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ラクシュンさん、しゅうさん、レスをどうも。
素人の直感で書いているもので理路整然とお答えすることはできませんが、しゅうさんの問いに沿って私のつたない考えを補足しておきます。
「EUの意思とは誰の意思か」という問いに対する答えは「EU首脳による会議の決定や合意がそれである」となります。まあ実質的にはドイツ、フランスの二大国が中心でしょう。しかしその二大国の意思がドイツ国民、フランス国民の意思であるかといえば、先のフランス大統領選が示すように、大きいに疑問がある。いったいEU首脳は何を見てEUの意思決定をしているのか。それはまず市場の動向である、というのがマネー神仮説です。
というわけで、
>EUは民主主義国家の集合体なのだから,どこかの国民の意思の集合なしには,この経済原理が支持されることはないと思います。
というふうに私は見ていません。自国の財政緊縮策やギリシャへの財政支援についてドイツやフランスの民意は分かれており、むしろ反対の方が多いくらいでしょう。もちろん各国政府は市場だけに目を向けるわけにはいかず、選挙に向けて民意にも目を配る必要がある。ここにマネーvs.民意の対立が起こります。
>一次産業と観光が主体のギリシャにおいては,きっとドイツの自動車と電化製品が,ギリシャ国民の生活の中心になっているのではないかと思います。EUの制度の下,自国産業の保護を行えないことが,ギリシャのバカみたいに高い失業率につながっているのではないでしょうか?
>マネーがどうとかそういう問題なんでしょうか。
はい、それこそが私の言うマネーの問題です。前回私は、資本、株、国債が国境を超えて自由に売買される現代の市場を民の生活から乖離してきていると言いました。このマネー自由化の進行が他ならぬグローバリズムであり、ユーロ圏は変な言い方ですがローカルなグローバリズム圏を形作っています。
資本が国境を自由に超えて移動していくようになれば、たとえば極端な話、「日本が滅びてソニーが栄える」ということは普通に起こりうるわけです。なぜなら、このとき企業が拠って立つのは国ではなく市場ですから。トランスナショナルな市場の自由化が進めば進むほど、国家制度である民主主義は価値を下げて行く、そういう関係にあると思います。マネーの自由と自国産業保護は対立するのです。
このことは日本のTPP参加の是非にも関係してくる問題でしょう。
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