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>ラクシュンさん:
>>慰安婦問題に多少とも関心のある人にとっては、吉田証言がデマであることをはじめ、日本軍による強制連行とされるものが何ら裏付けのないものであることはとっくの昔に常識となっているといっていいと思いますが、
>こういうのは私的なイメージでの内向きの思考(自己満足orガラパゴス的思考)というか、それは国際的には何の意味もないと思う。
国際的には相当高度な戦略が必要だと思います。
というのも、戦後国際政治は、正義の連合国が悪の枢軸国を倒して国際秩序を作り上げたという物語から始まっていて、旧日本軍の悪行は前提とされてしまっているからです。そういう前提があるから、アジアの女たちを有無を言わせず連行しセックススレイブにしていた、と誰かが言えば、その信憑性を吟味することなく、「旧日本軍ならそれくらいやっているだろう」と判断する。「そんなことはしていない」と歴史資料に基づいて反論しても、「犯罪者が自らの罪を認めず、醜い言い逃れをしている」と判断する。そういう構図が出来上がってしまっています。
だから、正しいことをきちんと主張すれば韓国には通じなくても国際社会には通じるはず、と考えるのは幻想で、反対に、言えば言うほど国際社会のイメージを悪くし、主張内容が通じにくくなる、下手すれば国益を損ねる、というのが現実でしょう。
もし仮に――ありえないけど――朝日新聞が反省して、アメリカの新聞等に「わが社の慰安婦強制連行報道の誤り」という新聞広告を載せたとしても、「リベラルな日本の新聞が安倍政権の圧力に屈して右傾化した」と見られるのがオチです。
このように、戦争犯罪関係の諸問題では、日本は巨大な国際的偏見の中に置かれているという現実認識の上に立って、主張を認めさせるにはどうすればいいかを考えなければならないと思います。
政治家や官僚たちも考えてきているとは思いますが、今のところ「河野談話」を受け継ぎつつ「強制連行を裏付ける資料は見つかっていない」という閣議決定(でしたっけ?)でお茶を濁す程度のことしかできていない、というところでしょうね。
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