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笹井さんの会見は新興宗教信者のような小保方さんと違って科学的な説明が行われ、有意義だったと思います。
それだけにガッカリ感も大きい。彼によればSTAP現象イコールSTAP細胞だということでした。培養して幹細胞が作れるか、元のリンパ球がSTAP化したことを示すTCR再構成とやらが見られるか、等々は二の次、三の次で、今回の論文では重要ではない。そういう説明だと理解しました。
それならSTAP細胞なんて、細胞学では興味ある現象かもしれないが、世間が大騒ぎするような発見ではないじゃないか。そう思いました。山中さんたちのiPSが医療への応用を目指しているのに対して、自分たちは基礎をやっている、という意味のことも言っていました。
では1月末のあの派手な発表会は何だったのか?
もちろんあの時点では、iPS細胞を超える可能性があるもの、として発表したわけで、今回の笹井さんの会見は自らの論文の射程を矮小化するものに他なりません。何のために?論文の欠陥を相対的に小さくみせるためでしょう。
3月前半に公開されたSTAP細胞実験手法(プロトコル)に書かれてあった「培養した幹細胞にはTCR再構成は見られない」という記述を見て、多くの専門家が「ええ!話が違う!」となったそうです(そのニュースを見てTCR再構成って何?と調べたのが私)。しかし昨日の笹井さんの説明によって、TCR再構成は重要ではないことになった。重要でないことを批判してもしょうがない、揚げ足取りにすぎない。そういうふうに持って行くことが昨日の会見の目的の一つだったのでしょう。
まるで慰安婦問題のように、STAP細胞は「広義のSTAP現象」となり果てました。それなら、あるんじゃないですかね、STAP細胞は。香港の研究チームも細胞が緑に光るところまでは確認し公開しているそうだから再現実験成功?なんともつまらない話になってきたような気がします。
論文不正に関しては、笹井さんは生データを見ていないそうだから、何も分からず。というわけで、次は若山さんですね。
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