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>對象が國家なのが「侵略」だとか謂はれても説得力を缺きます。いや、尤もさうなことを垂れて實は國語をぶっ壞されかねませんので。
政治的な用語法への動員に「正統表記」を利用したのが最大の憾みです。特定國旗と瓦礫の寫眞を源シタゴウ氏が記載に添へたのから云へます。奪ふのが侵掠=持ち主に決まりは無く財産、侵略=国家の土地をーーださうです。
少し考へてみれば間違ひだと判ります。つまり本來の所有者が國家ではないのを理由に、土地に勝手に別人が畑を作った場合にまで「侵略」と表現しなかった、とは非現實的です。もっと柔軟だった國語の印象を損ねてゐます。
>> 元々は厳密に使い分けがなされていた侵掠と侵略ですが、掠が常用漢字外とされた結果、戦後のほとんどの辞書では同一項目で説明しています。そのため、二つの言葉に違いをあることを知らない人が辞書を見ても意味に違いがあることがわからなくなってしまいました。
つまり「元々は厳密に使い分けがなされていた」と云ふ恰かも窮屈であったかの評判を釀しかねない戰前規律觀の流布は、根據が薄弱です。従って常用、当用漢字の制限による弊害の例にも不適當な迷惑千萬だと抗議します。
「常用漢字外とされた」漢字を常用内の字に書き換へるのを代用漢字と專門語で云ひます。これの害に字の元々の來歴と整合的な熟語表記から擦れると云ふのは勿論あります。しかし、ここでの掠→略への指摘は御門違ひです。
では語義が廣いの理由に自由に使へばいい言葉ぢゃないかと謂ふのなら、さう云ふ誘導の文脈がある訣です。鼻に心地が好いかの香臭は私には政治の腐臭が酷過ぎます。それは正邪とは違ふので、好惡を表明したいと思ひます。
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