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macskaさんのこの発言が妙に気にかかってしまった。
>>定義に合致しているのに「職場の常識」を振りかざして強引に「差別ではない」と決めつけてしまうという非論理的なふるまいを認めてしまうと、例えば奴隷制があったころの米国南部では黒人は個人として生きることができないから奴隷でいるのがかれら自身にとってもちょうどいいという「常識」によって「奴隷制は差別ではない」ということになってしまいます。
そこで、奴隷制度の歴史について調べてみた。
奴隷貿易
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E8%B2%BF%E6%98%93
>開始と同時に人道的立場からの批判が起こっていたが、
ほら、最初から、「やっぱり、これは良くないんじゃないの……」と思っていた人はいたわけだよね。アメリカ南部の「常識」は、世界の「非常識」(^^)
>大航海時代のアフリカの黒人諸王国は相互に部族闘争を繰り返しており、奴隷狩りで得た他部族の黒人を売却する形でポルトガルとの通商に対応した。ポルトガル人はこの購入奴隷を西インド諸島に運び、カリブ海全域で展開しつつあった砂糖生産のためのプランテーションに必要な労働力として売却した。
アフリカの奴隷海岸にあったダホメ王国などが有名。ポルトガルから鉄砲を買い。それで周辺の部族に戦争を仕掛け、その戦争捕虜を奴隷として売り飛ばし、また銃器を買う……(--)。
>アフリカが植民地化され世界経済に包摂されていくにつれ、供給元となる地域の人的資源を急激に枯渇させる奴隷貿易は次第に有益とは見なされなくなり縮小に向かった
黒人緒王国が、イギリスやフランスによって侵略され植民地化されると、部族同士の戦争はなくなるので、奴隷の価格が上昇。むしろ、奴隷制度を維持するより、現地に製糖工場を建てて、黒人には労働者として働いてもらって、砂糖を輸出したほうが儲かる(^^)。
>特に18世紀後半以降、宗教的・人道的立場と、奴隷価格の高騰という植民地側の事情がうまくかみ合ったので、19世紀初頭には、まず奴隷貿易(奴隷制度では無く)禁止の機運が高まり、
やっぱり、人道だけじゃなく、経済的にもメリットがないということにならないと改善されないのか。
>イギリスは1808年、世界に先駆けて奴隷禁止を打ち出し、ナポレオン戦争中で海軍力が慢性的に不足しているにもかかわらず、アフリカ沿岸に多数の艦艇を配置して奴隷貿易を取り締まり、ラゴスなどポルトガル人の奴隷貿易港湾を制圧した。
で……最後はやっぱり武力制圧か……。人類って悲しいのう(--)
>こうした動きの中、アメリカ合衆国では南北戦争での連邦軍の勝利によって奴隷制は全廃された
止めの一撃。世界の中で奴隷制度が最後まで残っていたのはアメリカだけ……(^^)。さすが「自由」の国、奴隷制度を維持する「自由」を侵害するなと最後まで抵抗してくれました。(^^)
ちなみに、日本はどうだったかというと……
http://www.daishodai.ac.jp/~shimosan/slavery/japan.html
>日本人を奴隷として輸出する動きは、ポルトガル人がはじめて種子島に漂着した1540年代の終わり頃から早くもはじまったと考えられている。
>「我が旅行の先々で、売られて奴隷の境涯に落ちた日本人を親しく見たときには、 こんな安い値で小家畜か駄獣かの様に(同胞の日本人を)手放す我が民族への激しい念に燃え立たざるを得なかった。」「全くだ。実際、我が民族中のあれほど多数の男女やら童男・童女が、世界中のあれほど様々な地域へあんなに安い値でさらっていって売りさばかれ、みじめな賤業に就くのを見て、憐憫の情を催さない者があろうか。」
天正少年使節団一行がすでに16世紀に激怒しております(1582年)
>「バテレンどもは、諸宗を我邪宗に引き入れ、それのみならず日本人を数百男女によらず黒舟へ買い取り、手足に鉄の鎖を付けて舟底へ追い入れ、地獄の呵責にもすくれ(地獄の苦しみ以上に)、生きながらに皮をはぎ、只今世より畜生道有様」
太閤殿下も激怒しております。この一件でスペインと戦争になりかっかたようでございます。
>「大唐、南蛮、高麗え日本仁(日本人)を売遣候事曲事(くせごと = 犯罪)。付(つけたり)、日本におゐて人之売買停止之事。 右之条々、堅く停止せられおはんぬ、若違犯之族之あらば、忽厳科に処せらるべき者也。」
ということで、天正15年(1587年)6月18日、太閤秀吉によって、218年ほどイギリスに先駆け、奴隷貿易と人身売買は禁止されておりますな。
奴隷制度
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7
>日本の律令制度では、五色の賤のうち、公奴婢と私奴婢が奴隷にあたる。この奴婢は、律令制度の弛緩にともない消滅した。
900年代には既に奴婢制度の廃止令が朝廷から出ているらしい。しかし……
>平安時代以降には、様々な事情で自由を失った人が下人となり、主人に所有され、売買の対象になった。これは江戸時代に消滅した。江戸時代に人身売買は禁止された。
なかなか思いどおりにはいかず、江戸時代になってようやく奴隷制度は廃止された。
>第二次世界大戦後に、連合国軍総司令部は、日本における奴隷階級の解放を宣言していたが、日本政府が日本には奴隷階級はないと反論した。
南北戦争(明治維新の少し前)のころまで、奴隷制度を引きずっていた国が何を言ってるか、偉そうに……って、ことかも(^^)
アメリカの「常識」は世界の「非常識」(^^)
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