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下校する生徒もちらほらという感じ。
コンクリートの門柱の影に女子の制服が見える。
「あ〜・・・あの・・・高井戸さん?」
風になびくツヤツヤのロングヘア。ゆっくりと振り向くとやはり高井戸さんだった。
喫茶店にでも誘うかと思ったけど、彼女はすたすたと先を歩き、着いたのは池のある公園だった。
「ジュースでも飲む?何がいい?」
「そうね・・・お茶で。」
自販機で買ったペットのお茶と缶コーヒーを持って、池の見えるベンチに並んで座る。
「突然呼び出してごめんなさい。」
「えっ?あっ・・いやぁ。光栄だな!!高井戸さんとお話できるなんてさ!」
「実はね、ちょっとお願いがあって。」
「えっ?」
高井戸さんは無表情のまま、池のほうを見ている。
そしてそのまま、俺に言った。
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