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>芥屋さん:
>ところで、古代日本の「奴婢」って、どういう感じの身分だったんでしょうねぇ。もちろん、使用人の家財として売買される身分の人たちだったと思うんですが。古代ギリシャのイソップみたいな人も身分は奴隷だったわけで、ひとくちに奴隷身分と言っても実際にはいろんな暮らし方・扱われ方があったと思うし。
貨幣経済が、まだ未発達だったから、古事記や日本書紀を読むかぎりでは、売り買いというよりも、プレゼントって感じですね。「帝が即位なされる。おおそれはめでたい。では蘇我氏より、奴碑を100人ばかり……」みたいな(^^)
確かに奴隷と言えば、主人の所有物とされ、売り買いの対象となる人間ということなのですが、制度としてとらえると、様々なバリエーションがありますね。
近代奴隷制は、開始された当初から、非人道的だとされましたけど
古代のギリシャやローマで、奴隷制に疑問を持つ人はほとんどいなかったでしょう。というより、奴隷がいないと経済がなりたたなかった……(^^)。
産業革命以前だと、生産は、すべて人力によらなくてはならなかったので、奴隷といっても大事にされていたのかもしれないし……。
それでも、ギリシャとローマでは、奴隷のあつかいがぜんせん違っていて、ギリシャはスパルタが典型例なのですが、征服民族が、被征服民族を奴隷化して、身分階層として固定化させる。そのため、たびたび奴隷の反乱が起こって、それを制圧するために支配階層は「スパルタ教育」で超軍事国家を作らなくてはならなくなった。
ちなみにプラトンが「国家」で称えている、理想のジェンダーフリー教育とは、この「スパルタ教育」のことで、なんのことはない。男女のジェンダー差よりも、自由民と奴隷の文化の差のほうが大きかったんですね。奴隷に舐められないように、女の子にも厳しい軍事訓練、軍事訓練、軍事訓練……。
これがローマになると、解放奴隷という人たちが出てくるんです。要は真面目に働いたら自由民にしてあげるよ。実力次第では、子孫は元老員議員になれるかも……という制度を作る。このほうが、軍事制圧などしなくても、奴隷が真面目に働くんですね(^^)。
一方で、ローマ皇帝から生活保護を受けている「プロレターリア」と呼ばれる自由民もいたりして……。プロレターリアの意味は「子供以外に財産を持たない人」。子供も財産だったんだな。だからといって子供が酷い扱いを受けていたかというとそんなわけがない。原子力も石油もない時代においては、貴重な資源だったんだから……。
で、そのローマが地中海世界を制圧して、かつてプラトンが理想のジェンダーフリー教育と称えた「スパルタ教育」は衰退していき、「ローマ時代には、最後は見せ物と堕した」と平凡社の国民大百科事典に書いてあった……。
「見せ物」って、いったいなんだ……(^^)?
あ、これかあ。
スパルタ教育
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%BF%E6%95%99%E8%82%B2
>また、祭りではみな裸で踊らされ、嫌がれば当然体罰があるので、スパルタでは男も女も平然とした様子で踊っていたらしい。
スケベの考えることは、古代ローマも現代もいっしょだ(^^)
案外、産業革命以前の奴隷制を考える上での、鍵は、奴隷→解放奴隷→自由民→出世というインセンティヴがあるかどうかかも……。
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