■記事引用返信■ ・投稿者/ 尚史 -(2009/09/19(Sat) 16:59:54) 「4番 サード 水上君 背番号5」 無機質なアナウンスが本日4回目の自分の名前を読み上げた。スタンドが揺れ、グラウンドが更なる熱気に包まれる。 地方大会決勝戦。9回2アウト、ランナー2、3塁。1点ビハインド。ヒットなら甲子園、アウトなら終了。 こういう状況に慣れていると思っていたが、自分でも気付かないうちに体が固くなっていた。 しかし相手投手も同様らしく、顔が強張っている。こうなれば如何に冷静を保つかだ。 「柊ちゃん!大丈夫だよ!打てる!」 相手投手の向こう側、2塁ベース付近に見える普通の高校球児とは明らかに見劣りする俺の幼馴染。 その幼馴染に対して、帽子の鍔に軽く触れ返事を返す。 「プレイ!」 審判の腕が上がり、その声が青々と広がる夏の空に木霊した。 [61] Re[1]: 2人の背比べ ■記事引用返信■ ・投稿者/ 尚史 -(2009/09/19(Sat) 17:06:10) 何気にこそこそと小説を書いている自分(笑) 拙い文章ながら、暇なときに更新していきます。 レイグラはあまりにも間が空きすぎ、文章能力低下、時間が足りないので書けなくなってしまったりorz 連載募集に挑む方々は頑張って下さい。 [62] Re[2]: 2人の背比べ ■記事引用返信■ ・投稿者/ 尚史 -(2009/09/19(Sat) 18:05:46) 今俺はもの凄く困っていた。 財布を家に忘れたとか、長年愛用してきたスーファミがとうとう壊れてしまったとか、そんな可愛いものじゃない。 人生で今1番やばいと思われる。 上を見上げてみる。どでかいビルや店が並んでいて、空が途中途中点在している。どっちが空だ。 視線を正面に戻してみる。人が皆金髪やら碧眼。サングラスなんて当たり前。 背も天井に頭を毎日ぶつけてそうなぐらい高い。 日本ではまず見ることが出来ないし、スケールが違い過ぎる。 あと何を喋ってるか、高校3年で英語力が止まっている俺には全く理解出来ん。 ココハイジゲンデスカ? これが正直な感想。 何かよく判らんうちに要請を受けて、海外まで来ている。 この場所に行けとは言われたが、合ってるのかすら怪しい。 「いたでやんすヨ!君が水上君でやんすカ!」 いきなり眼鏡をかけた金髪野郎に声をかけられた。 どうやら俺と共通の言語を使えるらしい。 「あんたは?」 「ヤーベン=ディヤンスでやんス!ボスが待っているでぃやんス!さっさと行くでやんすヨ!」 「ボスって…うおい!」 肩を掴まれ、そのままズルズルと引きずられていく。 どこへ行くかは大体想像がつく。 …が、とりあえずもう少しマシな連行をして下さい。 [63] Re[3]: 2人の背比べ ■記事引用返信■ ・投稿者/ 尚史 -(2009/09/20(Sun) 00:30:28) ここに来た当初はどうなるかと思ったが、住めば都と言うべきか、1週間も経たないうちに慣れてしまった。 言語に関してはまだヤーベン頼りだが。 「ナイスバッティング!調子良さそうじゃないカ!」 「さ、サンキュー」 ゲージの後ろで拍手を送ってくれる男が1人。 それがうちのボスのトニー・ブラウン。 陽気だが、選手たちに凄い慕われてるのは、日の浅い俺にも判る。 「ダブルスターも近いんじゃないか!?HAHAHAHA!」 メジャーは3つに分かれていて、シングル、ダブル、レギュラーとなっている。 俺がいるのは最も下のシングルスター。要は3軍。 皆ここから這い上がり、栄光のレギュラーリーグを目指す。 途中で涙を飲んだ者は数知れず。 ……留学生の俺は、この国での首はないから安心だ。 「試合に備えて一旦休憩を取りなさイ。初試合だからネ」 そう言って、ボスはバットを持ってどこかへ行ってしまった。 まだ体を動かしていたいが、ボスの言うことを無視するわけにもいかないので、ロッカールームに戻ることにした。 「ダブルスターも近いんじゃないのか!?HAHAHA!」 誰にでも言ってるだろ、あのおっさん。 ロッカールームには先客がいた。 肩にタオルをかけ、テレビを見ている金髪眼鏡。ヤーベンだ。 「お疲れでやんス」 奴の紅潮した頬と整わない呼吸を見ると、ついさっき休憩しに来たって感じだ。 同じ様なことでもボスに言われたか。 その隣に腰掛け、息を大きく吐く。心地よい疲れが体を包んでいく。 「キターでやんス!!」 ヤーベンが唐突に立ち上がり、肩にかかっていたタオルがゆっくりと床に落下した。 何事かと思い、テレビに視線を向けた。 そこには懐かしい人が映っていた。 「珠美……」 実際は懐かしいというほどではない。 空港まで見送りに来てくれたし、まだ1週間も経っていない。 だけど懐かしい。 「水上君もパワフルズでしたネ。あの娘は凄いでやんス!」 「ああ……」 あいつは凄い。たった2年でもうエースの座につこうとしている。 3年かかってもまだファームで燻っている俺とは違って。 「オイーラも負けてられないでやんス!!」 そう叫ぶと、ヤーベンは暴走機関車の如くロッカールームから走り去ってしまった。 単純な奴だ。その辺りが矢部と似ている。 あとどうでもいいけど、しっかり休憩しなかったからと言って、試合中疲れても知らんぞ。 「珠美……」 戻りたくても戻れない過去。あの時もう少し力があればと思った昔。 それがいつまでも俺を蝕んでいた。 [66] Re[4]: 2人の背比べ ■記事引用返信■ ・投稿者/ 尚史 -(2009/09/21(Mon) 21:32:23) 「ボス……今何と?」 「レギュラーリーグで頑張ってきなさい!HAHAHA!」 10月。俺はメジャーリーガーになった。 1ヶ月ぐらいこのお世話になった寮ともお別れ。 身支度をして、明日にはレッドエンジェルスの本拠地に向かわなくてはいけない。 だけどまだ実感が湧かない。 支度をしていたはずが、いつの間にかベッドに横になって天井をぼーと見上げていた。 鞄はまだカラで、その辺りに服が散乱している。 日本では2年半2軍、こっちでは1ヶ月ほどでメジャー。 何回も頬を抓ってみる。 神経を通じて痛みが走る。 これが現実なのはよく判る。 ひょっとしたら何かの陰謀なのか。 ……誰の陰謀だ。誰が得をする。 まあ考えても答えは出ないだろう。 これが現実ならもっと喜んで受け入れるべきだ。 ……アイツに少しは近づけたのだろうか。 体を起こして、再び身支度を始める。 陽は少しだけ西へ傾いていた。 |
