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「な、何だよこれっ!?」
「あの……ファスナーなんだ」
「ファ、ファスナーって見りゃ分かるけど、どうして俺の背中にこんなもの……」
「実はそのファスナーを開くと、直利兄ちゃんの中に入れたりして。えへっ」
「は、はぁ〜?」
茜ちゃんが何を言っているのか分からない。ただ、俺の背中には五十センチはあろうかと思うほど長いファスナーが背骨に沿ってくっ付いていた。
「ねえ、直利兄ちゃん」
「な、何?」
「私、一度男性になってみたいと思ってたの。だから、直利兄ちゃんの中にはいらせてくれない?」
「は、入らせてって……どういうことだよ」
「私が直利兄ちゃんのを着ぐるみみたいに着るって事。後で代わりに私を着てもいいから」
「そんな無茶苦茶な。冗談だろ?」
「冗談かどうか、試してみていい?」
茜ちゃんは、俺が返事をする前に背中に付いたファスナーを勢いよく開いた。
そして……
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