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    [128] 夢時間

    記事引用返信

      ・投稿者/ 猫星 -(2012/12/14(Fri) 02:46:30)

        私は、夢と言う言葉がとても好きだ。
        有り触れているかも知れませんが・・・ そんな夢物語を
        綴っていこうと思います。夢は尊い、凄く・・
        其れはとても不完全で難しい事であるのです。 「ああ、現実は嫌だぁ」
        そう、誰もが感じるもの、厳しく切ない。
        夢を感じるひと時は、言うまでも無く希望があるのです。
        まぁ、今夜は、この辺でと・・・
        夢時間の中身は、色々と変化していきます。其れでは・・


      [129] Re[1]: 夢時間

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫鐃� -(2012/12/15(Sat) 02:20:30)


          第一話

          ある画家の卵は何時も瞑想に耽る毎日だった。
          名案が浮かばないのか? 絵画に気が入らない・・・
          「う〜ん 此れも駄目かぁ」 そんな感じ・・
          今の儘では売れない、そう思っているのだろう。何せ彼は人見知り
          そして、鬱のような人格。そんな事もあり、希望を見失い始めた。
          だが、心の何処かで夢を描く素質があるだ。
          そもそも彼が画家になる夢を抱いたのは、幼年時代から。
          絵を描く事が好きで、チラシの裏にまで描いていた。
          「僕、絵描きになるよ!」 そう呟いて自慢した。そんな頃から?と
          誰かが、疑う目で質問したが、彼は動じなかった。
          「私には、自信がある!」だから、夢は尊いから・・・
          大人になった彼は、更に目的に満ちた生活を送るようになる。


      [141] Re[2]: 螟「譎る俣

      記事引用返信

      [236] 夢の中で

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2014/10/27(Mon) 03:31:15)


          私は夢の中で 車を走らせていた。
          何処に来たのだろうか ? 何だか都会のど真ん中を走行
          しているようだ ・ ・ ・ そう ビル群が聳え立つ 道路を
          ひたすら、走行している。 何を思っているのか ?
          余り想像が付かない ・ ・ ・ てっ 言うか 夢の中だから
          漠然としている。 ん 一寸、横を見てみた。 おっ
          あれは 数年前に住んでいたアパートだ。
          と言う事は、ビル群から離れたのか。 そうだ 川沿いの
          辺にある 懐かしい古いアパート ・ ・ ・
          想像が付いた。 私は 昔住んでいた 「リバーサイドアパート」 を
          思い浮かべていたのだ。 とても、 「ノスタルジック」 ですよ
          何故 夢の中に 現れたのか ? そうだなぁ
          あのアパートぉ 10年住んでいたしぃ 見た目より ず〜っと
          住み心地 が良かったんです。 でもね、其のアパート・・
          今はぁ 何と 金ぴかの マンション に様変わり !
          時の流れなんでしょうねェ 一寸 寂しい
          そんな事もあり、夢の中で 懐かしげに 辿り着いたのか。
          昔の風景が 走馬灯のように 蘇る ・ ・ ・ あの頃は まぁ
          良い時代と言うよりも、生活が苦しく 悲惨だった。
          今となっては、ほろ苦い懐かしい時代だったと思う。 もう
          戻れない 若い顔をした、自分に ・ ・ ・ ・ ・ 其れはさて置き
          私は 何処へドライブに行こうとしているのか?
          果てしない 夢の世界へ





      [301] ドライブ

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2018/10/19(Fri) 02:19:29)


          ある朝 私は ふと無性に何処かにドライブしたくなった。
          行く当ても無いけれど、何処かへ行きたい。 ま、ドライブって
          そんなもんだけどね。 そう気ままな物だよ。 遠く迄行こうか、なんて
          思わない。 そこ等中なんだよ、本とに・・・
          気分転換になるしね。 「お、久しぶりに来た、此の通り。全然変わらない
          し 好きな道路なんだ」 と 私は私に言っていた。
          一人で車を運転してると こうなる。 自分に自分が話しかけているような
          感じになる。 一寸 孤独でもある。 でも、清々しいよ。
          ドライブは。 何れにしても 車って 自分の空間でもある。
          「そーだ あそこに行こうか、一寸買い物なんだけど。スーパーに」
          夕食に何かないかな? そうそう、「ハンバーグとから揚げ」 此れは
          美味しいからね。 買って帰ろうっと。 ま、ドライブはまだまだ続くよ
          何処までも。 そんなこんなで もう 「オナラ、ブー!」 臭い!
          自分のオナラがこんなに臭いとは・・・
          車の密室した空間が 此れまでの 臭い屁を充満させたのだ。 私はもう
          我慢出来ずに 窓を全開にした。 やれやれ オナラの臭いから解放
          された。 さ、昼飯も済んだ事だし もう少し 運転しよう!
          おっと、雨なんか降ってきた。 「鬱陶しい・・いや 爽やかだ」 雨の中
          運転って 気持ちが良いよ。 「あの人、濡れてる」 突然の雨で傘が無か
          ったんだ。 こんな時は 車を運転してた事に優越感に浸っている自分が
          あった・・・ ドライブもあ〜と言う間に過ぎて行く。
          雨が止んで来たようだ。 道路が濡れて走り難いけど、此れも偶然の
          悪戯だと思って 進んで行こう。 「あらまあ、仔猫ちゃん 如何したの?」
          そんな所にいたら 車に轢かれるよ。 危な過ぎる 仔猫ちゃんの行動・・
          「ニャ〜!ニャ〜!」 鳴いているようだ。 お母さん猫を探している
          みたい。 でも 乗せていけないよ、家族に怒られそうだし・・・
          もう じれったいけど スルーしちゃった。 寂しいけど
          仔猫ちゃん 可愛いかった。 あっと言う間の出来事だった。
          そんなこんなで お家も近くなってきた。 今日のドライブって中々
          良かったよ。 お家に着いたら 車の中で走馬灯のように 蘇って
          来る。 ドライブの本質はこんな物です。
          まあ、でも 気晴らしになりますよ、ドライブは!
          って 一寸した 独り言みたいでした。




      [304] ポエム

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/06/21(Sun) 17:15:13)


          梅雨の時期になった

          何時もと変わらないけど
          鬱陶しい事も無い
          爽やかだと思う

          最悪な事態から解放されて
          梅雨も清々しく感じる

          絵画を描くには 余り関係無い
          其の方が安心する事も・・
          雨音は イメージが湧いてくる


          さ、描こう


      [305] ポエム

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/06/28(Sun) 02:48:53)


          初夏の日曜日

          夜中に呟く

          風の便りで聞いたけど
          幼き日の友人は
          とても遠い処に住んでいるらしい
          何故に?
          仕事の都合かな・・

          会ってみたい
          懐かしい友
          あの日の想い出を語らいたい
          でも、一寸 恥ずかしい
          人には言えない事もあったし

          何故か 走馬灯のように甦る記憶

          心の中の想い出


      [306]

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/07/04(Sat) 02:21:28)




          雨音が囀る
          梅雨が終わらないようだ・・
          朝も雨かな
          爽やかな雨
          其れに合わせて 筆が滑る
          滑らかに
          息が合っている

          雨音


      [307]

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/07/10(Fri) 01:34:24)


          夢時間へ誘う

          遥かなる宇宙の彼方
          煌めく星雲の数々
          地球以外に 生命体は
          存在するのか?
          存在する可能性はある
          今現在 其れを証明する
          学術的根拠があるようだ

          夢を感じる


          私は 夢を描こう


      [308] 私は猫である

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/07/16(Thu) 01:32:31)


          猫を通して客観視してみたい

          私生活を垣間見る
          だらしない生活が基盤
          とは言えないか?
          猫は 猫星を見ている
          絵画などを描いている人だ
          何時も・・
          私を描く事もある
          だが、ちっとも可愛いく
          描いてくれない・・
          しかも 写実とは言えない
          心が曲がっているのか?
          猫星は 私を抱くと心が
          落ち着くらしい
          私も甘えるのだが・・
          猫の鳴き声で ニャー ニャー と
          言うと 猫星は 美味しい物を
          出してくれる
          優しい所もある
          猫星は時々 車で出掛ける
          仕事があるらしい
          私は留守番
          一寸、寂しいけど お家を
          満喫出来るよ
          鬱陶しい時もあるからね

          さて、私と猫星は

          此れからも ずっと 仲良し・・・


      [309] 此の事態

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/08/02(Sun) 01:41:04)


          コロナウイルス感染者拡大が
          日本中 止まらない
          此れは 非常事態だ
          そう 「第2波」 と言える
          特に東京の感染拡大が
          抑えられないでいる
          ま、PCRの検査拡充した為
          かも知れないが・・
          其れにしても 此の繁殖力の凄まじさ
          は 計り知れない
          人々は如何対応したらいいのか?
          また、自粛なのか?
          政府も臨時国会を開催する
          気配はない
          国民無視かあ・・・
          各都道府県任せ
          此れでいいのだろうか
          此のままだと コロナ新規感染者が
          益々拡大の一途を辿る

          何とか秘策と特効薬がないだろうか・・・


      [310]

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/08/30(Sun) 01:46:41)


          私が 絵画に勤しむようになって
          可なりの年月が過ぎた。
          旨く行っているのか自分でも確信が
          持てないが、突き進んではいる気がする・・
          絵画と言うのは無限だからね。
          幾らでも 描き切る事が出来るよ。 方法は
          何でもある。 別に 技法に拘る事はない。
          独創性が大事
          でも、スランプもあるさ
          描いても 如何かな?
          と言う時
          ま、そんな時は何か他の事を考える。
          音楽やオーディオやカメラや書物やスポーツ
          などが 気晴らしになる。 猫ちゃんも
          ずっと絵の事ばかり考えていたら
          鬱になるよ・・・
          そう、ドライブも最高だね

          此処で呟くのも良いけど

          まだ確信は持てないが 一歩一歩
          前進していきたいと思う。

          さて、此の後は絵画の時間


      [311] 地球

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/10/08(Thu) 02:31:37)


          光り輝く満天の星空

          此の星雲に願いを込める
          此の何億光年の星空の中で
          地球は青く美しい
          此の星も寿命があるのだろうか?
          其れは定かではないが
          生命体がある地球は
          破滅しないで欲しい
          計り知れない
          ダメージがある地球・・・
          何かが崩れていく可能性も

          いや、何とか持ち堪えるさ
          そうであって欲しい

          地球・・・


      [312]

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2020/11/26(Thu) 02:09:42)