■記事引用返信■ ・投稿者/ ムヂナ -(2009/01/28(Wed) 23:20:06) ・URL/ http://6603.teacup.com/shine/chat 始めまして。ムヂナです。 小説を書くのは何度目かになるんですが、 面白くなくて・・・・・・面白くするよう努力します! 登場人物 神谷 昇 みたに しょう ♂ 17歳 主人公。神を守る。能力は風と雷。 木々 禾蓮 きぎ かれん ♀ 17歳 昇と同級生。天使を守る。能力は水。 雪踏 圭 せった けい ♂ 17歳 昇と同級生。空を守る。能力は霧。 トルハーバ ♀ 年齢不詳 異世界人物。三人に力を与える重要人物。 セルラー ♂ 18歳 異世界人物。大地を守る。能力は雪。 カーナー ♂ 9歳 動物(ドラゴンも含む)と話せる不思議な少年。 |
■記事引用返信■ ・投稿者/ 由夜 -(2009/01/06(Tue) 21:48:00) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●大木 アゲハ(女) この話の主人公。中1で顔は系。自分の言いたい事ははっきり言うタイプ。顔は沢尻エリカ系。彼氏はいない。誕生日は4月2日。 小山田 蜘蛛 (男) 中1で顔は生田とうま系。鈍感。子供っぽいけど、さりげない優しさがある。彼女はいない。誕生日は6月6日。 海森 美雪(女) アゲハの親友。中1で顔は蛯原もえ系。お嬢様でナルシー。おしゃれに気を使っている。彼氏は祐樹。アゲハと蜘蛛の恋をサポートする。誕生日は1月17日。 江里口 祐樹(男) 蜘蛛の親友。美雪と付き合っている。アゲハと蜘蛛の恋をサポートする。優しいお兄ちゃんタイプ。顔は英太系。誕生日は9月13日。 芦沢 瞬(男) アゲハの幼馴染。大人しく物静か。顔は幾多十真系。口数も少ないので友達もあまりいない。 大木 花愛(女) アゲハの母。タフでマイペース。顔は真野美喜系。一度決定した事は絶対に突き通す強引な性格。仕事は漫画家。結構な売れっ子だ。誕生日は8月12日。 小山田 秦(男) 蜘蛛の父親。アイティー企業社長。顔は福山政治系。海外に出張に行っていて、いないことが多い。やさしくてのほほんとしているが、頭はいい。誕生日は10月30日。 1、 「最っ低!」 「なんでお前にそんなこと言われなきゃなんねーんだよ!」 「頭から汚い水かぶせてきた奴のどこが最低じゃないってのよ!」 「大丈夫だ。お前は元々ブスだから水被ってようが被ってなかろうがそう変わらないぞ。」 そういって、グッと親指を立てている男。 こいつの名前は蜘蛛。 この名前は、親が蜘蛛ってどんな漢字だっけ、とメモに書いたとき、こんな名前もありかな、といった適当な感じで付けられたそうだ。 で、 「ブスって・・・、お前に言われたきゃねーよ!この彼女いない歴13年!」 と青筋を立てて叫んでいるのがアゲハ。 この名前は、漫画家の親がアゲハのトーンを張っているときに産気付いたからという、これまた適当な由来なのであった。 「はっ。そっちもそうだろうが、このぺチャパイ!」 「いったね、このくされチ○コ!」 「はぁ・・・。いい加減やめろってのよ。よくもまぁここまで毎日喧嘩できるものね。」 「ははっ。まぁ、これもこれで面白くていいけどな。ていうか、二人ともいつもお互いの事ブスって言い合ってるけど、アゲハは去年ミスだし、蜘蛛もアゲハとカップルでもないのに毎年ベストカップル賞貰ってるイケメンなはずなんだけど・・・。俺にとっては嫌味でしかねぇ・・・。」 「大丈夫!祐樹もかっこいいよ♪ただ、庶民にはこのかっこよさはわからないってだけ。」 と大人な意見を並べているのはアゲハの親友の美雪と、蜘蛛の親友の祐樹。 この二人は付き合っていて、学年でも有名だ。 実際、この二人が付き合っていなければ、こいつらは話そうともしないだろう。 「大体あんたはなんなの?!なんで一々うちの邪魔しないと気がすまないの?!毎日のように嫌がらせしやがって!いい加減こっちもつかれてきてんじゃい!」 「毎日毎日お前と顔合わせてる俺の身にもなれ!その醜い面と顔合わせんの我慢してるだけ俺ちょーいい奴だし。それに、毎日お前に迷惑かけてる覚えなどないわ!!」 「えぇ、そんだけちっさい脳ミソだったら覚えてるはずのもんも忘れるでしょうね!今日は頭から汚い水かけてくるし、昨日は頭からチョークまみれになったし、一昨日はあんたのおかげでなぜか体育の片付けさせられた!もっといってほしい?!」 「それは全部事故!水に関しては俺が足かけられてバケツはなした瞬間にお前が教室に入ってきてかかっただけ!チョークも先生にしかけてたんだよ!だって、あと授業始まるまで30秒のときに入ってくる奴なんていると思わなかったし!片付けの件も俺のせいだっていったけど先生が女子の前でいい顔しようったってそうはいかねぇぞっていったからで、俺はちゃんと自分が先生の頭にバスケットボールの山を当てたっていった!悪気があったわけじゃない!でも、悪かったと思ってる!!」 「そう思ってる相手にぺチャパイなんていう奴がいるかっての!!」 「謝ったんだからいいだろ!ちゃら、ちゃら。」 「謝ってすむなら警察はいらないわい!!」 「けど、謝んないよかましだろ!」 「だからって謝ればいいって事にはならない!」 「でも誤ってすむ規模のことだろ?」 「あたしにとってはもう死刑ものよ!」 「けどちゃんと謝った!」 「殺人犯がごめんなさいって言ったからって無罪放免にはならない!」 「だから、俺は人殺しじゃないっつの!」 「でも、あんたが・・・・。」 「「はい、ストーップ!」」 「祐樹!」 「美雪!ねぇちょっと聞いてよ!こいつ・・・」 「あんだけ大きい声で喧嘩してたら嫌でもきこえてるわ。」 「絶対に蜘蛛が悪い!!」 「まだゆうか、ぺチャパイ女!いいや、今日からお前は略されてペパ女だ!!」 「ペパ女って・・・、ペパーミント女か!(ペーパー女でも可!)」 「違うわ!ぺチャのぺ、パイのパを取って、ペパ女!分かる?」 「あぁ、ってネーミングセンスねぇ・・・。」 「しょうがないよ、こいつ昔飼ってたウサギの名前、キリンだぞ?うさぎかキリンかはっきりしろっての。」 「うわ、馬鹿丸出し・・・・。せめてモルモットとか近い奴にしろよ・・・。」 「だ・・・だって!!モルモットっていいにくいじゃん!それに略したらモモだぞ?食いもんになっちゃうだろうが!」 「じゃあ、なんでキリンなのよ!キリンがいいならアサヒもエビスもいいじゃん!個人的に一番すきなのはアサヒのスーパードライかなぁ。あ、でもプレミアムモルツもいいんだよなぁ。」 「そっちのキリンじゃねーよ!てか酒飲んだことあんのかよ!お前ほんと意味わかんねぇよ!」 「うちはお前がなにキャラでいきたいのかがわかんないわ!」 「わかれよ!ばりばりムードメーカじゃん!」 「ん?なんつった?フードメーカ?食品会社か!」 「ちがう!ム−・ド・メ−・カ−!おわかり?」 「ジャックスパローか!」 「ちがう!突っ込み所ちがう!」 さっきもいったように、美雪たちの関係は学年でも有名だが、それに勝ってこのカップルの喧嘩に関しては、どの生徒も呆れてものも言えない状態になるほどお馴染みの光景だ。でも、一応お互いの事は好きだそうだ。(とてもそうは見えないが。) だけれど、付き合う前より喧嘩の数は増えている気がしているのは、祐樹や美雪だけでなくみんなそうだったようだ。 実際、二人とも付き合っているってことが恥ずかしくて、照れ隠しでいたずらをしたり、大げさに怒ったりしてしまうのだ。 |
