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葉月が生きてきた数年間。
その少ない情報で葉月は普通の女の子として振舞えるよう、接触する友達からの情報を元に人格を形成していったが、基礎情報の少なさから偏った『普通の女の子』が出来上がっているらしい。それはクラスメイトの発言が原因だったようだ。
「高校生になったら女の子は彼氏とか作ってエッチとかしまくるんだよねッ!」
すぐに大学生を逆ナンして毎日・・・
「高校生の女の子はみんなギャルっぽい服なんだよね。」
この髪の毛はソレらしい。
俺は立ち上がった。
そして携帯を取り出し、彼に電話をかける。
「もしもし?私。ごめんね、今日で別れて欲しいの。なんでも。絶対。嫌いになったの。じゃあねっ!」
「あら、葉月ったらひどいのね。」
「中途半端な望みを残したほうが相手に迷惑だろ?こういう場合。彼にはどこか違う所で幸せになってもらいます。」
パチン、っと携帯を閉じて俺は玄関に向かった。
「ちょっと、どこ行くの?」
「マツキヨ。髪、もっと黒くするから。」
「ちょっとまって、葉月。」
「なに?」
「夕飯、ハンバーグにしてくれる?」
「うん、わかった。帰りに買い物して・・・えっ?」
必要な食材を瞬時に思い浮かべている俺。
鮮やかな手つきで3人分の食事を用意する。
葉月の役割は妹の皐月の身の回りの世話をし、保護する事だった。
どんな料理もプロ並みに作れるようにずっと頑張ってきた葉月。
その経験を、俺は自分のものとして使いこなせている。
「葉月ちゃんのごはんが一番おいしぃよお♪」
ふと、弥生がじっと俺を見ていることに気がついた。
「面白いわね。貴方の人格と葉月の経験や記憶。これは・・・使えるかも。」
弥生は、

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