|
「い、嫌だよっ。直利兄ちゃんが初めての人になるなんてっ」
「こんなにたくましいモノを持っているのに?」
葉月が萎えた肉棒をしごきながら茜ちゃんに話している。
俺が茜ちゃんの初めてを奪うなんて考えられないっ。
「ねえ葉月。お願いだからこれ以上は……」
「う〜ん。私、男の体になってドキドキしているんだけどなぁ。この体でセックスしまくらないなんて有り得ないし」
何言ってんだよ、この葉月って子は。
人の体を道具扱いしやがって!
「そろそろ直利兄ちゃんに体を返した方がいいんじゃ……。直利兄ちゃんも可哀想だし、私もちょっと……」
そうだそうだ! いいぞ茜ちゃん。
俺は、聞えない声で思い切り叫んだ。
「そっか。私って結構暴走しちゃってたかな。男の体になって、気持ちが高ぶっちゃったみたい」
「う、うん。葉月、いろいろ教えてくれてありがと」
「ううん。まさか、ほんとにこのファスナーが使えるとは思ってなかったから」
「じゃあ、直利兄ちゃんの体から出る? 直利兄ちゃんの意識が無い間に、葉月は帰ったほうがいいのかな?」
「どうして?」
「だって、やっぱり……。葉月がいたら、直利兄ちゃんがビックリするだろうから」
「そんな事、気にしなくてもいいんじゃない? それに私、まだこの体から出るつもり無いし」
「えっ!?」
「折角、男の体になっているんだよ。茜とはしないけど、他の人と楽しみたいじゃない」
「ちょ、ちょっと待ってよ。他の人って?」
「え〜。まだ全然決めてないけど」
と、俺の気持ちを完全に無視する葉月が好き勝手に喋っているところで、インターホンの音が聞えた。
「誰?」
「わ、分からない。お母さん達……じゃないよね。夕方まで帰ってこないって行ってたけど」
「ふ〜ん。実は予定が変更になって戻ってきたとか」
「分からないよ。とにかく、急いで身なりを整えないと」
「あ、そうだね。流石にコレをブラブラさせてちゃマズいよね」
「もうっ! 葉月、早くしてっ」
「分かってるわよ」
こうして身なりを整えた茜ちゃんと共に玄関の扉を開けた俺たちの目の前に現れたのは――。
|
|