          夢・・・
          何故か私は考えもつかない夢を見た。
          私は政治の世界に身を置いている。 所謂、国会議員
          として・・ 其れも与党ではない、野党だ。
          そんな中 国会質疑の場に出向く機会があった。
          首相の疑惑に対する案件だ。
          質疑に立った野党議員の激しさに 私には肝を抜く
          物だった。 野党議員 「疑惑に答えて下さい!」
          首相 「其の案件には答えを控えます」 と答弁。
          其のやり取りは長く続いた。
          首相は逃げ切りを図るしかないと思ったのだろう。
          しかし、そうはいかない物だ。
          次々と野党議員が攻め続ける。
          私も其の場に居てヤジでも、と思ったが止めた。
          人間としての羞恥心が何処かにあるのだ。 さあ、如何
          なるのか? 私も質疑をしたいと感じていたが・・
          新人議員には中々そうはいかない物。
          はっ、私は大きな声で 「逃げる積りですか!」と
          ヤジった。 何と言う事か・・・
          そんな筈じゃなかったのが
          思わず口走った
          私は自分を恥じた
          だがすっきりした
          私は野党議員なのだ

          其れから夢は途切れた・・・

          思わぬ出来事だった・・・


      [313] あの日‥

      記事引用返信

        ・投稿者/ 猫星 -(2021/04/08(Thu) 16:14:48)


          あの日は何を考えていたのだろうか…

          突然の出来事だった。
          TVのニュース速報で見た時の衝撃は
          一生忘れる事が出来ないだろう。
          今でも鮮明に残っているのだから。
          そして、何度もニュースで流れた。
          もう時は過ぎたけども‥
          今日の出来事だった。
          私は子供時代だったが 其の時の動揺した
          心を思い出される。
          其の日 私は小学校を休んでいた。
          いや、風邪を装いズル休みした‥
          学校が嫌いだったからね。 虐めを受けていた
          事もあるが…
          そんな中、幼心にも大好きな女性芸能人が…
          幼気な心が更に塞ぎ込んでしまった。
          私は其の日から 引きこもりになった。
          もうどれ位なんだろうか?
          今は違うけど

          あの方に哀悼の意を捧げます

          過ぎ去った季節…



    [275] 【無題】

    記事引用返信

      ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/10(Sat) 19:34:07)

        薄暗い部屋はどこか不気味な雰囲気が漂っている、しかし今、ここから去ることはできないでいた。
        「それで?俺たちを呼び出したのはどういうことだよ」
        同じ部屋に五つの椅子と円形の形となった机が置かれていて男はそこに座っていた。
        いや、初めてここにきたときに座らされていた。
        その隣に男性は座っていて口から漏れるガムを噛む音と共に前のスクリーン右隣に立っている黒いスーツを着た男に問いかけた。
        「あなたたちは大変凶悪な犯人に狙われているんです。
        そこで今回集まってもらいました。」
        「凶悪な犯罪者に狙われているだって!?
        いきなりわけもわからずこの場所へきてそんな人に狙われているってどういうことよ」
        声を荒げて抗議をする女性はよく見えないが人を3人ほど挟んで座っている。
        「皆さんが混乱されるのはよくわかります、しじゃし凶悪犯に狙われていることは確かなのです。
        皆さんで協力をして見つけ出さなければいずれ皆さんは殺されることになります。」
        スクリーンの横に立った人はい冷静沈着で焦っている様子はなかった。
        「それで?
        もし凶悪犯に狙われていたとすると俺たちは何をすればいいんだ」
        真横で落ち着いた声を出す男は机肘をつけていかにも信じていない言い方をしていた。
        「ですから、ここに集まった5人の皆さんでその凶悪犯を見つけ出して罰してください。
        そうしていただければ今まで通り平和な何事もない日常が戻ってきます」
        「言っていることが信じがたいがな…」
        勢いよく背もたれに背を預けあいかわらず口を鳴らし抗議をする。
        「私、今日用事があるのよね、今回呼ばれたのなんか裁判官ができると思ってやってきただけなの?
        だから関係ないならもう行っていい?」
        1人人を挟んだ隣にいる人はどうやら女性のようで、少し間を離れていても香水の匂いがぐんぐん匂ってくる。
        「なあ、そこの姉ちゃん。
        そのキツイ匂いなんとかなんねぇ?
        頭痛くなってきたんだけど」
        「まあ、なんですって!?
        この匂いの価値が分からないっていうに!?」
        「価値なんてどうでもいいんだ、なんで身いいから離れてくれよ」
        いきなり言い合いが始まったところで、前のスクリーンの灯りが明るくなる。
        「落ち着いてください。
        皆さんに見つけてほしい人物の特徴はヒゲが伸びておりジャラジャラとアクセサリーをしています。
        また服装はユニークで変わっています」
        「すみませーん、もう時間がないのであたし行きまーす。
        続きは勝手にしててください、抜けますので」
        香水の匂いが一気に臭ったと思うと女性が立ち上がりやる気のない声を出して椅子から離れていく。
        「待ってください、先ほども言いましたが…」
        「あたし、狙われているとか言われても何も悪いことしてないわけで、狙われることないんですよー」
        立ち去る途中で振り返るとそういいありえないという風に手を羽ばたかすせいで余計に臭ってくる。
        「俺もそういうの興味ないんで抜けることにする、姉ちゃんm、いいと思ってつけているのかもしれないけどあまりにも臭過ぎるぜ?
        お節介かもしれないけどもう少し控えめにしないといい人からも引かれるぜ」
        そう言い残すとガムを噛む音をさらに大きくさせて立ち去っていった。
        「何よあの失礼男は!!」
        怒った様子見せながらずんずんと扉の方へ向けて去って行っく。
        静まった部屋の中にただスクリーンの音が鳴るだけでただ静かさが広まった。



      [276] Re[1]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/10(Sat) 20:02:31)


          「すみまでん、話が終わったのならもう帰っていいですか?」
          2人抜けたことから隣横の男性は問いかけた。
          「私も帰りたいんですけど」
          「分かりました、今日はここで解散としましょう。
          しかし今後また皆さんで集まることになるでしょう。」
          黒いスーツを着た男性は入り口付近にある電灯のスイッチを押すとあたりは一気に明るくなる。
          「それでは皆さんも気をつけて帰ってください」
          そう付け足すと前の扉から出て行ってしまった。
          「あの…話って信じきれますか?」
          いきなり声をかけられ少し驚くが、その方向へ向き直し互いに向き合った。
          小さめの身長に肩あたりまでの長さの髪にマフラーに巻き込まれていて少し崩れていた。
          「凶悪犯に狙われているってこと?」
          「はい、皆さんがいうようににわかに信じられないんです。」
          確かにね、いきなり今日呼び出されてこんなこと言われてもね」
          少し声が小さく聞きにくい部分もあったが、しかしきちんと受け止めて答える。
          「あんな話嘘だろ、誰が信じるかってんだ」
          横から口を出してきた男は後ろに手を回し背伸びをしていた。
          「作り話だとしてなんでこんなところに呼び出されたんだろう」
          「裁判制度に真似をしてみたかったんだろ、どーせ。
          いずれ冗談でーす、集まってくださった皆様ありがとうございましたーって来るんだろ。」
          「しかしなあ、進行をしていた人は割と真面目な顔して話しをしていたけど…」
          「薄暗かったのによく表情見えたな」
          「…いえ」
          男の言っていることが正しくてそれ以上言葉が出なかった。
          「ともかく今日のことは忘れることにしましょう、もう皆さんで会うことはないと思うので、お元気で」
          「あなたも」
          皆そう交わすと出口に向かいそれぞれの道へ歩いていく。


      [277] Re[2]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/11(Sun) 19:58:14)


          呼び出されてから一週間が経っていた。
          その後何かが起きることなく平和な日々が流れている。
          ニュースで報道されるというと◯◯選手が一位をとったということや何か新しい企画が採決されるという報道ばかりで殺人といったニュースはなかった。
          このまま何事見なくこういう日々が過ぎていくといいなと思っていた。

          その夜、人々がそろそろ寝ようという時間に狭い路地裏に所で1人の男性が誰かを待ってるようでスマホを操作していた。
          「おっせえなあ」
          独り言が漏れたところで入り口に人影が見えた。
          「おっせぇよ、何してた…」
          言い終わる前に顔をあげて見てみると、そこには見覚えのない人物が立っていた。


      [278] Re[3]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/12(Mon) 16:44:25)


          その人物の様子を見ると黒いマフラーを顔に巻いて表情をよく見え無いようにしていた。
          「おや、待っていたと言う割には驚いた顔をするんだな」
          マフラー男は半笑いするような言い方をし脇に何かをかけていた。
          「お前誰だ、待っていたのはお前じゃない」
          短く言い終わると再度スマホへ目を下ろそうとしたとき、脇に抱えていたものをなぜか突き出したようにみせてくる。
          はじめ何かよく分からず目をよく凝らして見て見ると、それは人物の顔をしていた。
          いや、それどころかよく知っている顔だった。
          「田所?
          たどころじゃないじゃ!?」
          驚いた声を張り上げた男は、顔じゅう血まみれとなった男を見て体をそちらに向ける。
          「お前、田所に何をした!?
          身体中あざだらけじゃないか」
          一目見ただけでわかるその痛々しい姿は、もう息の根が止まっているんじゃないかと思うぐらいにボロボロとなっていた。
          「何って…お前がこれからしようとしたことを代わりにしてあげたまでだよ」
          ふざけた声でそう返し、男への恐怖心を煽っているのかどこかニタニタと笑った顔が浮かぶ。
          「俺が…?
          違う、俺はそうしたいわじゃない、ただ少しお金をもらって一緒に遊ぼうとしていただけだ!」
          「ほー、こいつを連れて仲間に所へ行ったあと、どうせ暴力を振るって日頃の鬱憤を晴らそうとしてたんだろ?
          その手間を俺がしてやったんだよ」
          「黙れこれはそんなこと…
          多少しようとはしていたけどお前がやったほどするつもりはなかった!
          とにかく田所を離せ、まだ生きているか?」
          大きな音がしたかと思うと目の前に人物が迫ってくる。
          道に倒れた男は身動きさえしない。
          「田所、しっかりしろ!
          お前困難で惨めじゃないのか!?」
          問いかけても一切返事をせず、口付近に手を当ててみても息をしている様子はなかった。
          「お前…」
          許さないとばかりに立ち上がり先ほど撫で道の端にいた男に向き直るといきなり頭衝撃が走り勢いよく倒れる。
          後頭部が熱く触って見ると滑(ぬめ)りのある水滴が広がっていた。
          「なっ…」
          後の言葉を言う前にもう一度衝撃が走り腕の力がなくなる、何度もその衝撃を受け虫の息となったところで終わった。
          「ふん、お前も同じことをしようとしていたんだから一緒なんだよ。
          何正義ぶっているんだよ、虫唾が走る!」
          そう一言を言い終わると、鉄の棒を振り上げ強打をする。
          打たれた男はその衝撃で動くことはなくなった。
          「1人目…」
          呟いた言葉は闇に葬られていく。
          そしてまた路地裏をゆっくりと歩き出し何処かへ向かった。


