| |
>macskaさん:
話が食い違っているところがわかりました。
>男女で違う制服がある場合はちょっと話が複雑になるので、はじめから「制服や服装規定がない会社において」という前提で話していました。
そうなんですか。そりゃ食い違うわけです。性別の服飾を指定されるという文脈でしたから、私は男女別の制服がある職場を想定しました。でも私は、「制服や服装規定がない会社において」という前提のほうが複雑だと思います。着衣は自由、と言っても、全くどんな格好でもいいわけないので、やはり最終的には雇用者(職場の責任者)の裁量であることには変わりません。しかしそれ以前の問題として、何せ偏見でもって奇抜な格好をするかのような先入観を持つ雇用者(職場の責任者)もいるでしょう。多くの当事者はおそらく異性装をするにしても職場の雰囲気などを損なわないように(業種などにも合った)服装をするでしょうし、職場の指導にも従うものと思いますが、そこんとこで偏見の先立っていることがあると厄介だな、と思います。また、職場には理解があっても、顧客その他にわたって対外的な事務の多い職種だと、さらに厄介ですね。
そういった意味で、macskaさんの言われていることは、その職場で差別を訴えるのではないが、広く着衣の自由の概念として押さえておきたい、ということですね。しかし服装については、固定観念の強さがその障害になっている、と。そういう理解が進むことは私も賛成です。ですから、そういうことに教育や啓発など、行政でもって正確な情報提供として、理解の普及の一助として働きかけるのはいいことだと思います。
ただし、あとは例の定義との兼ね合いですが、やはりあの定義には合わないと思います。なぜなら、これは制度上の差別がどうこうではないからです。したがって、これは差別問題としてではなく、表現の自由の問題として扱うべきではないか、と思います。それを以下に述べます。
>では「不利だけれど、差別ではない」とはどういう場合か。それは、いわゆる「阪神ファン差別」のように制度化されていない単なる個人の趣味志向のレベルで低い評価を受けることです。ある人が「あいつ阪神ファンだってよ」と低い評価を受けたとしても、そんな評価は社会的に共有されておらず、逆に阪神ファンであることで好意的な評価を受けることもあります。そういう場合なら、阪神ファンであることを理由に不当な扱いをしても、それは単なる確率論的な理不尽な扱いであって差別ではない。
だからそれ、セクマイの話にいたって初めて言えることでしょう。それを漫然と「男らしさ女らしさ」の問題として挙げて来るからおかしいんですよ。ゲイだってレズビアンだってトランスだって「男らしい女らしい」にこだわりがあったり、意中の同性や異性からそう言われたら嬉しかったりする人もいるわけじゃん。でも、そういう「男or女らしいかどうか」みたいな評価基準は職場にはほとんどなくて、セクマイへの差別があるなら「らしくない」ではない蔑視ですよ。考えてみたらわかるでしょう、どんなに男らしいゲイor FtMでも、どんなに女らしいレズビアンor MtFでも、やっぱりその人たちが疎外されちゃうことがあるんだから、そしたら問題はどこ?「らしくないなぁ!」じゃなくて「うわ、気色悪い!」「怖っ!!」じゃないのん?その種の偏見でしょ?問題の立て方がおかしいってば。
>> 不満も何もないですよ。ジェンダー教の信者さんが思っているような「男らしさ女らしさの規範」なんて、実存じゃないでしょ?
>現実問題として社会的に広く共有されていると何度も指摘しています。
そのほとんどが、実体にそぐわない思い込みだったじゃないですか。今んとこ「うん、その共有意識ならある」としたのは、服飾についてのみです。
>「男がスカートはくなんておかしい」という認識と、「男がスカートをはかないなんておかしい」という認識が、本当にほぼ互角だと思いますか?
いいえ?でもそれは当たり前でしょう。女向けだけに作られて売り買いされてきたのが現代の洋服のスカートというものなんですから。女は(少なくとも私服では)スカートを履くも履かないも好きに選べるけど、男向けの衣装は(私服についても)女と違ってそういうバリエーションに乏しい。でも、それは「差別」ではないでしょう。
>差別であるかという判断において、「それを差別と呼ぶことは社会常識に反するから差別とは呼べない」という主張は成り立たないと指摘するために、わざと極端な例をあげたのです。
差別と呼べるかどうかの基準を、何でもそのときの社会常識に照らすのが第一だという主張があったなら、そういう極端な事例で注意を促すのも理解できないではありません。しかし、話の流れが違うでしょう。
「男らしくない女らしくない」などという評価基準は、実際には職場で大きなウェイトなど無いのであって雇用差別に結びついたという事例もない、したがってそのような差別ではない、というのが第一。そして服飾や化粧について言えば、場に合わせることを求められることがあっても当たり前であって、ことに職場はそうした場であることも多いから、「自己主張としての権利を振りかざすようなものではない、それは社会常識だ」と言ったんです。すると、「そんな権利なんか主張していない」とのことなので同意なのかと思いきや、そこで社会常識を持ち出すなら奴隷制はどうなるという反論が出てきた。だから、話の順序からしても比較対象としても、非常に不適切だと言ってるんですよ。
>なるほど、だったら、「ジェンダーの規範による差別」というわたしの考え方に同意していることになります。
プライベートな服飾の趣味が雇用差別につながるなら、のところでしょ?私もそう言ってるんですが、なぜかしら「じゃぁ奴隷はどうなんだ」とか「あなた個人の男女観を理由に他者の権利を侵害するな」とか、何やのん?
>はい、だから「異なる扱いをすること」一般ではなくて、雇用や昇進における差別など特定の分野に限って議論しています。
私もそうですが?何に反論してるの?
(続く)
|
|