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先月末、今上陛下の弟宮の誕生日定例記者会見の内容が公表されました。御息女が望まれてゐる結婚を「そうでない(認めない)というふうには私はやはりできない」とする公式の考へで、婚姻が両性の合意のみに基くとする憲法を理由にしてゐます。
皇女の婚姻と云へば歴史を動かしたことで有名な和宮内親王を連想します。御存知の様に、徳川将軍とは所謂政略結婚で、幕閣の計略が許嫁との仲を引き裂いたと云ふことで国民的な紛糾に遭ひ、明治維新に繋がったと謂はれます。
弟宮が幕末を顧たかは知りません。しかし御息女が少し前に発した「自分たちの心を守りつつ生きるために必要」と云ふ結婚への熱意に触れる時、泣く泣くの離別も役目を果たす「心を守るため」の「両性の合意」だったと云へないのかと訝しむのです。
憲法の条文を変更せよと云ふのではありません。実社会には見合ひなど両性の合意「のみ」ではなく「以外」の要素に基く結婚が健在で、そんな絵空事とは関係無く自律的に動いてゐるからです。法文が人々から見捨てられてゐる好例ではないでせうか。
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