      [279] Re[4]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/13(Tue) 21:16:03)


          八時十分、その時間にはすでに朝ごはんを食べていた。
          起きてから数分動か無い頭をなんとか振るって目を覚ませ、起き上がって今に至る。
          「病院患者の…」
          朝からテレビを付けてご飯を口に運ぶと、ニュースを聞きながら食べている。
          今日もきっと何事もなく終わるんだろうと、呼び出されたことをさっぱり忘れていた。
          「最も多く…」
          なにやらニュースで報道されているけれど、ほぼ男には関係なく耳から耳へ流れていく感覚でニュースを聞いている。
          朝ごはんを食べ終わって片付けようとした時、思わぬ報道が耳に入ってきた。
          「今日未明、◯◯市のー…l
          どうせ大したこと無いだろうと聞き流そうとしたが、次の言葉でそうもいかなきなる。
          「撲殺されているのが発見されました。
          警察によると、二十代の男性で…」
          久しぶりに人が殺された報道を聞き、少し物騒になってきたなという程度に聞いていたが、特徴を聞いているとどこかで聞いたことが、いや、あったことのある人物像でゾッとするのを感じた。
          そう、裁判制度の真似事で呼ばれただろうあの五人のうち一人の人柄にそっくりだった。
          あの日を思い返してみると、凶悪犯に狙われていると言われていたが、俄かに信じられずすっかりと忘れていた。
          しかし、偶然にも一緒に呼ばれた人物が今回殺されてしまい、もしかしたらっという言葉が男の頭の中に浮かんでくる。
          「もしかしたら、あの話は本当のことなのだろうか…」
          誰がいることなく一人でつぶやくその言葉に少しの今日が入り混じっている。
          そう呟き、苦笑いをテレビを眺めながらしていた。


      [280] Re[5]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/14(Wed) 21:54:07)


          当分テレビの前から動け無いでいた。
          報道されたあのニュースが頭について離れないのだった。
          なぜ補任が呼ばれたのか、それは一昨日の朝、いつも通り起きて寝ぼけた頭をなんとか動かして新聞を取りに行った時、一枚の手紙が入っていた。
          普通のどこでもあるような封筒の表側に(重要)という文字がハンコとして押されているのを覚えている。
          不思議に思いながらも家に入り机に新聞を置いたところで封筒を開けてみる。
          内容は重要なお知らせときて欲しい場所が書かれていて日付も記載されていた。
          特になにかを考えることなく、重要という言葉だけが男は行くことにする。
          当日行ってみると黒いスーツの人が立っており会場の入り口から案内された。
          案内された場所はシンプルな一室で真ん中あたりに円型の机と椅子が五つ用意されているだけだった。
          すでに3人の人物がその部屋に存在し、男性二人と女性一人という状況でそれぞれ好きな場所に座っている。
          男性の一人は派手目の服装に耳につくような音を口から出していた。
          もう一人は割とまともな服装だったが、腕に耐え無い傷をいくつも作っているようだ。
          女性は少しふくよかで香水を多くかけているのかその匂いが遠くでも臭ってきて少し頭が痛くなりそうになっていた。
          「いつまで待たせるんだ…」
          一人の男性が口を動かしながら呟く。
          「俺たちに何をしようとしてんだよ」
          苛立ちを隠さずにそういう時窓を眺め外の様子を見る。
          いきなり電気が消えたと思うと後ろ側から一人の女性と前のドアから先ほど案内してくれたスーツ姿の男が入ってきた。
          「みなさん、集まりのほどありがとうございます。
          今日送らせていただいた手紙の通り重要なお知らせがあって来ていただきました。」
          やけに丁寧な言葉を使い説明を始めたことを今でも覚えている。
          その後あまり信ぴょう性のない話を聞かされて途中退席をしたことから話は終了した。
          目を開けてテレビを見やるともう違う報道をし時間がきたようでニュースは終わった。


      [281] Re[6]: 【無題】

      済! / 記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/15(Thu) 21:30:00)


          この後どうするか、少し考え行動しようと思う。
          変に歩き前って変な人に出くわしてしまったら元も子もないと思いこのまま家にいるか、しかし今回のことは偶然の出来事でそんな気に知る必要もない気がした。
          どちらにするか悩んだ挙句、今日は土曜日ということで出かけることに決めたのは数十分経った後のことだった。
          「どうせ今日は休日で人が多い可能性高いかいから出かけるか。
          家にいても何もすることないしな。」
          独り言をつぶやき朝ごはんを片付けた後出かける用意に取り掛かる。
          「さて、どこへ行こうか…」
          行く予定の場所もなくただウロウロとするのもおかしな話だと思い行き先を決めようと思考する。
          これと行って見たいところもなく瞬間的に思いついた場所がcd屋と行き着く。
          「よし、じゃあ行ってみるか。」
          玄関を出て住宅街を歩き駅へ向かった。


          「ちょっとー、いい加減決めてくれ無い?」
          退屈という態度を見せ呆れ気味にそういう女は香水を随分つけているらしく近くにいる人々の鼻をついていく。
          「おいおい、あまり急かすと余計決められ無いだろ。」
          女の態度に呆れたという表情で言い返しメニューを寝かせる。
          「そんなに遅かったらこれからの予定が狂うでしょ、早くしなさいよ」
          「うるさいな…」
          ぶつぶつと文句を言いながら再度メニューに目を落とし適当に目に付いたものを店員さんに頼み。
          「それで?この後何したいの?」
          「えーとねぇ、あたしここに行きたいの〜」
          取り出したチラシはブランドのバックものでセールをしていると書かれている。
          「俺、こんなの興味ないんだけど」
          「ダメ、行くの。」
          先ほどと違い今度は低い声をだす。
          呆れた顔をしながら仕方がないと一つ頷いて了解を表すと女の目が一気に変わった。
          「やったー、あたしここに一度行って見たかったの」
          満足した様子で喜び飛び上がりそうな勢いで喜ぶ。
          頼んだ食事が運ばれ即座に食べることを指示をするとチラシに目を落としウキウキとした様子を見せていた。


      [283] Re[7]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/16(Fri) 19:42:50)


          食事を済ませた後、目的であるチラシで広告した店へ向かっていた。
          一体なぜ自分も行かなければならないのか一緒に歩いている男が一人思い悩んでいる。
          女に方がよほど嬉しいようでウキウキと小さくスキップをする形でみちをすすんでいた。
          あまりの喜びに迎えからやってきた人に気づかず肩をぶつける事となるとすぐに相手へ向き直し、文句を言いだした。
          「ちょっと、危ないじゃないの!
          痛かったんだけど。」
          凄い血、相で文句を言うが、相手は振り向かず会釈さえしない。
          「ちょっと、聞こえているの!?」
          再度怒鳴った女の声に反応したようで、ようやく振り抜いたが、帽子のせいで表情うまく読み取れ無いでいる。
          「なんか言いなさいよ!
          ぶつかったんだから謝るくらい…」
          「おい、もういいだろ。
          なんでもいいから早く店へ向かおうぜ」
          怒鳴り通す女を止めに入って、相手へ軽く会釈をするとまだ言い足り無いという表情をする彼女の腕を引いて前へ進もうとする。
          「まだ謝ってもらってないんだけど!」
          「いいから行こうぜ…
          ちょっとあいつ不、気味だしあまり関わる事ないって」
          女を引っ張りながら耳近くに口をやり小声でそう言う。
          改めて相手を見てみると、たしかに人としてはあまりにも何も言わず、手を黒い上着に両方突っ込んでいるだけで俯いているせいか表情が見えない。
          いったい今何を考え、何を見ているのか。
          それが読み取れず少し後方え下がった。
          「…なにあいつ
          本当に不、気、味なんだけど…」
          あっけにとられて小さくつぶやきなんのリアクションも出さ無い男に何処か恐怖心が出ていた。
          「ほら、もういいだろ?
          早く行こうぜ」
          とっととこの場から離れたいらしくもう一度女の腕を引っ張り前へ進みだした。


          「きゃー、これもいい感じじゃない?
          ううん、これも最高!」
          目的の宝石屋さんに着くまでは先ほどのことをまだ引いていたらしくブツブツと文句を言っていたが、着いてからはすっかり変わり嬉しそうな声をあげて品物を見物する。
          「おい、もう少し静かに見れないのか。」
          女の少し後ろからその光景を眺め他人のふりを装うように横目で見ている。
          「これかわいいー、これなんか綺麗!」
          あまりの大声に店に中の人たちは一歩引いていた。
          そこへ上着の内から小さくバ、イブ音が聞こえてた様で一旦宝石から目を外しポケット内へ手を伸ばす。
          (至急こないだの場所へ)
          携帯を開きメールを見るとそう短い文で書かれているだけで送り先の部分は不明となっていた。
          「何これ…」
          意味がわからないと首を軽く傾げて意味を少し考えるが、途中めんどくさくなってポケットへ携帯を入れ再度宝石へ目を落とす。


          (至急こないだに場所へ)
          本屋に寄っていた男は急に来たメールを眺め脇に挟んだ本を一旦元の場所へ戻す。
          辺りを見渡して見るが特に変わった様子もなく皆それぞれ目的のもを探していた。
          届いたメールをもう一度見て見ると、意味を考え腕を組む。
          これだけの短い分で何を言いたいのかさっぱりわからず長く画面を見つめる。
          たった最近起こった殺人事件のことを思い出したのはその数分後のことだった。


      [284] Re[8]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/17(Sat) 22:00:36)


          静かな本屋で立ち尽くす男は携帯を眺めて考える。
          こないだ行った場所と言っても、最近男が言っている場所というと仕事場、自宅、こういったショッピングモールなどしかなくてどこを示しているのかがわからない。
          今朝見た殺人現場にでも池というのかという思考を巡らせたがどうも違ったようで男に中で否定する。
          一度携帯から目を外し、遠くを見つめてみるとどこかで見たことのある姿がそこみあり一瞬驚きそこお見入るとこの間案内してくれた人だということがわかった。
          なぜ子に場所にいるのを知っているのか疑問に思うが、今は関係ない可能性もあるとして一般の読書に来た人を装い様子を見ることにした。
          目の前に並べられている本を適当にとって開いてみると内容なんて入らず目を上下にしているだけの状態となっていた。
          その合間にスーツ男の様子を見てみると姿が消えていて顔を上げるとともみ肩を叩かれる。
          振り向くとちょうど隣にいていつこの場所へ移動して来たのか聞きたかったが、出口を指定されてはんば強引につれていかれた。