■記事引用返信■ ・投稿者/ / -(2008/12/07(Sun) 17:09:35) この記事は投稿者により削除されました |
■記事引用返信■ ・投稿者/ アース -(2008/12/06(Sat) 11:16:29) 桜の舞う四月、パワフル高校に一人の少年が入学した。 名前は「小波大介」 この物語は、この少年の人生を描いたものである。 プロローグ 「あれ?矢部君も一組だったの?」 「そうでやんすよ」 この「やんす」という独特の喋り方をするのは「矢部明雄」 俺が小学校四年生の時に引っ越してきてからの親友だ。 どうやら二人とも一年一組になった様だ。 「小波君は野球部に入るんでやんすよね?」 「ああそうだよ。矢部君も入るんだろ?」 俺たち二人はリトルリーグチーム「かっとびレッズ」時代からずっと野球をしている。 甲子園に出場し、プロ入りするのが俺たちの夢でもある。 そう、ここパワフル高校こそが俺たちの夢への第一歩なのだ。 [37] (削除) ■記事引用返信■ ・投稿者/ / -(2008/12/06(Sat) 15:48:51) この記事は投稿者により削除されました [38] Re[2]: NINE ■記事引用返信■ ・投稿者/ アース -(2008/12/06(Sat) 15:53:26) 「小波大介です!よろしくお願いします!」 パチパチパチ・・・ 「よ〜し、これで新入部員の自己紹介は終わりだな」 今年のパワフル高校の新入部員は九人。 俺と矢部を含め三人が同じ中学出身だ。 「じゃあランニングを始めるぞ〜」 「はい!キャプテン!」 キャプテンは「谷田球一」 プロのスカウトも認める名二塁手だ。 副キャプテンは「石原泰三」 体は大きいけど守備型の捕手だ。 そして・・・ 「じゃあ今日はこの辺で終わらせるか。一年生は後片付けだ。解散!」 一年生は球拾いに後片付けか・・・。 早く本格的な練習がしたいが、初日だからしょうがないか。 さっさと終わらせて帰る事にしよう。 「はあ〜疲れたでやんす〜。小波君、何か食べて帰るでやんす〜」 「え?いや・・・俺はやめとくよ。疲れたしさ」 「ええ〜!?面白くないなぁ・・・」 最後に喋ったのは「日向純」 俺たちと同じパワフル中学出身だ。 背も低く顔も幼いのでよく女の子に間違えられる。 しかし、そんなルックスに反してポジションは一塁手。 典型的なパワーキャラである。 「まあしょうがないでやんすね。じゃあ今日は帰るでやんす」 「あ〜あ・・・お腹へったな〜」 「うるさいよ純!明日行こう、明日!」 こうして俺の高校生活第一日目が終了した。 第一話「始動」 「おーい!猪狩ー!帰らないのかー!」 「ああ・・・悪いね。先に帰ってくれ」 「分かったー!じゃあな猪狩ー!」 (僕はまだ帰る訳にはいかないんだ。 あいつに、あいつに負ける訳にはいかないんだ。 絶対に負けないからな、小波!) 彼の名前は「猪狩守」 俺の永遠のライバル。 キザでクールでカッコイイ。 こんなキャッチフレーズがこの世で一番似合う男。 「はあはあ・・・そ、そろそろ帰るか」 ビシュッ!ズバーン!ビシュッ!ズバーン! 「阿畑キャプテン。もうそろそろ終わりませんか?」 「・・・そうやな。終わりにするか」 彼は「阿畑やすし」 そよ風学院高校のキャプテン。 二年生なのだが三年生がいないためキャプテンとなっている。 魔球開発に命を捧げた(?)男。 「あれ?あおいちゃん?」 「あっ!小波君!?」 俺の前にいる少女は「早川あおい」 恋々高校野球部・・・ 「いや、野球部じゃないよ」 「えっ!なんで?」 彼女の話によると恋々高校は今年度より男女共学となった様だ。 しかし元女子高プラス私立校のためか男子生徒がたったの七人だそうだ。 彼女を合わせても合計八人。 部活としては成り立たない。 ひとまずは野球愛好会としてやっていくそうだ。 「お〜い。二人とも話長いよ〜」 「あっ!矢部君に純君!いたんだ」 「いたんだって・・・ヒドいな〜、あおいちゃん」 「ごめんごめん。気がつかなかった」 「さあ!あおいちゃんも一緒に帰るでやんす!」 「いや・・・ボクみんなと帰る方向、逆なんだけど・・・」 「がーん!でやんす」 そうか・・・みんな頑張ってるんだな。 そして甲子園に行くにはこのみんなに勝たなくちゃいけないんだな。 いけるかな・・・甲子園。 [39] Re[3]: NINE ■記事引用返信■ ・投稿者/ アース -(2008/12/07(Sun) 11:55:31) 昨日は色々あったせいか、妙に疲れた。 しかし今日は火曜日。 残り四日は学校に通わなければいけない。 そんな事を考えながら朝ご飯を食べているとメールがきた。 矢部君からか・・・。 (ビッグニュースでやんす! 今日はなんと一年生は部活が休みだそうでやんす! オイラもし今日も部活だったら倒れてたでやんす!) 今日は部活が・・・休み? しかも一年生だけが? あの鬼監督がそんな事するんだろうか。 しかし矢部君は文章でも「やんす」を使うのか? いや、そんな事はどうでもいい。 思いがけない休暇ができた。 では今日は家でのんびりと・・・。 「大介!何やってんだい!早く学校に行きな!」 「え?あっ!時間が!」 勘違いしてしまった。 部活が休みイコール学校が休みに繋がってしまったぞ。 早く行かなければ! 「行ってきまーす!」 第二話「休暇 前編」 「遅刻だ。小波」 しまった。もう少し速く走るべきだった。 「遅かったでやんすね。小波君」 「ああ、まあね。ところで一時限目の授業は何だい?」 「体育でやんす」 おい、マジかよ。 俺は朝っぱらから爆走してきたんだぜ。 そこへまさかの体育とは思わなかった。 しかし体育は俺の得意分野だ。 良いところを見せなければならない。 そして・・・ 「いやー小波君は大活躍だったでやんすねぇ」 いや、だからってみんな俺ばっかりにパスするなよ。 俺を殺す気なのか? そうだろ?そうに違いない。 「ねえ小波君」 真後ろで声がした。 聞いた事のある声、いや知っている声だ。 この声は・・・ 「どうしたの?舞」 そこにいたのは「栗原舞」 俺の幼馴染。 とは言っても小四の時からだが。 「実は私、野球部のマネージャーになろうと思うの」 マネージャーか。 舞は中学の時もマネージャーをやっていた。 特に驚く事もない。 「やったでやんす!舞ちゃんがマネージャーでやんすー!」 驚きましたよ、このメガネが。 「いいんじゃない?