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「はあ・・・はあ・・・やりすぎだよぉ葉月。」
「ちっ、残念。」
こいつ、趣味が多方面だな・・・
「そろそろ終わりにしない?また今度遊ぼうよ。直利お兄ちゃんにはまた頼んでみるから、ね?これ以上はなんか危ない気がするよ。」
そうそう、そうしてくれ。もう沢山だ・・・
「葉月ちゃんの服ここに置くよ。」
「うん・・・へえ、結構スリムなんだね、お兄さん。ふっふっふっ・・・」
何か悪寒が今・・・
「茜、ウィッグない?」
「ウィッグ?判んないよ、ウチじゃないし。ちょっと葉月、どこへ・・・」
葉月はお袋の部屋に勝手に侵入した。
「お、あったあった。高級品っぽいね。」
「あ、そういえばおばちゃんが通販で衝動買いしたって前に言ってた。」
「まずは〜下地から。肌も綺麗だね、これはいい物できますぞ♪」
なあああっ?俺の顔に何をするっ!!
前髪をピンで留め、鏡を覗き込む葉月。
「むぅ・・・眉毛ちょっと・・・まあいっか。」
引き出しから取り出したのは・・・毛抜き?ちょっと、まさか俺の眉毛を?
「や、止めなよ葉月ちゃんっ!それはまずいってば・・・」
「だ〜いじょうぶっ。前髪で隠せば判んないよ。えいっ。」
ぶちっ
「抜いちゃえっ!」
ぶちっ
「抜いちゃえ抜いちゃえっ!」
ぶちぶちぶちっ!
止め〜〜〜て〜〜〜くれ〜〜〜〜〜〜っ!!!
「さっすが親戚だね。ちょっとびっくり。」
俺も驚いている。鏡に映っている俺の顔は、姉妹といっても通りそうなほど茜ちゃんに似ていた。眉毛は完全に綺麗な女性型に整形されてしまっている。
「ほんとだぁ、私みたい。髪型も似てるから?」
かつらの生え際の部分に肌色のクリームのようなものを塗ってこすると、まったく判らなくなってしまう。
「さすがにちょっときついね、服。」
葉月は俺の体で、自分の服を着始めた。
「ちょっとこっちきて。」
茜ちゃんを鏡の前で並んで立たせると、見事な双子が完成していた。
「さあて、どこ行こうか?」
おいっ!それだけは・・・俺の健全な男子としてのアイデンティティが崩壊してしまう。
家族や近所の人に見られたら・・・ぶるぶる。
茜ちゃんは・・・
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