      [285] Re[9]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/18(Sun) 19:54:15)


          シンプルにできているこの部屋は円形の机といくつかの椅子が適当に並べられて、数人がその部屋に存在した。
          多分男と同じで強制的に連れてこられたんだろうと悟り見渡してみると不機嫌さを表に出している人もいた。
          見渡してみるとついこないだ何気なくやって来た場所へきていた。
          「ああ、こないだの場所ってここのことだったのか。」
          数人人がいるところでつい独り言が出てしまっていた。
          「それで?なんでまたここに俺は連れてこられたわけ?」
          腕を組み意味がわからないという表情を出し疑問を口に出した。
          「分からないです、私買い物へ出かけていたらスーツ着ていた人に連れてこられただけで…」
          「あまり周りにあたるような事しないでよね、知りたいのはあんただけじゃないんだから」
          ガムを噛むのが癖なのかいつもながら口を開けてガムを噛む男は周りより怒りを表に出している。
          偶然ん近くにいた大人しそうな女の人はその男からの問いかけに訳もわからず首を振るだけだった。
          皆が混乱するのもわからないでもなくいた。
          男もいきなりここへ連れてこられて訳もわからず周りを見渡していた。
          こないだ呼び出されたメンバーで皆何かをしていた途中なんだろう、すぐにでも戻りたいという雰囲気を出している。
          「集まりの皆さん、いきなり来てもらってすみません。」
          これもまたこないだ何かの説明をしてくれたスーツ姿の男だった。
          「お前がここに連れて来たんだろ、謝るならさっさと返せよ」
          怒鳴り声を上げて今にもガムが飛び出しそうな勢いだ。
          「至急、問題は起きたんです。
          あなたたちにもこれから関係することです。」
          ガムを噛み男をとりあえず落ち着かせようと真剣な顔を見せて丁寧に説明をする。
          「俺たちにもってどういう風に関係するんだよ」
          相変わらず起こった様子でスーツの男へ問いかける。
          「少し前、ここに集まってもらったメンバーを覚えていますか?」
          「たしか、私とあの金髪の男の人とポリシャツの…」
          「はい、特徴は全くその通りなんですが、名前を言っても構いませんか。
          でないと皆さん呼び会えないでしょうl
          「別に呼び合う必要なんてないだろう」
          「いいえ、昨日おきた事件をあなたたちもご存知でしょう、あの人もここのメンバーでありました」
          その言葉に反応してあたをもう一度見渡してみると、一人、足りないことに気づいた。
          「そ、そういえば前集まった時私たち五人でしたよね」
          「だから?わざと一人連れてこなかったんじゃねぇの?」
          「いいえ、存命の方はここにいる人たちのみです。
          一人、尊い命が失われました。」
          「だから何?偶然んだろ?」
          スーツ姿の男の話に興味ないように背もたれに寄っ掛かり少し揺れている。
          「谷崎さん、次はあなたかもしれないんですよ、凶悪犯はいつどこに出てくるかわからないんですからね」
          「五人といえば、あと一人、足りなくないですか?」
          髪の短い女の人は少しおどおどとした様子で会話に入っていく。
          「西村さんはいま、保護している状態です」
          「西村さんってあの香水の?」
          思い出したように言葉に出した一番最初が香水ということで皆イメージがそれに固まっているんだなっと実感する。
          「はい、彼女は現在、凶悪犯と接触してしまったようで安全体制に徹底してます。」
          凶悪犯ていうのは一体どういうひとなのか、頭を動かしてみるがまったく想像ができないでいた。


      [286] Re[10]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/19(Mon) 21:37:56)


          「とにかくまずが彼女の危機を助けましょう」
          一体一般人の人たちに何をすればいいのか、男はスーツ姿の男を見つめて考えている。
          「今彼女を助けるのにあなたたちが必要なんです」
          「一体俺たちに何を求めてるんだ。
          なんか特殊な力があるわけでもないしな…」
          両手を広げ見てみるが、特に何かが出てくるわけがなかった。
          「足しじゃに特殊な能力はありるわけではないです、でもあなた達が協力し合えば助かることができるんです。」
          「だからなにをするんだ、一般の俺たちにできることなんてないぞ」
          「私たちに凶悪犯に立ち向かえというにですか?」
          ほんとうにき凶悪なひとなのじゃ分からない状況で、昨日起こった事件に関わっているかすら知らない人物に立ち向かえと言われても困難極まりない。
          「西村さんを助けて、皆さんで協力をすれば犯人を捕まえれることができるんです。
          今回特別に選ばれたあなた達にしかできないんです」
          口調は至って冷静だが、どこか熱気を帯びた喋り方をしてる彼はこの状況を楽しんでいるのではないのかとすら思えている。
          「で、もし捕まえるとしてどうやって捕まえるんだよ」
          「それは、これさえあれば平気です。」
          そう言って取り出したものは五つのチ、ェッカーだった。
          しれぞれ色が違いあまりにも小さい物でとても使いずらそうだ。
          「なんだ、これ…」
          ガム男が一つ持ち上げて望遠鏡のようにのぞいてみる。
          「これは探知機と同じ機能を持っているものです。」
          「探知機…?」
          「はい、皆さんの情報と犯人の情報を持ち備えているものです。
          もし近く接近をすると音が鳴るようになっています。
          常に後ろのピンをつけて装備しといてください。」
          「鳴るとしたらどんな音なんだよ」
          「それは近づいてみればわかるでしょう」
          ガム男は自らピンをつけると、大人しそうな女性の方へ向けて歩いていく。
          すると低い音が徐々に鳴りはじめ、近づくとともに高い音になっている。
          「これじゃあ、凶悪犯と接触する時バレるだろ。」
          「大丈夫です、そういう時は特別警報が鳴るようになって、接触する前に早めに張るようにしていなす。」
          次々とピンをつけて互いに近づいていくと音がなり静かな部屋が少しうるさくなってしまった。
          男はチ、ェッカーを手に持ち眺めていると機能はこれだけなのか疑問を持った。
          「…で、これは知らせを教えるだけなのか?」
          「はい、まずはそんな感じで探し出してもらおうと思っています」
          「皆さん、これを大いに使って凶悪犯を見つけ、西村さんを助けてください。」
          「見つけた後はどうするんだよ」
          その言葉に答えを言わずに数分黙った状態になってしまった。


      [287] Re[11]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/20(Tue) 22:00:40)


          数分の沈黙から次に話したのは意外にもガム男だった。
          「なんかよく分からないけどいいぜ、俺協力しても」
          何を思ったのじゃいきなりこの状況を受け入れることにした。
          「わ、私は何か役に立てるか分からないから…」
          まだおどおどした様子で状況を受け入れられない様子だ。
          「きっとあなたたなら犯人お見つけ出して最後に捕まえることができると思います。
          だからどうかお願いします」
          先ほどまで黙っていたスーツ男は冷静にお願いおし、本当に切羽詰まっている状況なのか怪しく思えてくる。
          「まあ、一人ぐらいいなくても捕まえられるだろ
          この件は女には少し重荷かもしれないしな」
          ガム男はショート髪の女の人を見つめそう続けた。
          「いえ、今回あなた達全員で立ち向かわないといけないことです。
          一人でもかけてしまったら…」
          「一人でもかけてしまったらってもう話によると一人殺されたんだろ?」
          「…はい、残念なことにそういうことになります。
          でもまだ助かることができる人もいるんです、ここで協力してもらえればきっと成功できるでしょう」
          「もしこのまま協力しなければ?」
          「…残念ですが、これ以上は」
          いきなり暗い表情になったスーツ男の様子でどうなるか要因に想像ができる。
          「俺まだ死ぬのは冗談じゃねぇぞ!」
          「わ、私だってまだ18ですもん、そんなこと想像できないです。」
          「なんだ、あんたまだ10代なのか。
          その若さで巻き込まれて大変だと思うけど今回は協力することを進めるよ。
          危なくなったら俺たちでなんとかするからさ」
          「…」
          ガム男の言葉で少し決心がついたのか、少し表情が変わったように見えた。
          「どうしても協力しなければならないなら…分かりました、及ばずながら…」
          「皆さんありがとうございます、これできっと捕まえれることができるでしょう、皆さん互いに知るために少し自己紹介をしてください。」
          スーツ姿の男は一体どこの位置にいるのか、いまいち分からないまま話は進んでいく。
          「俺は鹿角(かつの)隆。年は26
          今回の事は手紙が来て知った。よろしくな」
          ガムも音を鳴らし部屋全体に聞こえる声で言う。
          「わ、私は秋野(あきの)美矢子さっき言った通り18歳
          高校生であまり役に立たないかもしれないですがよろしくお願いします。」
          性格のようで秋野はおどおどした声で自己紹介をする。
          「私は佐野裕子。
          年は秘密よ」
          四六時中黙っていた女性はようやく口を開いたと思ったらそっけない自己紹介をした。
          「俺は荻野(おぎの)勇気。年は21歳
          よろしく」
          短く済ます自己紹介はようやく終わった。
          「次に皆さんがご存知の通り西村亜紀さん。
          彼女は現在犯人の標的という事で特別のところで保護しています。
          そのうち彼女とも接触していただきまし。」
          そうスーツ姿の男は続け、一通り自己紹介は終わった。
          「それじゃあ皆さん、これから普通に生活をしていく中で犯人を見つけてください。
          それがあなた達に使命です。」
          短くそう言い放すと今回は解散というように閉まっていた扉が開く。
          皆まだ現実を受け止めてないようでその場に立ちスクしていた。


      [288] Re[12]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/21(Wed) 22:05:08)


