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「はあ・・・地球人にそっくりだよね、宇宙人にしては・・・」
「本当の私の姿を見たらきっと気絶すると思うわ。これは調査時に着用する偽装生体皮膜よ。サンプリングした同年代のメスの個体の外観的特長を平均化して、無個性で目立たない容姿に作ったと聞いていたけど、こんなにオスの興味を引いてちゃ身動きができない。」
気絶する・・・ようは中身は化け物ってことか!?
「そ・・・そうか・・・大変だな。じゃあ俺部活があるから・・・ちょっとあの、手、離してくれないかな?」
彼女は無表情のまま手首の腕時計に触れる。
空気が鳴り、唐突に右の空間に穴が開いた。
「ちょ・・・まっ・・・・おうっ、離せってばっ!」
あちこちで光が点滅しているドームのような場所。
宇宙船の船内ってイメージか?
「今皮膜の作成者を問い詰めたら、サンプリングの手を抜いてテレビに出てくる画像を適当に混ぜて作ったって白状したわ。まったく・・・」
なるほど・・・それで色々な有名人を足して100で割ったような顔なのか。
「男が放って置かないわけだね。まあ、原因もわかったことだし。また新しい皮膜とやらを作るしかないんじゃ。あ、俺そろそろ晩飯の時間だからさ。そろそろ帰してくれるとうれしいかな〜、って。」
「新しい皮膜を作るのには46日ほどかかるのよ。それに佐藤良子という転校生を存在させてしまったから、突然消すわけにも行かないわ。禁則事項なの。」
「はあ・・・」
「事情を知ったからには協力してもらうことになるわ。」
「はい?」
「いいわね?」
「いや・・・」
こ・・・怖い・・・
「は・・・い。できることなら。」
「よかった、本人の同意がないと禁止されている行為だから。」
大失敗をしたのか?俺。
彼女は・・・
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