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純子さん:
> 逆に、関わっているらしいという状況証拠以外に、直接に、政権与党
> や主要な政治家がデマを宣伝していた例を挙げてみてください。
もっとも大規模なものに、自民党による「過激な性教育・ジェンダーフリー教育に関する実態調査」が挙げられます。
http://www.jimin.jp/jimin/daily/05_10/19/171019e.shtml
これによると、自民党の「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」(事務局長・山谷えり子氏)が独自に「過激な性教育・ジェンダーフリー教育」について全国調査したところ、問題となるような「過激な性教育・ジェンダーフリー教育」の実例が約3500例みつかったとしています。
そのうち主な「実例」のリストとして自民党が挙げているのが以下のページです。
http://www.jimin.jp/jimin/info/gender/index.html
これによると、アンケートフォームへの回答数が1220件、その他の意見が2300件ということですから、「実例約3500例」と数字が合っています。
しかし自民党各議員に配られたという「県別事例集」という冊子を見ると、回答とされている中にはとても「実例」とは言えない単なる漠然とした意見や、自民党に対する激励や批判、あるいは性教育やジェンダーフリー教育を支持する意見までもがかなり多く含まれているのです。 chiki さんが以下のページで検証していますが、実体験だけでなく伝聞情報を含めたとしても実際の「実例」ははるかに少ないです。
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20060305/p1
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20051112/p1
これによると、伝聞情報も含めた「ジェンダーフリー」の実例はかなり甘く見ても50件程度で、しかも回答は同室着替えや男女混合騎馬戦などの事例が「あるかないか」だけを調査したものであり、それらがジェンダーフリーの方針によって導入されたものだと関連づける情報は一切ありません(現に、のちの文科省調査で、同室着替えの理由は設備不足と大人の無神経によるもので、ジェンダーフリーの方針から同室着替えにした例はゼロと確認されました)。
にもかかわらず、自民党は今も「約3500件の実例」を唱え続け、だからジェンダーフリー教育は脅威であると主張しているわけです。これがデマ宣伝ではないと言うつもりでしょうか?
さらに言うと、この調査は質問票自体、問題の深刻さを印象づけるような設問になっていたり、調査への協力依頼とともに各議員に『新・国民の油断』が配布されるなど、事実を調査するために行なったというよりは、ジェンダーフリーを叩くための口実を求めて行なったと見なさざるを得ないメソドロジーを採用しています。そこまでしても望むような結果が得られなかったわけですが、これもデマ工作の一部だと言えるでしょう。
まあ、マスコミが自民党の発表そのままに「3500件の実例」と報道しているところを見ると、「政権与党はさすがに狡猾」という点についてはさすがに同意せざるをえません。もし純子さんが「言質を与えない」という意味で狡猾だと言ったならば、それは違いますが。
県別事例集は、chiki さんのサイトのどこかにあったと思いますが、見つかりません。
わたしも持っているので、実際に読んでみたいという方がいたらメールください。
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