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「あぁ〜?ああ、起きてる。」
少女は学校指定のバッグをフローリングに置く。
「起きてる、じゃなくて、起きた、でしょ?ちょっとパソコン借りるね。」
少女は俺のパソコンから生体認証パッドを取って俺のほうに突き出した。親指を載せると起動音が鳴ってパソコンがブートした。
俺は頭をぼりぼりかきながら洗面所に向かう。
「あのさ、俺だってふつ〜に男だぜ?よく平気で入ってくるよな。男の部屋。」
「え〜?な〜に〜?」
「なんでもない、なんでもありません、と。」
名門女子高に通うこの17歳の武藤彩菜(あやな)と、早稲田の解体寸前のボロアパートに住む俺とを結ぶ共通点、それは・・・
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