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昨日、京都産業大学が獣医学部設置を断念することを発表しました。
すでに加計学園に決定している今になって何故こんなことをわざわざ「発表」するのか。しかも広報の簡易的なコメントではなく、テレビカメラを入れ、大学のお偉方が出席しての大々的な発表です。
マスメディアでは安部首相が「今後もどんどん獣医学部を作っていく」と言ったことと関連させた報道が多いようですが、的を外していると思います。
私のみるところ、この京産大会見は橋下徹氏の次のツイートと密接に関連しています。
>(加計学園問題)特区での獣医学分の新設は問題ない。しかし加計学園と京産大を並べてきちんと審査しなかったのは手続きとして大問題。記録も残っていないとのこと。これは京産大も入れてもう一度公募審査をやり直した方がいい。このままごり押しすれば批判に耐えられなくなるだろう。(7月8日)
多くの問題で安部政権に寄り添う立場を示してきた橋下氏も、さすがにここは政権と距離をとっておく必要を感じたのでしょうか。松井一郎維新の会代表もすぐに橋下氏と同様の見解を表明しました。
現在は政界から離れているとはいえ、橋下氏は依然として人気が高く発言の影響力も大きい。しかも上のツイートは、加計学園選定プロセスに「一点の曇りもない」と強弁する首相や特区ワーキンググループのいちばん痛いところを突いている。しかし逆にいえば、橋下氏が指摘する点さえクリアすれば、加計問題疑惑は逃げ切れる、という判断もできそうです。
この文脈から昨日の京産大会見を見直すと、橋下氏が指摘した問題をきれいにクリアしていることがわかります。京産大は会見で自ら、加計学園に比べ準備が大幅に遅れていたこと、教員の確保に見通しが立たなかったことを認めました。つまり、加計学園と京産大の比較検討は国家戦略特区の委員会が丁寧に審査するまでもなく、明らかに加計学園の勝ちであったことになるのです。橋下氏のいう公募審査のやり直しももちろん不要になります。
結果的に、橋下氏はツイートで政権側に宿題を出し、政権側が京産大会見という形で解答を出したという構図です。
これだと京産大が政権からの圧力で心にもない会見をさせられた犠牲者というふうにみえますが、もちろんそんなことはありません。京産大は今後政府(直接的には文科省)から豊かな見返りを得ることができるでしょうから。
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