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アメリカ大統領選挙
 Josef  - 16/11/14(月) 19:05 -

引用なし
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   史上最も醜悪な、などと言われたアメリカ大統領選挙はトランプ氏が勝利しました。大手メディアの予想(と期待)を裏切るこの結果は、EU離脱派が勝ったイギリスの国民投票結果と軌を一にしていると言っていいでしょう。2016年はグローバリズム終焉の始まりの年として記憶されることになるかもしれません。

それにしても、国論が二分されるような選択について、ほとんどのメディアが一方を支持するという事態は異様でした。メディア報道をみているとトランプ氏がエキセントリックな人物であるという印象を受けますが、結果をみると、実はメディア報道がひどくエキセントリックであったことが分かります。

朝日新聞11月13日に大野博人編集委員が著名な人口学者エマニュエル・トッド氏を取材してこう書いています。

>他方、(トランプ勝利は)民主主義が機能した結果、という声もある。嘆いているのは、政治家やメディア、大企業経営者など米国内のエリートや既得権層で、その連中がふつうの人々の考えをわかっていなかっただけだと。
>「トランプ氏は支離滅裂でも、支持する人たちの反乱には理がある」と選挙前に指摘したのは、フランスの歴史学者エマニュエル・トッド氏だ。働き盛りの白人の死亡率上昇などに注目し「米国は大転換のとば口に立っている」と波乱の可能性を示唆していた。
>開票翌日、電話すると「当然の結果」と話した。「生活水準が落ち、余命が短くなる。自由貿易による競争激化で不平等が募っているからだ。そう思う人が増えている白人層は有権者の4分の3。で、その人たちが自由貿易と移民を問題にした候補に票を投じた」
>むしろ「奇妙なのは、みんなが驚いていること」という。「問題は、なぜ指導層やメディア、学者には、そんな社会の現実が見えないのかという点だ」

トッド氏が指摘する「働き盛りの白人の死亡率上昇」については、たとえば次のような報道がこれまでにもなされています。

「アメリカではなぜ自殺率が増え続けているのか」(2016年5月)
ttp://toyokeizai.net/articles/-/115717

今回の大統領選挙戦において、メディアはトランプ支持者を「低学歴、低所得の白人男性たち」とディスりまくっていました。ところがフタをあけると白人女性もまたトランプ氏に投票した人の方がクリントン氏に投票した人より10ポイントも多かったという調査結果。この結果をみてニュースのキャスターだかゲストだかが「女性を馬鹿にしていたトランプさんが女性に支持されるのは不思議ですねぇ」と間抜けな発言をしてましたが、生きていくことが苦しいからに決まっているじゃないですか。ポリティカリィ・コレクトみたいなエリート御託以前の話です。

トランプ氏には、政治家としての知識や経験はなく、これから優れた大統領になる可能性はほとんど無いでしょう。トランプ支持の人たちも、それが分かった上であえて支持した人が多いと思います。「ヒラリーが勝って今のままの不平等政策が続くならもう自分に未来はない」と感じている層です。「希望は、戦争」じゃないけど、希望のない今の現状をハンマーで叩き割ってくれそうな人、それがヒラリーではなくトランプだったというだけでしょう。たとえとんでもない大統領になったとしても、最悪の「今」を継続する大統領よりはマシ。

これ、アメリカだけの話ではありませんね。

*エマニュエル・トッド氏は先ごろ『問題は英国ではない、EUなのだ』(文春新書)という本も出していて、以前よりEUの問題点を指摘してきています。単なるドイツ嫌いという話もありますが。

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  イギリス・メイ首相の演説 Josef 16/10/13(木) 17:43
   アメリカ大統領選挙 Josef 16/11/14(月) 19:05
   Re(1):アメリカ大統領選挙(藤原正彦氏のエッセイ) Josef 16/11/21(月) 16:41

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