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中国が目の前の日本の背後にいるアメリカを見ているように、ロシアもアメリカを見ていますね。
尖閣諸島についてアメリカは日米安保の適用範囲であることを明言した。これは日本との間に領土問題を抱える国にとって極めて重大なことです。北方四島が尖閣とは性格を異にすることは明白ですが、ロシアとしては、アメリカの出方を今一度確認しておく必要に迫られました。ロシア大統領の北方領土訪問の予告と実行は、囲碁や将棋でいえば「攻撃」でも「守備」でもなく、「様子見」の一手です。アメリカは予告の段階では無反応、実行の段階では従来通りの定型句を繰り返すだけだった。ロシアとしては「予想通り」で、今回の「様子見」の一手はロシアに領土は当分安泰であることを確認するという大きな成果をもたらしました。この成果に比べると、日本の駐ロ大使召還などはロシアにとって取るに足らない小トラブルにすぎません。
ロシアにとっての成果が日本にとっては失点となることは言うまでもありません。日本は尖閣と北方領土のどちらにおいても単独ではほとんど無力であることを内外に知らしめました。アメリカは在日米軍のために日本がもっと協力するよう、今までよりもずけずけと求めてくることでしょう。
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