| |
http://principle.jp/bbs5/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=693;no=715;id=keya1984
前スレの↑から新スレにしました。「制度と自由意志」の問題です。
【ma】
>さて、ジェンダーの制度だって従うかどうかは自由意志なのだから「問題ない」という意見には、いくつかのレベルでこたえることができます。
>
>まず第一に、逮捕されなくても実際に雇用や住居などにおける差別が存在することが指摘できます。「従来通りのひな祭りを家庭において祝ったために雇用差別を受けた」例はおそらくないでしょうが、「男らしさ」「女らしさ」の規範に従わないために雇用差別を受けた人は現実に存在するわけですから、同列にはならべられない。
>
>第二に、雇用差別のような直接な形でなくても、特定の性役割分担を前提とした社会設計が行なわれていることにより、「男らしさ」「女らしさ」の規範に従わない人が非常に損をするということがあります。具体的には、専業主婦とフルタイムの男性労働者のカップリングを前提とした社会保障制度や税制、雇用慣行などがありますね。それら制度的な理由により、性役割分担に従わない生き方を選択をした人は、そうしない人に比べてとても苦労することになります。この点も、あなたがそうした状況に配慮するべきだと考えるかどうかは別として、ひな祭りの祝い方によって実生活上大きな困難を抱えることはないわけですから、少なくともそれと同列には並べられないことは分かるでしょう。
【芥】
>>さて、男女共同参画社会政策で行われてきた教育や啓発に従うかどうかは自由意志なのだから「問題ない」という意見には、いくつかのレベルでこたえることができます。
>>
>>まず第一に、逮捕されなくても実際に教育や啓発などにおける価値観の指導が存在することが指摘できます。「従来通りの雛祭りを家庭において祝ったために政策に合わないと役所や学校に言われた」例はおそらくないでしょうが、幼稚園などでは、政策に不適切だとの主張が登場し始めて以降、これを取りやめた園は現実に存在するわけですから、同列には並べられない。幼稚園の自主性という次元ではなく、「お上が決めたこと」「法律でこうなっている」に弱い日本の政治風土と合わせて考えてみるべきでしょう。
>>
>>第二に、雇用差別のような直接な形でなくても、基本法や条例にもとづくとされる教育や啓発などの公的な社会制度が存在する中で、「男らしさ女らしさを押し付けている(刷り込んでいる)」とされたものが非常に不利に扱われるということがあります。具体的には、雛祭りや鯉のぼりなどのお祝い事や昔話の絵本の内容へのクレーム、ランドセルや着衣の色、子供の名づけ方や子育てにおける「男らしく女らしく育ってほしい」への否定的な言説などがありますね。それら制度的な理由により「頭が固い」「化石的に古い」「差別的だ」などと揶揄する教育や啓発に従わない生き方を選択をした人は、そうしない人に比べてとても心を痛めることになります。この点も、あなたがそうしたことに配慮するべきだと考えるかどうかは別として、実生活上大きな困難を抱えるかどうかだけで判断していいようなことではないわけですから、少なくとも「自由意志なのだから問題ない」と言える制度にはなっていない(ジェンダーに中立な制度にはなっていない)ことは分かるでしょう。
|
|