別に」 ここは冷静に、あくまでも冷静に。 「なんか小波君、暗いわねぇ。昔はもっと明るかったのに」 「小波君は高校に入ってから変でやんす。かっこつけてるのでやんす」 そんな事言われてもなあ、しょうがないよな。 でも、かっこつけてるかもしれないな。 「かっこつけてる奴って逆にかっこ悪いでやんすよね」 た、確かに。 不良とかかっこつけてるけど全然かっこよくないもんな。 俺もかっこつけるのはやめよう。 あくまで自然体でいこう。 「そうそう。かっこつけないで自然体の方がいいよ」 何だ?何で俺の考えてる事が分かるんだ? 「だって小波君、考えがすぐに顔に出るんだもん」 ・・・。 [40] Re[4]: NINE ■記事引用返信■ ・投稿者/ アース -(2008/12/07(Sun) 14:06:34) 「疲れたでやんすー!」 火曜日の全日程が終了。 ホントに疲れた。 「っしゃ!帰ろう!」 「まだでやんす!」 まだ? 何がまだなんだ? もう全部終わっただろう? 俺を家に帰してくれよ。 「一体何がまだなんだ?」 「昨日の約束を忘れたんでやんすか?」 どうやら矢部君は昨日の約束を覚えていた様だ。 あれだ、何か食いに行くという約束だ。 「でも俺、腹空いてないよ」 「じゃあ空かすでやんす!」 どうしても食べたいそうだ。 なので運動してから食べに行く事にした。 疲れてるんだけどな。 「いくよー」 「っしゃ!来いやぁ!」 純はキャッチャーマスクを被ると性格が変わる。 ファーストなんだけどね。 ちなみに俺のポジションはピッチャーだ。 ビシュッ!ズバーン! 「ナイスボール!」 第三話「休暇 後編」 「いいよー、球走ってるよー」 「本当でやんす。中学時代に全国にいけなかったのが不思議でやんす」 全国大会か・・・。 あいつさえいなかったら俺は全国出場を果たしてただろうな。 猪狩守さえいなければな。 「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!」 1対0 完封負け。 俺の完敗だ。 「しょうがないでやんすよ。相手は悪かったでやんす」 「でもなぁ。一回戦負けだなんて・・・。ねえ小波」 「・・・」 「おーい小波!早く投げろ!」 「え?あ、ああ」 ビシュッ!ズバーン! まあ昔の事だ。 リトルリーグ時代は俺の勝ち。 中学時代はお前の勝ちだった。 1勝1敗。 次は絶対に負けないからな!猪狩! ビシュッ!ズバーン! 「そろそろ終わるでやんすか?」 横で素振りをしていた矢部が言った。 「そうだな。終わるか」 「お好み焼きでやんすー!」 お好み焼きか。 個人的には焼肉の方が良かったんだがまあ良いか。 「よーし。じゃあ食いにいこうぜ!」 [41] Re[5]: NINE ■記事引用返信■ ・投稿者/ アース -(2008/12/07(Sun) 15:52:31) 俺たちがパワフル高校野球部に入学してから一ヶ月がたった。 俺も含めた一年生は練習にようやく慣れてきて、 本格的な練習が始まろうとしていた頃だった。 「偵察・・・ですか?」 「そうだ。あかつき大学付属高校のな」 その偵察はパワフル高校のライバル高、あかつき大学付属高校の偵察だった。 一年生九人全員で行く様なので偵察というより見学だが。 それにあかつき高校といえば俺のライバル、猪狩守の高校だ。 久しぶりにあいつに会えるな。 「では明日、偵察に行ってもらうぞ。解散!」 第四話「あかつき大学付属高校」 パワフル高校からあかつき高校まではそれ程遠くはない。 しかし、九人で行くとなると時間はかかるもんだ。 「おっ!あれがあかつき高校でやんすか!?」 あかつき大学付属高校。 すごい高校だな。 まさかこんなに大きい高校だとは思わなかった。 「あっ!あそこにグラウンドがあるよ!」 純が言った。 確かにグラウンドはそこにあった。 しかし、野球部がいない。何故だ? 「違うところにも行ってみるでやんす」 矢部の言うとおり違うところに行ってみたところ野球部を見つけた。 どうやら野球部専用のグラウンドがある様だ。 それもそのはずである。 あかつき高校は高校野球の名門中の名門なのだから。 噂ではあかつき高校は一軍と二軍に分かれており、それぞれ専用のグラウンドがあるそうだ。 「あそこに・・・一軍専用グラウンドって書いてあるな」 「おお!早速偵察するでやんす!」 偵察は矢部君や純に任せて俺は猪狩を探して・・・ 早速見つかった。 ピッチング練習の真っ最中だった様だ。 中学の時と比べると背が大きくなった様に見える。 それと比例してボールのノビ、キレが格段に上がっている。 さすがだな、猪狩。 「小波君。偵察は終わりでやんす。帰るでやんす」 どうやら俺はずっと猪狩のピッチングを見ていた様だ。 他のチームメイトが呆れ顔で俺を見ている。 「ごめんごめん。じゃあ帰ろう」 今から猪狩と試合をするのが楽しみになってきた。 この三年間、もしかしたら一度も猪狩と試合ができないかもしれない。 でも俺には絶対に試合ができると信じていた。 なんたって俺たちはライバルだからな、猪狩。 |
■記事引用返信■ ・投稿者/ 丸 -maru- -(2008/10/17(Fri) 17:28:16) プロローグ 「散らばる星達、生まれる流星」 「ストライク!」 その瞬間、甲子園球場が沸いた。 「バッターアウト!ゲームセット!」 高校二年生の藤垣大吾は、勝利の味に酔いしれる様子も無く静かにマウンドを降りた。 彼にとってこの甲子園での1試合15奪三振など当たり前で、いちいち騒ぐ程のことではない。 四回と七回にひとつずつ四球を許したこともあり、周囲の歓喜や賛辞−今の彼には雑音だ−に余計イライラした。 その四球以外、一人も走者を出さなかったというのに。 結局このセンバツ大会で、藤垣を擁す西東京・衆総院学園は、決勝を完全試合で締めくくる快挙で夏春二連覇を達成した。 もちろん優勝投手は藤垣。ちなみに夏大会も彼はノーヒットノーランで優勝投手に輝いた。 決してレベルが低い世代ではない。 この二年生の代は素晴らしい選手が数多くおり、あの「松坂世代」をも上回る注目度を集めている。 ただ、その中でも藤垣が突出しており、言わば「藤垣世代」といったところだろうか。 「今年の夏も優勝する」 藤垣の試合後のインタビュー。もはや他の輝かしい才能に見向きもしないマスコミ。 それに比べて各球団のスカウトは意外にも冷静で、一番手を藤垣としながらもしっかり各高校の有望選手をチェックしている。 各地に散らばる星達。一番星は藤垣。 では、それに次ぐのは? 「藤垣世代」が三年生になる。 一年生は二年生になり、チャンスを掴む(藤垣も台頭したのは二年生の夏からだ)。 そして、 新しい世代が、高校野球を躍動する。 [25] Re[1]: ジュネレーションズ ■記事引用返信■ ・投稿者/ 丸 -maru- -(2008/10/17(Fri) 20:15:22) とりあえず書いてみました… なかなか長編の入り方って難しいもんだと実感。 ちなみに藤垣は主人公ではないです← 一応主人公などのキャラは確定してきてるので、 ちょくちょく続き書いていきます。 [28] Re[2]: ジュネレーションズ ■記事引用返信■ ・投稿者/ 丸 -maru- -(2008/10/24(Fri) 17:07:04) 第一話 「今年こそ」 舞う砂煙。駆け出したその先は二塁ベース。 「アウト!ゲームセット!」 アウトを告げられた少年は、そのまま動かない。 (嘘だろ…俺の足なら、いけたはずだ) 確信が絶望に変わる瞬間を、彼は知った。 (そうだ…この足は、この体は、俺じゃないんだ。 じゃないと説明がつかない。盗塁失敗なんて。 誰か教えてくれ、この足は…この体は…誰のなんだ……) 「−−−−凛。神沢凛!」 ハッ、と気がつく。俺の名前だ。 「は、はい!」 「全く…入部初日くらい、気を引き締めろ。…これで新入部員は全員か。では、話を始める」 ここは、誠凪実業高校。 成績は普通で校則もない、平和な学校だ。 その誠凪が甲子園県予選ベスト4に名を連ねたのは、昨夏。 最後はコールド負けを喫するが、その成績に惹かれ入部した者たちも少なくない。 この長い金髪を束ねた小柄な少年、神沢 凛(かみさわ りん)もそのうちの一人だ。 「早速怒られてやんの」 神沢にそう言ってきたのは、氏川 浩之(うじかわ ひろゆき)。黒い短髪に長身、いかにもスポーツマン体型だ。 神沢と彼は小・中と学校を共にし、同じチームの三遊間を守り続けた。中学校では共に県の優秀選手賞を受賞している。 「うっせーな、お前もキャプテンの話聞けよ」 神沢が氏川の顔を見上げ言い返す。氏川は見下すような形で反応する。 「はいはい、オチビちゃーん」 「てめっ、この…」 「氏川!神沢!黙ってろ!」 キャプテンと呼ばれるその男が注意する。 「「す…すんません」」 「ったく…まあ良い。続ける。 俺は誠凪野球部の主将を務める西澤 晴彦(にしざわ はるひこ)。 何かあったら俺に言うように」 「はい!」 神沢と氏川も含めた一年生達−今年は12人が入った−が元気の良い返事をする。 「じゃあ早速適当な相手を見つけてキャッチボールをしてろ。他の2、3年生の紹介はその後やる」 「はい!」 二回目の大きな返事をし、初々しい一年生達はグラウンドに散らばっていった。 西澤は短い顔合わせの中で、12人の中で数人の注目人物を見つけていた。 「中々面白い一年生達が入ってきたな…」 その顔は不敵な笑みを浮かべる。 「昇竜中の三遊間、神沢と氏川。 北七瀬中のエース、真田。 森紫波中の四番、蔵葉。 他にも優秀な成績をあげてる奴らばかりだ…」 空を見上げる西澤。その瞳には希望が満ちていた。 「今年こそ行けるかもな、甲子園」 |
■記事引用返信■ ・投稿者/ / -(2008/07/09(Wed) 20:04:36) この記事は投稿者により削除されました [18] 第一話 ■記事引用返信■ ・投稿者/ 羽賀 -(2008/07/09(Wed) 20:05:42) ・URL/ http://noradara.blog.shinobi.jp/ 「むぅ……」 入学初日から思っていた事だったが、やはりこの学校――恋恋高校――は広い。 地図を見てもよくわからないし。 『恋恋のしおり』と表紙に書かれた生徒手帳片手に春日井陽(かすがいはる)はため息を吐いた。 彼の目的地、それは校長室である。 そして校長室で何をするか。直訴だ。 春日井の『無名の高校から甲子園出場、そして優勝』という大それた夢を叶えるための第一歩。 つまりは野球部設立。 やる気満々の春日井は生徒手帳を読み込み、部活設立用の申請用紙を入手し、意気揚々と校長室を目指していた。 が、しかし広い。私立の高校であるし去年までは元女子校だったから仕方が無い……のだろうか。 生徒数と敷地の広さがかみ合ってないよな〜、とどうでも良い事を考えながら春日井は廊下を行き当たりばったりに歩いていた。 「……わかんないなぁ〜」 どこを曲がっても同じような景色しか見えない。唯一違うのは廊下に飾られている調度品か。 流石は名門女子校だっただけはある。春日井は妙な所で感心していた。 地図を見ながらもう一回。今度はこの角を―― 「うわっ」 「きゃあ」 ――曲がるところで人にぶつかった。声の高さからしてここの女生徒だろう。 転んだ拍子にお互い尻餅をつく。 目の前でいたた、と呟いているのは健康的に焼けた肌とおさげに結んでいる緑色の髪の毛が印象的な少女だった。 少女は目をツリ上げて春日井を見つめ、 「どこ見て歩いてんのよ!」 「ゴメン、ちょっと考え事しててさ」 不機嫌な声で少女が言った。春日井は苦笑いを浮かべて言葉を返すことしか出来ない。 ここの女生徒はみんな物静かなのかと思ったらそうでもないらしい。 「……はぁ。今度はちゃんと前見て歩いてよね」 素直な謝罪に毒気を抜かれたのか、少女が先ほどよりも柔らかい声で言った。 「うん。ゴメン。……あ、校長室の場所知ってる? 用があるんだけど」 「校長室? 確かここの角を曲がればすぐだよ」 そう言って少女は自分が歩いてきた道を指差した。 「ありがとう!」と言って春日井は駆け出す。目的地はもうすぐ。絶対に野球部を作って甲子園に――! 「……何なの?」 後に残されたのはおさげの少女。 ……と、春日井が持っているはずの部活設立申請用紙。 少女は手を伸ばして紙を拾い、内容を見た。 紙には少し汚い字で春日井陽と書いてある。 設立申請する部活動名は、 「あれ、これは……野球部?」 これが、春日井陽と早川あおいの最初の出会いであった。 「……ツイてない」 「で、申請用紙を失くして立ち往生……でやんすか」 「その通り……ガックシ」 翌日。春日井は教室でこの学校で初めて出来た友人、矢部昭雄に愚痴を聞いてもらっていた。ぼさぼさの黒髪、そしてグリグリのメガネが印象的な男である。 折角意気込んで校長室に向かったのに申請用紙を失くしてうああああああああ! というのが話の内容である。 矢部は内心うんざりしていた。 「また行けば良いじゃないでやんすか」 「まあそうなんだけどさ……」 「ねぇ、ちょっと」 会話している二人に、声がかかる。 どこかで聞いた声だな、と思い春日井は声のした方向へ首を向けた。 「あれ、君は昨日の――」 「何か用でやんすかキミ! まさかオイラに愛のコ・ク・ハ・クでやん――」 矢部の言葉はゲシッ、と言う嫌な音と共に止まった。 春日井が気づいた頃には拳を振りかぶったままの少女と、地面で伸びている矢部が見えた。 「や、矢部君ッ!? 死ぬんじゃないっ!」 「死して尚、我が生涯に一片の悔い無し……でやんす」 「軽口叩いてるくらいなら大丈夫でしょ。