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こんにちはです。
少し前まで講演旅行で忙してこちらの掲示板にはお久しぶりです。
少し前の書き込みですが、質問がったのでお応えします。
> 前から疑問に思っているんだけど、この「実質的平等」とその対義
> 語と思われる「形式的平等」との区別の定義はどうなっているんで
> しょうかね。
現実社会においてどういう状態が真の「平等」なのかという問題は非常に難しいですが、概念としての「形式的平等」と「実質的平等」の区別なら明快ですよ。
「形式的平等」というのは、同じルールがすべての人に適用されることをいいます。それだけ。
しかし、同じルールがすべての人に適用されるというだけでは済まない場合がある。第一に、そのルールそのものが特定の人たちに有利にできている場合。たとえば「誰でも任意の異性と同意の上で結婚できる」というルールは、異性愛者には都合が良いですがその他の人にとっては不利です。つまり、同じルールが適用されるという意味では形式的に平等かもしれないけれど、実質的には平等ではない。これくらい単純な例だとさすがにそれは差別的だとすぐ分かりますが、一見平等に見えるルールが実は特定の人を優遇する結果になることはよくあります。
第二に、仮にあるひとつの競争においてルールが内容・適用ともに公平であったとしても、社会のほかの部分で格差があり、それによる有利・不利が競争に影響を与える場合。たとえば同じ100メートル走という競技であっても、しっかりした指導やトレーニング施設や栄養管理を与えられた人とそうでない人では、仮にもともとの本人の資質や努力が同じであったとしても大きな差がついてしまう。短距離走ならそれで済むけれども、進学や就職にもこうしたパターンがあって特定の人種や性別や社会階層の人が不利になるとしたら深刻な問題となりかねない。
そういう場合に、「形式的平等」では不十分な部分を是正するために主張されるのが、「実質的平等」なわけですね。
しかし、こんな部分から説明しないと伝わらないとは驚いた。
「形式的か実質的かなんて主観の問題」はないよなぁ…
> #ところでmacskaさん、私はまだ書き込み禁止状態なのですか?
ええと、しばらく時間もたったことですし、書き込みたければどうぞ。
書き込みがすぐには掲載されないようになっていますが、問題がなければできるだけ早く承認します。
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