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先日、朝日新聞に佐伯啓思氏のコラムが掲載されていました。今後定期的に掲載されるそうです。佐伯啓思といえば保守派の代表的論客の一人であり、朝日新聞が彼のコラムを定期的に載せるなど昨年夏の捏造慰安婦報道問題以前だったらありえなかったでしょう(ついでにいうとフランス右派政党の党首インタビューを載せたのも捏造報道以後であればこそでしょう)。
さて佐伯氏の第一回のコラムは日本国憲法に関することでした。縮めて言うと、日本が連合国に占領され主権を持っていなかった昭和22年に施行された現憲法には、憲法としての正当性に疑念があると言わざるをえない、というふうな内容です。
もちろん、施行以来68年にわたって日本の根本法規として機能しているという事実の重みは無視できないということも佐伯氏は認めています。「押し付けられた憲法だから一刻も早く憲法改正を」という単純な話ではないということです。
私は日本人が自分の手で憲法を作るべきだと思っているので、今の憲法は作り変えるべきという立場ですが、仮に日本人の大多数が「今のままでいい」と考えるとしても、現憲法を改めて選び直すという国民的手続きが必要なのではないかと佐伯氏のコラムを読んで思いました。たとえ一字一句違わないまったく同じ憲法であっても、日本人がそれを自らの意志で選んだとき、つまりそれが本当の意味で「日本国」憲法となったとき、憲法をめぐる風景はまったく違うものになるのではないでしょうか。
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