それより……キミは春日井君だよね? はい、これ」 少女が春日井に何かを渡す。 無くしたはずの部活設立申請用紙だった。 「あれ。部活設立申請用紙? どうしてキミが?」 「昨日ぶつかった時に落としてったよ。それで、もしかして困ってるんじゃないかなって思って届けに来たんだけど」 「おお! 助かったよ、ありがとう! えーと……名前は……」 「早川。早川あおいだよ」 「なるほど! ありがとうあお子ちゃん!」 「……間違ってるよ、名前」 少女が呆れたように言ったが春日井はまるで気にしない。 彼はこういう性格だった。 「ごめんごめん。人の名前覚えるのが苦手でさ。……よし、これで野球部が作れるぞっ!」 「はい、質問」 一人意気込む春日井に、あおいが尋ねる。 「どうしたあおのちゃん」 「名前覚える気無いの、キミは? ……いやそうじゃなくて、やっぱり野球部作るの?」 「うん。昔からの夢だからね! 無名の高校から甲子園出場、そして優勝! 格好良いじゃないか!」 目を爛々と輝かせ春日井が言う。 「格好、良い……かな?」 「勿論! でも、本当はそういう理由じゃないけどね!」 「じゃあどんな理由なのよ」とあおいは聞こうとしたが、甲子園に出場している自分の姿でも想像しているのか恍惚とした表情を浮かべている春日井を見て止めた。 なんか、関わっちゃいけない人ランキング一位にランクインできそうな顔だった。 「…………そうだ! 野球部作っても部員がいなきゃ意味無いや! 矢部君、部員集め行くぞ!」 妄想世界から帰還した春日井が、これまた現実世界に戻ってきた矢部に声をかける。 「え? いや、オイラは入るなんて一言も言ってないでやんす」 「野球部に入って甲子園に行ったら女の子にモテモテだよ!」 「ハルくん、こんな所でのんびりしてる暇があったらとっとと部員集めにいくでやんす! 可愛い女子マネージャーも忘れずに、でやんすよ!」 「まかせろ! とびきりの上玉を連れてくるぜ!」 「それはオイラの仕事でやんす! ハルくんはむさ苦しい男どもの相手をするでやんす!」 喚きながら教室を後にする二人。 「まだ野球部作ってないんじゃないの? それに後五分後で始業なのに」とあおいはどこか冷めた目で二人の背中を見つめていた。 「……あおい?」 「ひゃぅっ!?」 後ろから声がかかる。あおいは思わず奇声を上げてしまった。 振り向くと長い髪とおっとりとした雰囲気が印象的な少女、七瀬はるかがいる。 彼女はあおいの中学時代からの親友だ。 「ど、どうしたのはるか?」 「あおい、もしかしたら野球やりたいんじゃないかなって思って」 「う……」 図星だった。 あおいは物心ついた時から白球を握っていた覚えがある。 小学生の頃はチームのエースとして活躍もした。 中学校でも野球部に入部した。けれど、投げさせてもらえるのはいつも練習試合の時だけ。理由は『女だから』ただそれだけ。 ……高校では何をしようかと迷っていたのだけれど。 「私は、自分のやりたいことをするべきだと思う」 「……うん!」 力強く頷いたあおいの眼。確かな意志が宿っていた。 昼休み。長かった午前の授業も終わり、教室にいる生徒は各々昼食を取っていた。 ちなみに恋恋高校は今年から共学になったため、男子の数が圧倒的に少ない。 このクラスにいるのは春日井と矢部のみだ。 そんな珍しい男子二人は教室の隅でのんびりと昼休みを満喫……してはいなかった。 二人とも雰囲気が暗い。 「……こってり絞られたでやんすね」 「まったくだ。誰だよ始業五分前なのに部員集めしようとか言ったのは!」 「どう考えてもハルくんでやんす」 「矢部君もノリノリだったじゃないか」 「まあそうでやんすけど」 二人とも始業ベルが鳴っても教室には戻って来ず、帰ってきたのが結局三時限目開始直後だったので担任の里見先生に叱られたのだ。 名門女子校だっただけはあり、調度品だけでなくこういう所もしっかりしている。 「まあ、とりあえず放課後になったら校長室に行こう」 「……そうでやんすね」 「というわけで、とっとと食べてマネージャー探しに行こう!」 「ガッテンでやんす!」 勢い良く食べ物を口に運ぶ二人。 周りの女子からは奇異の視線で見つめられるが、お構い無しだ。 「はいはいちょっと良いかな」 「ん? あおやちゃんか」 「春日井君から聞いたでやんす! 昨日ぶつかったとか! フラグでやんすか!?」 「フラグ? 旗?」 「少し違うでやんす……」 昼飯を猛スピードで食べている二人の前に現れたあおい。 手には何故かペンが握られている。 「ていうかいい加減名前くらい覚えようよ春日井君」 「うーん。まあ良いじゃない」 良くないわよと内心で突っ込みつつ、あおいは本題に入るために口を開いた。 「それでさ、今朝渡した紙、見せてくれない?」 「ん。はいよ」 春日井から渡された紙を開く。 『部員』と書かれた欄には春日井と矢部の名前がある。 あおいはその下に自分の名前を書いた。 「え? あおみちゃん……?」 「ボクも入れてくれる? 野球部に」 「ああ、大歓げ――」 「大歓迎でやんす!」 「あーっ! それはオレの台詞だよ!」 「早い者勝ちでやんす! これであおいちゃんの好感度はオイラの方が高くなったでやんす!」 「よくわからないけど、負けないぞ!」 「ふっ! ラブハンターのオイラに勝とうなんて百年早いでやんすよハルくん!」 子供のように言い争う春日井と矢部を見て、あおいは思わず噴き出した。 ――ここでなら、きっと楽しく野球が出来る。 そんな気がした。 [19] 第二話 ■記事引用返信■ ・投稿者/ 羽賀 -(2008/07/10(Thu) 17:43:36) ・URL/ http://noradara.blog.shinobi.jp/ 春日井とあおいが出会って一週間が経った。 その間に春日井たちは校長に直訴し、部員が足りないので『野球部』とは行かないまでも、『野球愛好会』を設立した。 だが、野球愛好会のままでは部費は貰えない。部費を貰うため、そして甲子園を目指すため、春日井たちは部員探しを行っていた。 昼休み。いつも二人でつるむ事が多くなった春日井と矢部は、昼食摂取のメッカである屋上にやって来ていた。 優しい春の日差しと、柔らかい風が気持ちいい。 弁当を食べ終えた春日井は横になって空の雲を見つめていた。ちなみに矢部は活動中の女子テニス部に目が釘付けである。 (……愛好会は出来た。けど、部員が集まらない……) 野球愛好会が出来てから一週間。 ポスターを作って学校中に貼り付けて回ったが、いまだ来訪者はゼロ。 見学も随時歓迎しているが、誰も来ない。仕方ないので三人で空しく基礎練習を行っているが、こんな事では甲子園なんて夢のまた夢、と言うか地方大会の決勝すら夢で終わる。 思わず春日井は溜息を吐いた。 