|
冗談じゃないぜっ!
俺にはせっかく付き合い始めたカノジョがいるんだ。
俺が飯田になっちまったら、アイツ・・・美奈穂との仲は終わっちまう。美奈穂が百合ならまだ望みも・・・いやいや、ありえん。こんな美人だがツンドラ女王な女なんかにされるのは・・・
「お待ちくださいっ!」
突然、体が動かなくなり床に転がる俺。
何か白い布のような物が体を絡め取っ手っている!?
その長い布の先にはメイド服の女性。
「彩花様。どこに行かれようと言うのですか?」
『行先不明』
・・・?なんか今髪飾りがぼそっと喋った様な???
「は・・・離せっ!!オレは・・・・美奈穂とっ!!」
じたばたともがく俺を数名のメイドが取り囲む。
「彩花様。お部屋に戻りましょう。」
「はっ離せッ!離してくれッ!お、俺は美奈穂と・・・」
「私と?」
「そう・・・って何でお前がメイド服をっ!???」
メイド萌えな属性はないはずの俺。でも・・・すっげえ似合ってるじゃないか。
「私も飯田家のメイドだったのでした♪しかも彩花様専属なの。よろしくね!」
「なあああああああっ!!」
まさか、まさか最初から俺を騙すつもりで近づいて?くっそぉ、俺の気持ちを踏みにじりやがったのかっ!?
「学習室の準備は?」
「はい。いつでも。」
一人のメイドがにっこりと微笑む。
「・・・・・・い、い、い・・・・委員長!?」
「はぁい♪彩花さまん。」
にこやかにメイド服で微笑んでいるのは、クラスメイトで委員長な小川瑠璃。ありえん・・・
「彩花様のいつもお側で影ながら護衛していたの。入学したときからね。」
そうだったのか・・・
「これから一週間、彩花様は学校をお休みいただいて彩花様として振舞うのに必要な知識を習得していただきます。常に学年TOPな学業はもちろん、立ち振る舞い、話し方、生け花、茶道・・・」
「いや、無理だろ?」
生まれてから今まで平凡なサラリーマンの家庭で『男』として育った俺に何をしろと?
しかも1週間やそこらで。
「無理でもやっていただきますわ。彩花様。ニヤリ」
メイド長・・・怖いぞお前。
「彩花様、はい。」
委員長が持ってきたのは・・・
|
|