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>バジル二世さん:
> (…)、宗教の学校運営・維持に現在出てゐる補助金も、かつて友人に聞いたところでは明白な89条の違反とのことでした。
そうですね。普通に89条を読めば、宗教学校は特にそうですが、一般の私立の学校への私学助成金も憲法違反の疑いが相当強いと思います。
■第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
現在の私立学校は設立の認可や指導要領の順守など「公の支配に属」しているから助成金は合法ということなのでしょうが、そうやって公が関われば公金を出せるとなると、適当に法律を作って「公の支配に属している」という形をとれば公金支出OKとなって国と私企業との合法的癒着が許されることにもなりかねません。Wikiの「私学助成」の項目をみると1971年の参議院予算委員会において内閣法制局長官が「憲法八十九条の問題は、確かに率直に言って実は弱る規定であります」と述べ、現実的にみれば現状の私学助成は可であるという解釈をとるべきだとしながらも、「正直に憲法の規定に立ち返ってみますと、その辺はやや問題があるように思います」と答弁しています。
「勤労の義務」というのも、変と感じる人が多いのではないでしょうか。
■第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
老人、子供、障害者は別としても、勤労していない人なんていっぱいいます。憲法に則って彼ら彼女らを罰したり強制的に勤労させる法律があるというのは聞いたことがありません。本当に「義務」なら放っておいちゃいけないでしょうに。もちろん誰も人を強制的に勤労させる法律を作るべきとは思っていないでしょう(私も思っていません)。つまり「勤労の義務」は死に条文なんですね。
私学助成は定着して時間がたっており、今さら憲法違反だと言って騒ぐのもどうかと思うし、本気で騒ぐ人もいません。「勤労の義務」を本気で問題にする人もいません。既成事実を前に、憲法は手出しできない状態であると言ってもいいでしょう。
だから、現憲法のいいところは残し、おかしなところは改正していけばいいと思うのですが、どこをどう改正するかという議論にもっていくことすらままならない状態がもう何十年も続いているのですね。
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