この頃溜息の回数が多くなってる? 楽観主義の自分には合わないのに。 (どうすれば……) 「やっぱり女の子は良いでやんす〜。男を引き付ける才能でもあるんでやんすかね〜?」 耳に入ったのはテニス部を凝視する矢部の独り言。 瞬間、春日井の頭で何かが閃く。 「マネージャーだ! 何か忘れてると思ったんだ!」 「い、いきなりなんでやんすか!?」 急に立ち上がり大声をあげた春日井に矢部が驚くが、彼は気にせず一人で考えを巡らせていた。 【可愛い女子マネージャー入部→男子生徒が釣られてやって来る→部員増える→愛好会から昇格→甲子園】と言う未来予想図が春日井の頭の中で展開される。 「これだ! 矢部君、今すぐ女子マネージャーを探しに行くぞ!」 「へ? な、何だかわからないでやんすがオイラやるでやんす! そのまま『矢部ハーレム』を築くでやんす!」 二人とも思惑を胸に一致団結、二人は勇み足で屋上の出口へ向かった。 「いざ、女子マネージャー探しの旅へ!」 「れっつごー、でやんす!」 「……はい?」 二人が屋上を出ようとした所で扉が開いた。登場したのはあおい。 購買のパンを片手に怪訝そうな顔で突っ立っていた。 「あおゆちゃん。オレ達は今からマネージャ−探しに行くから!」 「やんす!」 今日も快活に名前を間違えつつ、用件を伝える春日井。 そこで彼はあおいの後ろで縮こまっている人影を見つけた。 どこか儚い雰囲気を持った美少女である。 「マネージャーは探しに行かなくても良いよ」 「どういうことでやんす?」 あおいが(無い)胸を張って言った。そして後ろで隠れている少女を前に出す。 少女はおどおどしつつ頭を下げ、 「あ、あの……はじめまして。な、七瀬はるかです……」 「これはオイラにも春到来でやんすかぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 「はいうるさい」 矢部は撃沈した。 「この子は中学時代からの親友のはるか。マネージャー、やってくれるって」 「体が弱いので迷惑かもしれませんが、よろしくお願いしますっ!」 もう一度頭を下げはるかが言った。 「はるかちゃん……だったね」 春日井がいまだ頭を下げ続けるはるかを見て言った。 彼の口元は心なしか綻んでいる。 「は、はい」 「よく来てくれたっ! キミはオレ達の恩人だ!」 はるかの手を取りぶんぶんと握手する。 これだけ可愛い娘が来てくれればこの野球部は安泰だ。イヤッホゥ! 春日井の喜びメーターはマックスに到達しかけていた。 「こんなに可愛い娘がマネージャーをやってくれれば部員も増える! 間違いないぞっ!」 「え、あの……はうわぁぁわわぁ〜」 「はるかが困ってるでしょうが!」 「ぐえっ!」 春日井、撃沈。 「何はともあれ助かったよ。マネージャーを探す手間も省けたしね」 少し経って。 互いの自己紹介を終えた春日井たち四人は屋上で談笑していた。 「それに何より可愛いでやんす! 男子どもが放っておく訳無いでやんす!」 矢部がじろじろとはるかを見る。 対するはるかは困ったように笑みを浮かべているだけだ。 拒絶する態度を見せないはるかに何かを勘違いした矢部はおさわりでやんす、と言って手を伸ばし―― 「ふんっ!」 「げふぅっ」 ――撃沈した。あおいの拳が鳩尾に決まったため、矢部は悶えている。 が、攻撃を繰り出した本人はさほど気にしていないようだった。 「矢部君、いい加減勉強するべきじゃないかな」 「それはキミもでしょ。いつまで経っても僕の名前を間違えて」 「レパートリーが豊富で飽きないでしょ?」 「わざとなのっ!?」 「いや、まあ……」 「ふふ」 二人が会話している途中ではるかが急に笑い出した。 しかしなんだ。お嬢様みたいで可愛らしい笑い方だなと春日井は思った。どこか偏見があるような気もする。 「ありがとうございます、ハルさん」 「ん〜? お礼言われるような事した?」 「はい。私の緊張をほぐしてくれましたから」 とびきりの笑顔ではるかが言った。感謝されるのは悪くない。しかもそれがかなりの美少女とくればなおさらだ。 あはは、と笑いながら春日井ははるかと談笑する。 その隣であおいは不機嫌そうに鼻を鳴らしていた。 「……デレデレしちゃって」 「諸君」 いつもとは違った真面目な声で春日井が言った。 ここは野球愛好会に割り当てられた部室――と呼ぶのはおこがましいほどに狭い単なる倉庫――である。 春日井を中心とし、周りにあおい、矢部、はるかが座る構図だ。 「我々はこの狭くて暑苦しくて臭い最悪の環境の部室から開放されるために、部員を集めて野球部への昇格を目指さねばならない」 拳を振り上げ春日井が語る。手を広げたりしてポーズもつけて。 「というわけでだ。あおとちゃん、はるかちゃん。今すぐバニーもしくはメイドさんの格k」 「ふっ!」 ドカ、バキ、ボコ! と擬音が聞こえてきそうなくらいに春日井は滅多打ちにされる。 ボロ雑巾の如く転がった春日井はそのまま窓から投げ捨てられた。 「議題に上げてる事はまともなのに何なんだろうねあの人は」 「なかなか魅力的だと思うでやん――」 「さて、変態がいなくなった所で議論再開と行きましょうか」 「あ、あおい……私たち二人しか残ってないけど……」 男子二人は外へ捨てられたために部室内に残るのはあおいとはるかのみ。 「とにかく、部員を集めるのが最優先ね……」 「でも、練習とかもしなくちゃ……鈍っちゃうかも」 はるかの言う事はもっともだ。体を動かさなければ運動の感覚なんてすぐに衰える。 流石に言う事がしっかりしてるわとあおいは一人頷いた。マネージャーやってもらって正解だ。 「なら答えは簡単。ローテーションで部員集めをすれば良いんだよ」 「ローテーション?」 入り口から春日井が姿を表す。体中にあるアザが痛々しい。 「そ。例えば今日は矢部君が勧誘に行って、オレ達は練習とかね。次の日は矢部君以外の誰かが行けば良い」 「でも効率が悪いんじゃ……?」 あおいが首を傾げつつ言った。 「全員で行って誰も入ってくれませんでしたってのよりはマシじゃない? まだ四月だし、毎日やれば六月くらいまでには揃うんじゃないかな」 「……じゃあ、そうする?」 あおいの問いかけに、全員が頷いた。 「春日井君。矢部君、大丈夫かなぁ」 「さあね。とりあえずキャッチボールでもしようか」 翌日。今日の勧誘係は矢部。残された部員二人はキャッチボールを行っていた。 あおいは心配そうな顔で聞いてくるが、春日井は大して気にしていないようだった。 「はるかちゃんさえいればなんとかなるよ」 握った球をあおいに投げる。 球は胸元で構えられたあおいのグローブにしぅかりと収まった。 「……どこからそんな自信が」 受け取った球を投げ返す。 白球は山なりの軌道を描いて春日井のグラブへ入る。 互いにコントロールは悪くない。 「まあ、勘。