          自己紹介が終わったところでいきなり名前で呼び合うのもどこか気まずさがあるようで皆無言となっていた。
          このまま帰っていいのかここに残るべきなのか迷った挙句ガム男…いや鹿角が先の動き出した。
          「じゃあ、今日はもう解散のようだから俺は帰るぜ」
          そう言い残しこの場を去っていく。
          重要な報告をされた後のことなのに何事もなかったみたいに去っていく彼に呆然と凄いと思っていた。
          「じゃ、じゃあ私も…」
          そう言い秋野も扉へ向かっていく。
          「西村…さん?
          今大変だって言っていたけど本当なのかしら?」
          唐突にそう言いだした佐野は腕を組んで何かを考えている。
          「と言うと?」
          「そんなに切羽詰まっているのに普通の生活を送りながら犯人を捜すって悠長にもほどがあるわ」
          確かに、彼女のいう事は一理ある。
          もし切羽詰まっているのならば今すぐにでも彼女を助けにいくべきなのではないのか、しかし、スーツ姿の男はこうも言っていた。
          (彼女は今あるところに保護している。)だから今は安全なところにいるんじゃないかと想像する。
          「私たちに本気を出させるために西村という女を名出しをしてほんとうはなんよもなかったじゃあ話にならないわ。」
          「今は安全なところにいると言っていたけれど」
          「今はまだ安全かもしれないけどいつ犯人の前に出すか分からないじゃない」
          「しかし彼女は保護してるってことはもう安全だってことじゃあ」
          「そうだとしても…」
          言いかけて止めた言葉は気になるが、彼女は話す気がないようだ。
          「全員で協力しないといけないって言っていたけど私はパスするわ。
          悪いけど私以外の人と協力して」
          そういい終わり立ち去る彼女はドアへ消えていった。
          なぜこんな状況になってしまったのか、いまいち理解に苦しむがやると言った手前引きことができないだろうと
          心で思っていた。


      [289] Re[13]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/24(Sat) 20:19:12)


          荻野は不思議に思っていた。
          今回呼び出されたことや、選ばれたことは全部夢ではないかと思っていた。
          西村という女が今犯人に狙われているというのもどこかでっち上げで嘘なのではないかという気持ちさえ出て来た。
          集められた後すぐ用件だけ言うだけですぐに解散となった。
          もし本当に切羽詰まっているにならば今すぐにでも犯人を探し出して西村を助ければいいのではないかと考えるが、何か訳があって今は探す必要がないのかなどという思いまで出てきた。
          その時、胸元につけて外し忘れていたチ、ェッカーが強烈に反応し始め、少し身構えて見たけれど、それは建物の入り口に立っている髪を短くした少女がいた。
          「あれ、どうした?」
          何気なく聞いてみると彼女は振り向き不安そうな顔を向けて呟いてくる。
          「わ、私、こんな役目できないです」
          「役目?」
          「西村さんっていう人を探して助けるなんて…
          相手は凶悪犯なんですよ!」
          「…たしかに考えただけでも怖いね。
          何をしてくるか分からないし…でも今は俺たちの助けが必要なら…」
          「なんか格好つけてます?
          普通の人なら助ける方向じゃなくて下りるっていいますよ。」
          「いや、おれはただできることを…」
          「それが格好つけているのか聞いていることになるんです。
          先程鹿角さんにどうすればいいか聞いて見たら…」
          「なんて言ったんだ?」
          そのことを詳しく聞こうと即座に聞き返してみると、深く俯いてしまって表情が読み取れないぐらい落ち込んでいるように見える。
          「…あんなの関係ない、俺は下りるて」
          初めから上手くいくことなんてすべてないとは思っていたが、スーツ姿の男を騙してまで早く帰りたのかと少しため息をついた。
          「落ち着いて聞いてくれ、鹿角は確かに下りるって言ったかもしれないけど、君は…」
          「秋野です」
          「秋野さんはまだそう決心してないだろ。
          だから一緒に凶悪犯を探そう。
          そうしないといつまで経っても平和に過ごせないんだ」
          「あなたはあの話信じているんですか?」
          「…
          いや、正直いうと信じてない。
          だけどもし俺たちが捕まえて何事もなく過ごせれるようになるんだったらその方がいい。」
          「でもあのスーツ姿の人に言うこと信じられますか?」
          「でも、俺たちの中で一人は死んでしまっただろ。
          そのことは事実だ。これ以上犠牲が出ないうちに見つけ出そう。」
          「…」
          再び俯いてしまった秋野は今何を考えているのか、荻野にとっては長い沈黙時間となってしまった。


      [290] Re[14]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/28(Wed) 19:59:40)


          「…やりますって言うから、どっちにしろやらないといけ無い気がします。」
          長い沈黙からようやく出た言葉は前向きの言葉が出ていた。
          「と言うことは一緒に追いかけてくれるかい」
          頷いたそのそぶりを見て萩野は安心をした。
          「でも、私以外の人たちとも協力しんうぃといけないって…」
          「そこはなんとかするよ、君はとりあえず捕まえることだけを考えて。
          でも無理はしないように、もしかしたら殺されるかもしれない。」
          「分かりました」
          そういう時萩野は歩き始めた。
          その後を追うように秋野もあるきだした。

          「たく、やってられねぇぜ」
          ガムの鳴らしながら腕を頭に回し歩着続けている。
          「いったい何故俺が凶悪犯を探さないといないんだ。
          別に俺は悪いことしたわけじゃ無い」
          グジグジと文句を漏らす鹿角はガムを余計に鳴らす。



      [291] Re[15]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/03/10(Sat) 20:42:21)


          人の波に飲まれながら街道を進む鹿角は放浪する。
          「…探すとなったら誰もかれもが凶悪犯に見えてしまうんじゃねぇか…
          そんな状況俺耐えれねぇよ!」
          ぶつくさ言ういながらももし自分があてもなく探す側になることを考えているようだ。
          別に悪いことをした当てを思い浮かべられない彼にとって今回の選ばれた人として信憑性があまりにも薄かった。
          「だいたい凶悪犯に追われるなんて何の映画だよ。
          なにかのサスペンスかよ、笑ってしまう」
          独り言を呟くその姿が奇妙なのか歩行者はすれ違い様に鹿角を眺め去っていく。

          「ちょっと!
          いいかげん、ここを出しなさいよ!!」
          怒号をあげてドアを叩きつける音を鳴らし収まる様子はない。
          「本当に警察に言うわよ!
          出さしなさいよ」
          いつまでたってもある部屋から出されないことに怒り、声を張り上げる。
          「なぜあたしが閉じ込められないといけないのよ!」
          今の状況を飲み込めないとドアを蹴り続けた。
          今の状況になる数時間前、変な格好をした人物とぶつかってしまいどんな顔かを見ようとした瞬間、背中を叩かれ振り向くとそこに背広を着た人物が立っていた。
          「今すぐこちらへ!」
          そう足され意味も分からず立ち尽くしているといきなり引っ張られ、一緒に走る状況になっていた。
          あれよあれよと意味がわからないまま今の状況になっていた。
          「あたしが一体何したって言うのよ!」
          説明もなしにいまの部屋に入れられてドアに誰かいるのか分からないまま蹴り続けていた。
          「誰か何か言いなさいよ!」
          怒号をあげて数時間、飽きることなく張り続ける声に誰か聞こえたように近寄ってきていた。


      [292] Re[16]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/03/25(Sun) 17:23:14)


          足音が奥から聞こえてくる、ゆっくりと静かに。
          しかしなが西村がいる場所も物音を立てさえしなければものすごく静かだった。
          ゆえに動かずじっと耳をすませていると靴音が聞こえ誰かが来ていることは安易に分かる。
          「ちょっと、誰よ!
          ここに連れて来たものなら許さないわよ!」
          誰かが来たと分かると途端にまた怒号をあげて相手を確認する。
          しかし返事がなくただ靴音だけが聞こえる状況でどこか不気味にさえも思えてしまう。
          「ちょっと、誰かいるんでしょう!!
          早くあたしをここからだしなさいよ」
          不気味さをかき消そうとしているようで相手に怒鳴る。
          しかし何も返事がなくついには壁一枚隔ててる状態となってしまった。
          これで相手がもし曲がってくれば姿が見えるというところまできていた…


          萩野は考えていた。
          あのスーツ姿の人の話を信じるか信じないかを決めかねている。
          「先程から考えているようですがどうしたんですか?」
          呼ばれたビルでサヨナラしたはずの女性が目の前に立って凝視しているのが見えた。
          「えっ、秋…野さん…?」
          「はい?」
          驚いた萩野はつい彼女の名前を呼んでしまったが、呼ばれた相手も驚いた顔をしている。
          「いや、なぜ俺の前にいるの?」
          「それはえーと…」
          理由を言うのはどこかバツが悪いのか目を左右に動かし何かを考えている。
          そんな彼女を見てついてくるのに理由はないのだと察した。
          「…それで?
          どうする?」
          いきなりの質問に悩んでる顔が一気に疑問ある顔になる。
          「どうするとは?」
          「今日呼ばれただろ、信じる?それとも信じない?」
          「ああ、そのことですか。私もさっきからずっと悩んでいて。
          それで街を適当に歩いていたら萩野さんを見つけたんです」
          「ああ、これで?」
          胸につけたバッチに指を向けてみせる。
          「あ、いいえ。確かにこれは皆さんの情報が入っているって聞いてましたが今回は鳴りませんでした。」
          「おっかしいな、集まったあの会議室らしいとこでは皆で鳴っていたのにね」
          「そんなになり続けてたらうるさくて目立つから有用な時以外は鳴らないんじゃないですか?」
          「そっか、どう言う仕組みなんだろうね」
          「でも萩野さん、あなたあの人の花実は信じているのでしょう?」
          「え、なぜ?」
          「もし、もし信じてなければこれをつけないと思ったからです。」
          そう言い萩野と同じく胸元を指差す。
          軽く笑った後頭をかきながら(実は…)と続けた。


      [294] Re[17]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/04/23(Mon) 20:56:17)


          「まあ、信じるも信じなくてもそれは自分次第ってことにしているからね。
          信じなかったらこの先、何が起こるかわからない。
          何か嫌なことでも起こってしまったら取り返しがつかなくなるだろう。」
          「でも…」
          「うん、分かってる。どっちでも同じかもしれない、けれど凶悪犯がもし本当に俺たちを追っているのならばほっとくわけにいかない。
          これを解決できるのが俺たちだけならね。」
          「でも、普通の人に混じって凶悪犯の人も生活してるんですよ、どうやってみつければ…」
          「今は…皆協力してくれることをお願いするのが先かもしれない。」
          「…してくれるでしょうか…それに西村さんって人は今どこかに捕まっている可能性あるって言ってませんでした?」
          「不安なのはわかり、でも俺たちができることをできるだけやってみようとは思う」
          話の合間に人の波から悲鳴声が上がった。
          「…いまのは!?」
          「え、一体何…?」
          悲鳴が上がった方へ目を向けるが混乱しているらしく秩序に乗った人波がバラけている。
          一体どこから上がったのかわからないが、一度人の波に沿ってその場所へ向かうことにした。
          「ちょっと待ってくださいよ、荻野さん行くのですか?」
          「いかないと何が怒ったかわからないだろ!」
          「だけど、何か胸騒ぎが…」
          秋のがそう言いうつむいた瞬間、波を逆行するように走り始める。
          「ちょ、ちょっと!」
          後ろから聞こえる声も今は荻野には入らず、前へ突き進んでいった。
          「じゃかわしいがオラー」
          ようやく人だかりをぬけて見てみると、興奮した男が女性を人質に短刀ナイフを向けていた。
          「だ、誰か助けて、あたし…」
          興奮した男と同じで女性も興奮しているみたいで涙目になりながら叫ぼうとしたが一層ナイフが首にあたり言葉を飲んでいた。
          「ちょ、ちょっと落ち着きましょう。」
          荻野は一コマ置いて落ち着かせようとそう声をかけるが全く聞く耳を持たずしている。」
          「じゃかわしい!俺がな和えこんなことしているのかは社会が悪いんだ!l
          その言葉でなにか男の身に起こったんだと察する。
          それでも人質になった女性を助けようと説得を試みるが、やっぱり聞く耳を持とうとはしていなかった。
          どこかの場所で携帯を持ち誰かに電話をしている様子が荻野の目に映る。
          きっと警察に電話をしてくれているんだと自分に目を向けてもらおうと男をみるが今にも喉を切りばかりの勢いで喉にナイフを差し込んでいる。


