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初めて入ったその店には、客は一人もいなかった。
「いらっしゃいませ。」
妖艶な微笑を浮かべてカウンターの中の女が俺を迎え入れる。
ぞくっとするほど色っぽい。
俺は吸い寄せられるように店に入り、カウンターに腰掛けた。
「そうなの、大変ですね会社が潰れちゃうなんて。」
しなやかな仕草で酒を作る女に俺は見とれていた。
真っ白な肌に細い腕。
ドレスを持ち上げている豊かな胸は間違いなく本物で、美しい谷間を作っている。
そして、俺は何でここにいるんだ?
ここはどこなんだ?
記憶は酒を口にした後に唐突に途切れていた。
ロッカールームだろうか?
クローゼットのような物と、長椅子。
壁は大きな鏡。
俺はその長椅子に寝ていたようだ。
「うう・・・」
頭がガンガンして、不自然な格好で寝ていたためか全身がぎしぎしと痛む。
「さあ起きて・・・もうお昼よ?」
女は・・・
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