとっては実感であろうと思います)。
今回特に感情的に争われたのが「移民」をめぐる意見対立でした(残留派議員の殺人事件まで起こってしまいました)。「マネー神」信仰(市場信仰)の側からすれば、移民の自由度は高い方がいいのです。その方が、グローバル企業は人件費が抑えられ、利益率が上がり、ゆえに株価も上がり、株屋が儲かり・・・、という好循環が期待できるからです。でも露骨に「マネーのため」とは言えないから、人権問題に偽装して、自らを人権派とし、移民の制限を主張する者たちを「民族至上主義」「自国中心主義」「極右」などと悪魔化してきました。残留派の中にはこれにまんまと騙されている善良な人々も多いと思います。
私はイギリスのEU離脱が日本にも良い形で波及することを望んでいます。ただ、今後イギリスがどうなっていくかが分からないうちは、大きな変化はないかもしれません。
残念ながら、日本は今なおグローバリズム(マネー神信仰)が幅を利かせており、労働者の非正規化を進め、それにも限度があるとなると今度は欧州に遅れて移民を増やそうとしています。経済は「経世経民」ではなく、民の労働成果を掠め取る一部のグローバリストのためのものになりつつあります。テレビのニュースはイギリスのEU離脱を「災難」と捉え、「株価はどうなる」といったマネー神(市場)にお伺いを立てるものが大半を占めています。こういう、EUと同じ目線に立った見方からどれだけ離れられるか。希望を持ってイギリスの今後を応援したいと思います。
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