      [295] Re[18]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/05/08(Tue) 22:08:31)


          「とりあえず、落ち着いて。
          落ち着けばまた道は…」
          「道が拓ける!とか寝ぼけたこと言っうのか!?
          そんな馬鹿らしい話なんて誰が聞く!!」
          興奮しきっているようでどの言葉をかけてもバッサリと切られる。
          「ど、どうすれば…」
          焦った挙句男を見てみればもう喉元に食い込んでいるのではないかというほど深くいっている。
          「っつ痛…」
          顔を歪ませて痛がる女性を見るともう時間がないというのが分かった。
          早く警察が来ないか慌てて見渡すがまだ来ている様子もない。
          困ってしまった挙句こう言ってしまっていた。
          「お、俺なら囮になるから、その女性を話せ!」
          萩野は思わず叫んでいた。
          「お前が囮〜?
          役不足だ!俺はこいつ…」
          一瞬萩野の隣に目をやると不気味な表情を見せた。
          そこにいる女!お前ならいいだろ…」
          男の剣幕に怯えていた秋野は指名されて肩がビクッとなった…


      [297] Re[19]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/06/27(Wed) 17:01:03)


          「そこにいる女!お前ならいいだろう…」
          指さされた秋野は小さく縮みこみ震える。
          「まて、別に女じゃなくてもいいだろ…俺ならどんな要求だって」
          「うるさい!綺麗事だけ抜かしているお前に何ができる!?
          俺はその女以外交換は認めない。」
          ニタリと笑うその顔がなんとも言えないおぞましいものみ見えてしまい荻野はなんとか自分に向かないか対策を練るがいい案が見つからない。
          「おいおい、いつまで待たせるつもりなんだ?さっさと決断しないとこの女をやってしまうぞ!?」
          すごい気迫でそういうと十分めり込んだナイフをまた力を持って強く押す。
          もう人質となった女性は悲鳴をあげることみできず痛みに顔を歪めさせていた。
          「それで、どうするんだ。
          その女か…それとも俺の要求か…早く選べ!俺は気が短いんだ!!」
          「…その要求っていうのはなんだ!?」
          「俺を働かずに金持ちにしろ。
          ありとあらゆるところじゃら金をみってこい!!」
          自分に酔っているのか両手を一瞬あげ、注を見上げる。
          今の一瞬、逃げるスキができるが、女性は怯えてそのことに気づかず、その場でガタガタと全身を震わせていた。
          「今だ、こっちへ…」
          手を女性の方へ向けて差し出すが、萩野と同時にまたナイフを女性の喉元へかざす。
          「おおっと危ない。大事な囮を逃がすものか。」
          相変わらず笑っているが、しゃがれた声は本気を示していた。
          こんな状況でも人々は今の状況を残していたいのか、あちらこちらからシャッター音が聞こえてくる。
          その音にも苛立っているらしく怒鳴り声は続く。
          どうすればいいのかわからずその場で立ち竦むしかない萩野はグッと手のひらに力を入れて握り込む。
          「大変ー、女性がなんか変な男に捕まって意味不明なこと言ってるのぉー」
          「偶然、大通りを通っていたら悲鳴が上がって喉まで食い込んで荒地が出てるよー」
          それぞれ思うことはあるだろうが、しれを写真に残しそんなコメントを付け加えてインターネットへアップする。
          チロンチロン…
          萩野の携帯に何かの通知音が聞こえる。
          なるべく早く打開策はないか考えていた彼に何かのアドバイスかとなんの根拠もなく携帯を見ると、今の状況が写真に添付されて送られてきただけだった。
          (萩野、大変だぞ!!今〇〇大通りで女性が人質になっているらしい)
          そのコメントに苦笑いをし、その状況を今目の前で見ていると言いたいぐらいだったが、それを許してはくれなかった。
          「おい、そこの綺麗事言う男!!
          何携帯をいじっているんだ!?
          まさじゃ警察に連絡しているんじゃないだろうな!?」
          「こんなこともうやめましょう、世間一体にもう知らされてますよ。
          しじゃも、本名までもが晒される状態になっているかもしれないですよ!?」
          「もう俺は後戻りできないんだ!!晒されようが、何されようが要求は飲んでもらう!!」
          「そこの君!!もうこんなことはやめろ。私は警察だ!直ちにやめないと…」
          「誰だ!?警察を呼んだのは!?」
          「そのナイフを下ろせ!!」
          「うるさい!俺は社会に訴えてるんだ!」
          その訴えがお金欲しさの要求なのか…もう少しまたもな訴えはないのか考えてみるが、まともに訴える人が女性を人質にするわけないかと考えた。
          「いいから下ろせ」
          「うるさい!」
          先程から警察と男も言い合いが続き、終わりが見えないでいた。
          そんな時、胸元からあの音がなり驚いて辺りを見渡す。
          どうやら秋野も気になるようで見渡している。
          人質の件も気になるが、ここが警察に任せればいいだとうとバッチが鳴った理由を探すことにした。


      [298] Re[20]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/07/18(Wed) 22:21:31)


          大勢の人を掻き分け、同じバッチを付けている人物を探す。
          しかしこの騒ぎで人という人が集まっているからかなかなか見つけ出せない。
          人がいればいる分だけ辺りを見渡さなければならないことにうんざりという気持ちが湧いてきた。
          隣をかけている秋野も疲れてきた様子で辺りを見渡す。
          このままではキリがないととりあえず秋野を先に家へ送ろうと彼女の方を見やった。
          「…とりあえずここは警察に任せて帰ろうか」
          「荻野さん。
          気になったんでしょう、あなたも」
          「え?」
          「さっきバッチがなった理由」
          「いや、それはそうだけど…」
          「だったら探しましょうよ、きっといるはずだから」
          そういう彼女は率先して人に間に入って行く。
          「ちょっと待って」
          慌ててあとお追う萩野は先程人質犯にあれ程怯えていた人物なのか疑問に思うほど積極的だ。
          「今日は疲れているだろう、なにも今日見つける必要は無い。
          きっと会議室に集められたあの中の誰かだろう」
          必死に止めるように説得をしようとしたが、彼女の気持ちは変わらないらしい。
          あまりの急ぎ足だったせいで彼女を見失いそうになり慌てて人を掻き分ける。
          ようやく人に群れから出られたと思ったが、秋野は落胆した様子でその場に立っていた。
          「どうした?」
          「…見つけれなかった」
          「あんだけ人がいれば当然だろう」
          「…」
          余程見つけれなかったことが悔しかったのか唇の端を噛みしめている。
          「そんな顔するな、また普通に街を歩いていたらなることもあるだろう、その時探そう」
          萩野の言葉に納得がいかないようでその場に立ち尽くしたく動かないが強制的にその場から離れさせた。
          「家はどこ?
          もしかしたらまた何か起こるかもしれない。
          だから送るよ」
          「…大丈夫です。
          何かあっても私合気道習ってるので」
          「合気道?
          それはすごいな、でもどうして?」
          「今のご時世。何か習ってないと危ないって言われたからとりあえず友達が行ってる合気道にしたの」
          「そっか、でもこんな夕暮れに心配だな…」
          空を見上げ少しずつ暗くなって行く空を見上げそう呟いた。
          「私、今日にことまだ信じられないですが、もし凶悪犯に狙われているのなら、あの人たちに協力をして先に見つけ出します。
          じゃないと後で後悔するかもしれない」
          まっすぐ目を向けて話す彼女に強い意志を感じ頷く。
          「そうだな、いつまでも考えていてもラチがあかない。
          だから3人でも探しだして罰そう」
          二人で大きく頷き、手を振り去って行く彼女の後ろ姿を見送った。


      [299] Re[21]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/07/31(Tue) 22:01:45)


          アパートにつき一息つく。
          「やれやれ…」
          そう一言を言うと一気に疲れがやってきてベットへ寝っ転がる。
          着替えやお風呂のことを考えてみるが、疲れの方が圧倒的に勝ってしまい、目をつぶりそのまま意識を手放す。

          「ちょ、ちょっと。
          なんだよお前。」
          やたらガムの音がなりうるさくおもうのは、周りが静かだからだろうか。
          鹿角の声も同時に響く。
          無言で向かい合うその男は、黒いコートを着ていくつもの菌の指輪をつけていた。
          「お、俺に何か用か?
          なにもないならそこ通してくれ」
          どうやら繁華街にでようとしたところ、黒コートの男と出くわした。
          「…」
          一切何も言わない男に、不気味に思いながらも更に続ける。
          「そこどいてくれねえと、俺行けないんだけどなー」
          めんどくさそうに耳の中をほじり、ちらっと男を見るが動く気配がなかった。
          「仕方ねーな…」
          そう言うと瞬時に膝を投げて相手を蹴る状態に持っていく。しかし、男の動きが早く、一瞬にして姿が消えたと思うと、塀の方言上がってる。
          「そんなところに逃げるんだったら、潔く退ければよかったんだよ…」
          っちと舌打ちをしたあと繁華街へ向けて歩みを進める。
          すると後ろから強烈な痛みが襲ってくる。
          「っ!?」
          訳がわからないと振り向き背後の様子を見ると男が金属バットを振り上げていた。
          「お、おま…」
          そのあと、手のひらを思いっきり硬くして殴りかかってき、方に強烈な痛みを伴った。
          もう言葉が出ない男は、そのまま殴られる形になり気がすむまで殴られたのかボロボロとなってしまった。
          戦う意欲を損失し、そのまま力尽きてしなった。


