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「あ、ああ……茜ちゃん。そっか、今日はおばさんと来る日だったっけ」
俺は大きな欠伸をしながら、上半身を起こした。前に母さんが言ってたっけ。従妹の茜ちゃんとおばさんが遊びに来るって。すっかり忘れていた。
「よくこんな時間まで寝てられるよね、直利兄ちゃん」
「昨日はツレと夜中まで遊んでたからな。帰ってきたのは朝の5時くらいだったっけ」
「まだ高校生なのに朝帰りなんだ。よくやるね」
「朝帰りっていっても、近所のツレの家でいただけだし。茜ちゃんだって高校生になったんだから夜遊び位するだろ」
「しないよ、お母さんが五月蝿いし。それに私が夜に出歩いたら襲われちゃうじゃない」
「はは。ま、それもそうだな」
「何?バカにしてる?」
「してないしてない。誰が見ても同じ事を言うよ、茜ちゃんは歳に似合わず美人だって」
「でしょでしょ! また胸が大きくなったんだ。ほらっ」
茜ちゃんは、白いプリントTシャツに包まれた胸を両手で揺らして見せた。まだ高校1年になったばかりだけど、Cカップくらいありそうだ。彼女は親戚の中でも飛びぬけて綺麗だと俺は思う。胸だけじゃなくて、身長は160センチくらい。女子大生並みのスタイルを持っている。ある意味、俺の方が子供に見えた。
長いストレートの黒髪にしているから、尚更大人びて見えるのかもしれない。
それに引き換え、性格は中学生の頃から変わっていない。幼さが残っているというか、俺に対しては特に――だろうか。こうして男の俺を目の前にしながら、両手で胸を揺らす行為に恥ずかしさを感じていない。
本人は全く意識していないだろうけど、まるで挑発されているように思える。
「はいはい。自慢はいいから部屋を出てくれよ。着替えられないじゃないか」
「別に私が出て行かなくても着替えてたじゃない」
「茜ちゃんは、もう高校生になったんだろ。男が着替えるところを見るの、恥ずかしくないのか?」
「別に〜。直利兄ちゃんの裸なんて、小さい頃から見慣れてるし」
「それはそうだけどさ」
「直利兄ちゃんが恥ずかしいなら出て行くけど」
その言葉に俺は……
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