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芥屋アニキ、お久し振りです。
昨日(1月27日)の朝日新聞にフランスの右翼政党「国民戦線」党首マリーヌ・ルペン氏の長いインタビューが載っていました。その中で、「国民戦線」はEUを批判しユーロからの脱退を主張しているがフランスはEUから大きな利益を受けてきたではないか、との質問に対し、こう答えています。
>「全然受けていません。EUから得たのは借金と失業とアイデンティティ崩壊だけ。EUのせいで私たちは金融面、予算面、立法面での主権を失い、自分の運命を自分で決することができなくなりました。ごく少数のEU官僚が市民の考えに反してすべてを決めてしまう。その結果、貧困と絶望がもたらされる。まるでソ連状態。私たちはこれを『欧州ソビエト連邦』と呼んでいます。」
>「私たちは国民が自国の経済をしっかりコントロールする『愛国主義の経済』をめざしています。自由競争に基づき、金融の影響を大きく受ける『米国型のグローバル主義経済』は、我が国にも、地球全体にも悲劇をもたらすと考えるからです。その点、日本はすばらしい。フランスが失った通貨政策も維持している。日本は愛国経済に基づいたモデルを示しています。」
私は、最後の「日本はすばらしい」は別として、ルペン氏の言うことにほとんど同感です。
グローバリズムというのは少数者が多数者を収奪、簒奪する経済金融システムに他ならないと私は考えていますが、なぜそんなものが多くの支持を得たかというと、「自由」という美しい理念のためだったと思います。EUの場合はこれに「一つのヨーロッパ」という理念が加わっていました。過去に戦争を繰り返してきたヨーロッパ諸国にとって「一つのヨーロッパ」は対立を克服した「平和」の象徴でした。
こうした理念はあからさまな「嘘」ではありませんが、それが生み出す弊害・不幸を覆い隠してしまい、結局「欺瞞」に堕します。怨嗟の声はしばしば極端な主張や行動となって社会を不安に陥れます。
ギリシャの話から飛躍してしまいますが、かのイスラム国はグローバリズムのおぞましい陰画ではないかと思っています。彼らは中東だけでなくアジア、北アフリカにまたがる、かつてのオスマン帝国のような大イスラム帝国を作ると豪語しています。これはまさにイスラム・グローバリズムであり、欧米グローバリズムのグロテスクなネガとなっているのではないでしょうか。
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