      [302] Re[22]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/12/10(Mon) 16:59:45)


          朝、日差しが差して眩しさで目を覚ます。
          すぐ隣にある棚に置いてある携帯をで時間を確認すると、不在着信げ何件か入っている。
          めったに電話がかかってこないから不思議に思いながらも着信歴を見てみると、スーツ姿のあの男の名字が並んでいる。
          ワンタッチボタンを押すと、すぐに呼び出し音に変わる。
          「もしもし!!」
          「あ、なんだか電話もらったようで…」
          悠長に電話に答えるてと、切羽詰まったような声が返ってくる。
          「鹿角さんのバッチの様子がおかしいかったから連絡をいれているんですが、繋がらなくて」
          「もしかしたら今は切っているのでは?」
          「24時間起動で、切る機能はありません」
          そんなやりとりをしながらテーブルに置いてあるテレビのリモコンのスイッチを入れる。
          「今日の未明、鹿角(かつの)隆さんが何者かによって暴行を受け、現在近くの病院に搬送されています」
          たまたまつけたテレビには、ニュースが流れていて聞きなれた名前が呼ばれている。
          「こ、これって…」
          「はい、たぶん我々が追っている犯人が先に見つけて、奇襲して来たのだと思います。
          現在意識不明ということで事情は聞けないようですが、鹿角さんにも警備を付けようと思います。」
          「こうなる前に警備をつけるのはできないんですか!?
          僕たちも狙われていて、下手したら殺されるのでしょう?」
          「残念ながら、それはできません。
          頼りは、胸についたバッチで情報のやりとりのみです」
          一体人の命をなんだと思っているんだと、電話を聞きながら荻野は怒りを覚えた。


      [303] Re[23]: 【無題】

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/12/27(Thu) 12:05:28)


          「とにかく、近辺を注意して生活してください」
          その後の男の声はほとんど聞いてはいなかった。
          あのちゃら倉ん外見だが、腕力がありそうな鹿角でさえ勝てなかった相手だ、もし襲われたらひとたまりもないだろうと想像するだけで恐ろしくなっていく。
          その恐ろしさに立ち向かわないといけないというのは、火の海や針山に何も持たずに行けっと言っているものだと萩野は思った。
          電話の向こうでまだ通話が続いているが、手立てのない今、どうすることもなくただやられてろって言っているようで一気に電話を切りたい衝動に駆られる。
          その時、バッチから知らせのような音が鳴る。
          しかし出る気にもなくただ携帯を耳につけた状態になった萩野にバッチから出た一言が信じられないものとなった。
          「みなさん、聞こえてますか?勇気を出してバッチを鳴らしてみました…
          鹿角さんが暴行受けたようで…
          …その犯人らしき人物を見つけたかもしれません。」
          その声は、慎重かつ冷静で、小声で話しているというのによく聞こえる。
          「私、追跡せてみます!!」
          「ちょっっつ…」
          追跡という言葉にすぐに反応をし、バッチを取り声を近くに話そうとしたが伝えるだけ伝え切れてしまった。
          「今の知らせ、もしかして秋野さん!?
          彼女一人で追跡しようと?」
          「そうみたいです。ここは危険なので止めるように今知らせるつもりです!」
          バッチを口に当て、通信のた目後ろに付いた赤い突起を押そうとした時、止められた。
          「少し待ってください!!
          …このまま…彼女に尾行してもらいましょう」
          信じられない言葉に一瞬時が止まる。
          「っは!?何を言ってるんですか!?
          もしかしたら彼女が殺されるかも知れないんですよ…
          そうでなくても鹿角さんのように…」
          「大丈夫です、バッチには居場所を知らせるようにできていますから。
          ずっと彼女を見張っています。」
          「そんな悠長なこと言っている場合じゃ…」
          「とにかく、何かあったらすぐに知らせますので。あっ、どうか鹿角さんのお見舞い私の代わりにお願いします」
          それをいうとすぐに切れてしまった。
          いくら追跡きのうがあったとしても、彼女に何か起こってしまったら後悔が起こるに違いない。
          ジャケットを手に持つとすぐに家を出てどこへ行く当てもなく歩き出す。
          いや、秋野を探すために互いにつながっているバッチだけが頼りだ。



    [214] また、会える

    記事引用返信

      ・投稿者/ 岸間 -(2014/05/20(Tue) 00:24:29)

        いつかまた、会えると信じて今はさよなら。

        薄暗い空は雨雲が重なり合いこの約束を隠そうとしている気がした。
        でも、目の前に立っている君は涙を浮かべなからも笑顔を見せていた。
        「この空みたいだね。」
        「え?」
        不思議な表情になる君を前に私は向きを変えて歩き出す。
        「また、絶対に会えるよね!」
        大声で叫んだ声を後ろに受けて片手をきつく握りしめ歩き続けた。



        突発な物で、すぐに題名通り消すと思います。
        そして二度も記事を作ってすみません。


      [215] Re[1]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/05/20(Tue) 00:25:33)


          リビングにセットされたソファーに何ほ考えずにぼーっした少女が点けっぱなしになったテレビを前に座っている。
          最近やたらと思いだすこと、もう十数年前だろうか、幼いころに小さな約束をしていた。
          幼稚園が同じという事でよく遊んでいたその子は小学校に上がると共に遠くへ引っ越してしまった。
          遠くと言う事で始めは親に決められた数分、電話で楽しく話していたが小学校が楽しくなってしまったことから連絡を取り合うことはなくなった。
          それからだいぶ経った今、なぜその子のことを思い出しているのだろうとソファーに寄りかかり考える。
          また会えるという約束はしたが、引っ越した先はだいぶ遠くでそう簡単には行ける場所ではなかったはずだ。
          会いたいとも思ってはいなくただ、そんな子がいたことを思い出しただけの存在だ。
          そんな考え事をしてると軽い音を立ててお母さんがいくつか買い物袋を提げて入ってくる。
          「まーた、そんなに近くでテレビを見ていると本当に目が悪くなるよ」
          テレビを見ている姿を見るなりすぐにこごとを言ってくるお母さんは一種の才能なんじゃないかと考えていると机に買い物袋を置いてソファーの近くに置いたテーブルへ近づく。
          「ほら、理絵もう少し後ろに行く!」
          強くそう言われ面倒くさそうに移動すると納得した様にテレビを見始めた。
          テーブルの上に食べ残ったポテチに手をやると口にいれながらもテレビを眺める。
          そんなお母さんを気にせず考え事は続いた。
          「あーら、世の中物騒ねー。
          ほら、また通り魔にあったって報道されてる」
          一人次々ポテチを口に運びながら呟くように話す。
          「まったく、気をつけなきゃ。
          この家の結構近くだから」
          などと話しながら手は休むことなく動いた。
          考え事をしていた理恵は無造作に入ってくる声にイラつき体の向きを変えるが、まだ呟くお母さんを邪魔だといつも食事をしているテーブルの方へ移ることにした。
          椅子に座ると肘を付き偶然目に映った食器棚をまたぼーっと眺めていた。
          「理恵、悪いんだけど机の上に置いてあるスーパーの袋を冷蔵庫にいれといてくれないかな?」
          移動したことにここぞっとばかり買ってきた野菜を閉まってくれと声が飛んでくる。
          お母さんが帰ってきてから何かと言いつけらて考え事ができずに更に苛立ちは募っていく。
          「ね、お母さん。
          帰ってきたらすぐに冷蔵庫に入れればこんな面倒なこと私はしないですんだよね」
          「いいじゃん、それぐらいしてくれたって。
          私は買い物でくったくたなんだから」
          有無も言わせないその声にきちんと取り扱ってくれないと強くレジ袋を掴むと冷蔵庫へ向かい袋のまま乱暴にいれる。
          小さく吐いたため息とともに蓋を足蹴りで閉めると自室へいくことに決めた。
          台所の入口に立ちお母さんの様子を見てみると別に気にしないかの様にテレビを見つめ、いつの間にか食べ終わったポテチの袋を避けると、うつ伏せになるよう腕を組み顔だけを前にあげている。
          なんだかんだ理恵に小言を言う割にはお母さんもテレビから近いんじゃないかと思うがなにも言わずに自室に帰ろうとした。
          「ね、理恵。
          享君のこと覚えてる?」
          唐突にそう聞かれ振り返るが、まだテレビを見めている。
          「享くん?
          ああー、確か引っ越した…」
          「そう、その享君。
          苗字は確か川上…だったかな」
          「なんで突然そんな事聞くの?」
          「んー、なんでかな。
          あなた達凄く仲が良かったでしょ?
          なのに急に引っ越しちゃったからさ」
          ずいぶん前のことを急に聞かれてその訳を聞こうとお母さんに向かう。
          「それで、仲が良かったから?」
          「仲が良かっただけだね。
          うん、でもあなた享君が引っ越してから小学校入学までずいぶん寂しそうにしてたのよ」
          「あれ、そうだっけ?」
          「薄情な子ね、覚えてないの?
          凄く寂しそうにしてたんだから」
          「へー」
          あまり幼かったころのことは記憶にない。
          何も考えずにただ遊んで一日を過ごしていたということで深く思いだせる部分はないにも等しい。
          素っ気ない返事を返して最近思いだすその相手は享という子かと納得できると考える必要はないとあっさり止めた。
          「ほら、小学校に上がった後も何度か電話しあったりしてたじゃない」
          「そういえば…そうだったかな」
          電話をするっと言う事は大人な感じがしてあの頃は胸を弾ませながらかけたことは覚えていた。
          「また話そうねーっ毎回切る時に言って名残惜しそうにしてたのになー・・・
          あの頃の理恵は可愛かった」
          今は可愛く思えてないのかと少し疑問に思えたが、逆に(可愛い)と言われる年ではもうないかと考え直す。
          「で、話しの用点が見つからないんだけど」
          早く部屋へ戻りたい気持から素っ気なく聞く。
          「いや、だから覚えているかどうか聞きたかっただけだよ」
          そう短く答えるとまたテレビに熱中し始める。
          一応覚えてたことが分かるとも用はないという雰囲気がてていた。
          「ああ、そうですか。
          覚えてましたよ〜」
          軽く一言言い残すと廊下へ出て自室に向かう。
          そっか、享君っ言ったんだ。
          今更ながら思いだし部屋に入っていく。

