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席は窓際の・・・ん?まだ来てないのか?
「飯田さん、どなたかお探しですか?」
委員長がニコニコしながら歩み寄ってくる。
「えっ、あの・・・鈴木君、まだ来てないのかしら?」
「あら、鈴木君のことなんて。意外ですね。」
「そ・・・そんなことないわ。クラスメイトだし。」
「そのうち来るんじゃないかしら?鈴木君遅刻多いし。」
はいはい。確かにそうです。
よく観察していらっしゃる・・・
「え〜、今日は転校生がいるぞ。喜べ女子!いい男だぞ。」
男が入ってくる。
確かに、ムカツクぐらいのイケメンじゃないか。
「金田原君、自己紹介を。」
教壇に上がった金田原が爽やかに一礼する。
「金田原ユタカです。東京の私立に行っていましたが、私の父の仕事の関係でこちらに引っ越して来ました。特に飯田さん、よろしく!」
なっ?何だ?
金田原って・・・もしかして最近この町にでっかいビルを建てまくっているあの金田原グループとか言う会社のか?
「貴女とお知り合いになるために引っ越してきた、というのもありますので。」
クラスのざわめきはしばらく収まりそうになかった。
「わざとらしくていけ好かない感じのヤロウですね、金田原。」
「そうね、小川さんもそう思う?」
勝手に口調が変わってしまうのも、ちょっと慣れてきたかもしれない。
「不動産とかで急激に伸びた会社ですよね。にわか成金のクソガキってとこですね。」
委員長もこんな一面があるのか。女は怖いぞ。
「なんか変な事言ってたわね。私に会うためとかなんとか。」
「飯田家の資産が目的なのかしら?飯田さんには鈴木君がいるって言ったら面白そう。」
「そういえば・・・まだ来てないのかしら。」
「見えませんね〜。」
昼食が終わり、教室に戻ろうと廊下に出ると・・・

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