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またしても朝日新聞ネタです。
Yahooの配信ニュースにこんなのがありました。
見出し:日本が進める世界文化遺産登録、国内メディアからも「精神に反する」と指摘=「日本メディアも理解しているようだ」―韓国ネット
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150511-00000007-rcdc-cn
見出しの「日本メディア」というのは朝日新聞の社説を指していて、こう書かれています。
>2015年5月8日、韓国・文化日報は、日本の端島(別名:軍艦島)炭鉱など朝鮮人強制徴用施設のユネスコ世界文化遺産登録が有力視されている中で、日本の一部マスコミから「日本政府はこれらの施設の登録について慎重でなければならない」との指摘が出ていることを報じた。
>報道は、朝日新聞が8日の社説で、今回の世界文化遺産への登録推進について「『産業革命遺産』について、外部から厳しい視線が殺到している」とし、「世界の文化遺産は各国の遺産を人類全体のために保護することが目的」「国家間の対立を引き起こすのは、その精神に反する」などと指摘したことを伝えている。
これを読むと、朝日新聞は最近話題になった「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に反対しているようです。このニュースへの読者コメントも「朝日新聞の意見は日本の意見ではない。」、「朝日新聞はテロリストの新聞だからね。言論の自由を制限してでも、廃刊に追い込むべき」など、ヒステリックなものが目立ちます。
しかし社説に直接あたってみると、上の記事とはだいぶ趣きが異なることが分かります。まず、世界遺産登録については歓迎するというのが基本的立場です。
>いずれも、西洋の技術を採り入れ、国内の伝統的な技と組み合わせながら重工業を発展させた歴史を物語る。登録で関心が高まり、先人の知恵と努力の軌跡を学ぶきっかけになれば、意義深い。
その上で、韓国の反対運動を紹介しつつ、こう書きます。
>韓国政府は、対象のうち炭鉱など7カ所で、1940年代を中心に朝鮮半島からの強制動員があったと主張。登録を正式に決める来月の世界遺産委員会に向けて、反対運動をしている。[改行]世界遺産は、各国の遺産を人類全体のために保護するのが目的だ。国家間の対立を持ち込むのは、その精神にそぐわない。
つまり、「国家間の対立を持ち込む」ことへの批判はまずもって韓国側に向けられています。
その上で、日本政府の「遺産登録されるのは韓国併合の1910年以前のものだから強制労働云々は関係ない」という言い分について、1910年以後を考慮しないというのは不自然、と日本政府に対しても批判の矢を向けます。遺産登録候補の施設で朝鮮半島出身者の強制労働があったことにも誠実に向き合い、炭鉱爆発など多くの日本人が犠牲になった事実にも思いを致すことが必要だとした上で、
>歴史には光と影がある。発展の裏の犠牲や悲劇も学び、伝える責任がある。日本の近現代史を複眼で考える機会にしたい。
と結びます。世界遺産登録を歓迎するという立場に立った上で、これをきっかけに「影」の部分にも目を向けようと言っているのですね。
これに対する意見はいろいろあっていいけれど、Yahoo配信ニュースのような、デタラメな紹介記事を見て「朝日けしからん!」みたいなことを言うのはまったく不毛でしょう。この手のデタラメ、ネットには溢れていますが。
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