男なんて可愛い女の子がいれば釣られてやって来るもんさ」 「はぁ、そう。……それはキミも?」 「かもね」 徐々に距離を離しつつキャッチボール。 ちなみにマネージャーのはるかにはスコアの付け方などを学んでもらっている。 秀才らしいはるかなら大して時間も掛からないだろうが。 「そういえば、あおいちゃんってポジションどこだっけ」 「ピッチャーだけど。言わなかった?」 「覚えが無い。ちなみにオレもだよ」 「へー。じゃあ、ライバルだね?」 「ああ。負ける気は無いけど」 「言ったね? 後悔しても知らないよ?」 「臨む所さ」 今日も恋恋高校野球愛好会は平和です。 彼ら愛好会が野球部に昇格する日はいつになるのか……。 「……みんな帰宅部で学校に残ってないでやんすよ、ハルくん……」 矢部は一人教室でたそがれていた。 部員は集まる……のか? ―――――反省―――――― こんにちは、羽賀です。 第一話と第二話を投稿させていただいた訳ですが、特に第二話。 少し急ぎで仕上げたこともあり、内容がわかりづらい所があるかもしれません。 また、会話が多いのは仕様です。勘弁してください。ついでに地の文が少ないのと微妙なのも仕様です。 まあ何はともあれ、ここまで読んでいただきありがとうございます。 [21] (削除) ■記事引用返信■ ・投稿者/ / -(2008/08/04(Mon) 18:30:12) この記事は投稿者により削除されました |
■記事引用返信■ ・投稿者/ ナルキッソス -(2008/07/13(Sun) 08:24:07) ・URL/ http://plaza.rakuten.co.jp/kimurakaito/ プロローグ 七月、全国の球児たちが甲子園出場を目指し、地区予選に挑戦する。 岐阜、ここでも甲子園を目指す球児たちの熱闘が繰り広げられていた。 「ノーアウトのランナーが出たぞ!続け続け−!!!」 回は九回裏、どうやらサヨナラのランナーが出たらしい。 甘い球を投じ、ランナーを出してしまったピッチャーはマウンドを一回、蹴り飛ばす。 「ちっ、九番に打たれるとは」 ここまで試合は両チームとも無得点で来た。ようするに投手戦というやつだ。 その投手戦をここまで繰り広げてきたマウンド上のピッチャー、桐山 省吾はロージンを手に取る。 「ここからは上位打線か……」 次の打者から一、ニ、三と続くこの打線をどう抑えたらいいものか、そんなことを考えたが何もうかばず、ロージンを投げ捨てる。 「考えたところで始まらないか」 腕を高々と上げ、投球を再開する桐山。相手バッターの手に力が入る。 桐山の手から放たれたボールは、ど真ん中に。 「ストラ−イク!」 しかしバッターはそのボールの予想以上の速さに、ど真ん中ながらも振り遅れた。 「こら−!何やってんだ!」 バッターに喝が飛ぶ。しかしその声は男性の発したものでは無く、女性の発したものだった。 「ボールをよく見ろ、そうすればあんな球は打てる!」 マネージャー、ではない、選手だ。それも背番号1を背中に着けた。 今、やたらと大声で叫んでいる女性こそ、桐山とここまで手に汗握る試合を展開してきたピッチャー、 鳴海 彩である。 あんな球と言われたのが気に食わなかったのか桐山は先程より力を入れストレートを投げ込む。 シュッ! バシッ!! 九回にも関わらず、その球は140km/hを計測している。おそるべし桐山の根性である。 そして次のストレートにも手が出ず、バッターは三振に倒れる。 「な〜にやってんだ!」 ベンチに戻ったバッターが鳴海にダメ出しされる。お気の毒に。 「おい!次のバッター、絶対でろよ!出なかったらどうなるか…」 半ば脅迫的なことを命令された二番バッターは何とかフォアボールで塁に出る。 よーし、よくやったとネクストバッターサークルで素振りをする鳴海がバッターを褒める。 「三番、ピッチャー鳴海」 溜め息を一つ、下を向いてはく桐山。前のバッターへのフォアボールといい、初回から投げ続けたその体力はもう限界にきている。 だがそれは鳴海も同じ、延長になって投げる力はもう残っていない。 「行くぞ!」 振りかぶり腕を力一杯振り抜く。ボールはアウトコースギリギリに入るストライク。 「速いな…だけどわたしは打つ!」 二球目、ボールは先程と同じコース。鳴海はバットを振りに行く。 「ファール!」 打球は一塁線に切れてファール。 「危ない危ない、ストレートだったらタイムリー喰らうとこだった」 桐山が投じたのはカットボール。それをストレートのタイミングで振りに行ったため、わずかに芯をはずす結果となった。 「勝った」 ツーストライクに追い込んだら三振にとれる、そんな自信が桐山にはあった。 三球目、振り被って投げた球は桐山得意のカーブ。 「なに!?」 鳴海のバットをかわし、ボールはキャッチャーミットに収まる。 「畜生!三振だなんて!」 悔しさと不甲斐無さのあまりバットをヘルメットを叩き付ける。一方の桐山はあとワンアウトということで案外落ち着いていた。 ツーアウトニ、三塁、この状況ならスクイズも犠牲フライも無いという事実が桐山を落ち着かせていた。 相手の四番バッターがバッターボックスに入ったのを確認すると、桐山は鳴海に投じたカーブを二球連続で投げる。 バッターは二球とも空振り。そして桐山が三球目に投じたのはカーブと数10km/hもの差があるストレート! ガキッ! 鈍い音がしてボールはライト方向に飛んで行く。 「延長か…」 桐山がマウンドをおりようとする。他の野手も同じくベンチに戻るそぶりを見せる。 だれもが延長かと思ったその時、高校野球は最後まで分からないという言葉を格付ける出来事が起こる。 ボコッ 「え?」 なんとライトが何でもないただのフライを頭で受けるというとんでもないエラーをおかした。それを見た二塁ランナーは一気に走り出す。 「ライト、後ろだ!」 桐山の一言で我に帰ったライトは急いでボールを拾い上げる。 「俺が中継に入る!」 セカンドの位置に着いた桐山にライトが返球。ランナーは三塁を蹴った。 ライトからの返球を受け取った桐山はすかさず本塁にバックホーム。 キャッチャーが返球を捕球したと同時にランナーがスライディングで突っ込む。 「タッチのほうが早かった、アウトだ!」 「わずかに足のほうが早い、セーフだろ!」 数秒の沈黙の後、審判が高々と手を上げる。 「セーフ!セーフセーフ!!」 夏の甲子園が幕を閉じ、ドラフト会議も終了したころ、桐山の元に一通の手紙が届いた。 「桐山 省吾様。今年のドラフトにかからず残念なことだとお察しします。どうでしょう?まだ野球を続けていきたいという強い思いがあるのならば、下記に記された日にちと場所においでください。お待ちにしております。 駿河ドルフィンズ」 この手紙を機に、桐山 省吾の第二の野球人生が幕を開ける。 |