          部屋に着くと押入れを開き昔の物を詰めて閉まってある段ボールを取り出し中を漁る。
          下の方は奇麗に整頓されてあったが、上の物は適当に置いて閉まったみたいでぐちゃぐちゃとしていた。
          それを取り出し目的のアルバムを出すと少し上にかぶせてあるビニールがよれているのを気にして丁寧に開くと一番初めのページには赤ちゃんの写真が貼られている。
          ビニール越しにその写真を触ってみると口元に小さなほくろが写ってあることを見ると理恵の赤ちゃん時代なんだ理解した。
          数ページ飛ばして見るとそこには明るい笑顔で写っている幼稚園の頃の写真が貼られてある。
          二ページいっぱいに貼られた幼い自身を眺め少し照れたりもしながら一緒に映った少年の姿が数枚そこに貼られていた。
          どれも写真の下に取った日にちと名前が書かれ、少年の姿を眺めると彼がお母さんの言った“享”君なのだと確認できた。
          少年と一緒に写った写真の下には(○○公園でりえ、とおるくん)
          と書かれてある。
          薄らと思いだせないでいた彼の顔と名前をお母さんと写真によって思いだされた。
          と同時に引っ越しで別れる時の頑張って笑ってたその表情も思う出してアルバムを持つ手は強く力が入った。


      [216] Re[2]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/05/20(Tue) 01:33:32)


          しばらく写真を眺めているといつの間にか日は落ちていて辺りが見にくくなっている。
          しかし強く手に持ったアルバムの写真はどれも見える様な気がして眺め続けていた。
          時折膝に置いて写真を軽く触ってみるとビニールが小さな隙間を作り二人の笑顔が見えにくくなった。
          「そっか、君が享君だったんだね」
          繰り返し呟くその言葉と同時に笑顔を見せて眺めるが別れ際の自分の手を強く握った気持ちが返ってきた。
          いつも一緒に居た(とおる)君が遠くに行くことで離ればなれになる寂しさを出さないようひたすら反対を向いて歩いていた。
          一緒に見送りに来ていたお母さんは車が走り出したと共に少し遅れて理恵に追いつくと何も言わずに一緒に歩いて家まで帰ったことも思いだした。
          普段話し好きなお母さんが一言も話さずに一緒に歩いたことはあの時が始めで最後だったように思いながらも写真を眺めた。
          「あの頃から私、強がりだったんだな…」
          独り言をぽつりと呟きアルバムをようやく次に捲ると当分どれも表情のない写真ばかりが貼られてある。
          隣では笑顔のお母さんやお父さんが写っているが、理恵だけは重く寂しそうな写真ばかりでごでは思い出どころじゃないんじゃないかと自身で突っ込んでみるもそれだけ寂しいものだったのだと眺めながら感じ取れる。
          そんなページを更に捲ると次に小学校入学の写真が目に写り桜と大きな看板に「入学式」と書かれその周りを囲むように写真は写してある。
          真新しい制服に大きめのランドセルを背負って本来なら喜ばしい光景だか理恵だけは相変わらず浮かない顔で写り二枚目からはお母さんたちが気い使ったのか理恵と同じぐらいの高さに屈み人差し指をお母さんのほっぺに就ける様に写していた。
          理恵にも同じように進めているが本人はまるっきり気が乗らない表情で中途半端な位置に人差し指だけが空を向いている。
          その写真を眺め、少し苦笑いしながらも次へ捲ろうとすると下から呼ぶ声が聞こえてとりあえずアルバムを置くと部屋を出て一階を目指す。

          「少しテレビを見すぎちゃった」
          相変わらず明るいお母さんはいつ作り始める時間より少しずれて始めた。
          「お母さんだってテレビに近くない?」
          そんなお母さんを横目にさっき言われた言葉を返して見る。
          「そうかな、理恵よりは遠く離れてるとおもうけど。
          なにせ私は健康に気を使っているから」
          確かに理恵よりはテレビと距離を開けて見ていたが、そんなに違いが出るほどまでとは見ていて思えない。
          しかし、お母さんがいつも自信たっぷりに言う「健康に気を使っているから」は少し納得できる部分がある。
          「今日の夕飯何?」
          「今日はスパゲッティだよ」
          「そっか、やったー」
          などと会話をしながらも支度を始めている。
          棚の高い所から麺を取り出そうとするもお母さんの身長だと少し足りずに理恵が手を伸ばして代わりにとる。
          「あー、ありがと。
          じゃあ、お湯が沸いたら入れといてね」
          軽く了解と合図をするとソース作りに取り掛かろうとしていた。
          少しずつお湯が沸騰していくのを眺めながらも隣でソース作りをしているお母さんを横目で見る。
          真剣な表情で素早く手作業を眺めるとやっぱり長年で付いたプロ業だなと少し大げさかもしれないがそう思う。
          「ね、お母さん」
          「ん、何?」
          手を止めづに声だけが返ってくる。
          「さっき押入れからアルバム出して見たんだけど…お母さん昔からおちゃめだね」
          「え?」
          理恵の言葉に一瞬手を止めたがまた再度動かしながら声が返ってきた。
          「小学校の入学式でほっぺに人差し指を付けてさ…」
          「あー、あれ可愛いでしょ?
          一生に一度だけの思い出だからやってみたかったの」
          「でもあれしてたのお母さんだけでしょ」
          「悪い?」
          「だって普通はピースするでしょ」
          「ピースばかりだったら詰まんないでしょ。
          やっぱりあんな感じでフレンドリーに写らなきゃ」
          「そうですか」
          呑気なのか、目立ちがりなのか…
          横目でお母さんを眺めながらそう思ったが、あの時は理恵が落ち込んでるのを笑顔にしようとしたのだと考えたがはたしてどうなのか読みとることはできない。
          普段から明るく目立つ部分があるお母さんはあれは好きでしたようにも思えた。
          「あー。ほら、お湯が沸騰してるわよ
          はやく麺を入れて」
          お湯を見ていたはずがいつの間にか考えることでぼーっとしてて全く気付いていない。
          「あ、ごめん、ごめん
          今から入れるから」
          慌てて麺を入れながら弁解をする。
          「全く理恵はいつもどこかしらボーっとしてるんだから」
          一言余計なことを呟きながらソース作りは続いている。
          (それは悪いござんしたね)
          と少し嫌味っぽく心の中で呟き時間を計っいた。

          麺が茹であがるころに丁度ソースも完成に近づいていた。
          お湯を流しきると麺をそれぞれのお皿に分けて特製ソースを上からかける。
          「よし、出来上がった」
          隣で出来たことを喜び席に座り始めた。
          「お父さんももう少しで帰ってくると思うから少し早く食べとこうか」
          お母さんの言葉に賛成して理恵も席に座るとホークを片手に食べ始める。
          「美味しい」
          と自然に感想が飛びだしお母さんも微笑みながら食べ始めた。


      [217] Re[3]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/05/30(Fri) 02:45:20)


          麺ね出来きもそこそこに特製ソースがかけられ混ぜ合わした夕飯を食べながらお母さんとは何気ない会話をしていた。
          「うん、やっぱりお母さんが作る料理はなかなかだね」
          「なに、その中途半端な褒め方は。
          すっごく美味しい、が本心なんでしょ?」
          自信たっぷりにそういうお母さんにそれだけ強気になれる理由が聞きたかったが、たしかに美味しいという事は事実だ。
          「まあ、(すごく)をつけなくてもいいでしょ」
          「理恵は素直じゃないんだね」
          フォークで麺を巻きながら少しの飽きれた声を出しながら言う。
          「悪かったね…」
          少し冷たく言うが、本当に素直じゃないのだと自身で思いながらも麺を口に入れる。
          「そういえば、お父さんいつもより遅いね」
          ふっと壁にかけられた時計に目を向けて確認しながら言うと即座に返事は返ってきた。
          「たしかにそうだね。
          急な残業かなにかが入ったんじゃないかな。
          あれでも忙しい人だから」
          「ふーん」
          軽く返事を返すと、残り少ないスパゲッティをフォークに巻いて口に入れると、次にソースを乗せて食べる。
          少しの間静かな空間となったが、理恵はすべて食べ終わったお皿を流しに置くとすぐさまテレビに向かう。
          お母さんも少し遅く食べ終わると流し台へお皿を運び、テーブルの上に無造作に置かれた雑誌を眺め始めた。
          「あー、今の時間あまり楽しいのやってないな」
          そんな声がテレビの方から聞こえ顔を上げるとニュースやらバラエティが次々と映し出されては変えられていた。
          「理恵、そんなにはやくチャンネル変えてたら面白いものは見つからないよ」
          後ろから聞こえてきたお母さんの言葉にふてくされた顔をしながらも変えるスピードが遅くなる。
          「だって、面白いのしてないんだもん」
          一言そう言うと目の前にあるテーブルにリモコンを置いた。
          「もうすぐ九時なんだからそしたらいつも見ているドラマが始まるでしょう」
          「もうすぐって言ったってあと二十分もあるよ」
          「まあ、適当なものを見つけて過ごすんだね」
          素っ気なく返したあとにまた持っていた雑誌に目を通す。
          色々なデザインをした服が載せられモデルの人はそれを着て華やかにポーズを決めている。
          軽くページを捲りながら目で追っていると、玄関から足音が聞こえ、お父さんが返ってきたと分かる。
          台所の入り口を見るとすでにそこに立っているお父さんは汗を軽く手で持ったハンカチで服と一番近いソファーに鞄を置いて食卓へ向かう。
          「おかえりなさい。
          割と遅かったわね」
          「まーな。
          帰り際にちょっとしたら用事を頼まれてな」
          「それはお疲れ様。
          今、夕飯の準備するから」
          「あーあ」
          軽く会話を交わしたあとにハンカチをテーブルに置くと食器棚からコップを取り出し冷蔵庫に顔を入れる。
          目的のものを手にするとそそくさと席に座り、快感な音を鳴らしながらビール缶を開けてコップに注ぐと一気に飲み干す勢いで飲み進める。
          その様子を見ながらスパゲッティが盛られたお皿をお父さんの前に置かれてお母さんも席に着く。
          「いつも美味しそうに飲むね」
          「まあ、美味いからね」
          一言言うと早速用意されたフォークを持ちスパゲッティを食べ始めた。
          そんな中、少しの離れた場所からなんだかロマンチックな曲が流れ始めたと顔を向けると九時から始まるドラマを理恵は熱心に見始める。
          「今日は凄いいいシーンがあるんだって」
          さほど興味なさそうに置いつあった雑誌を読みながら呟く。
          「そうか」
          短く納得をし、なんとなく気になったお父さんは夕飯を食べながらもテレビに目を向けていた。


      [218] Re[4]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/06/08(Sun) 22:36:42)


          丁度ご飯を食べ終わる頃にドラマも終わろうとしていた。
          今回の見どころが放映された頃理恵は一度も集中を切らさず見続けていた。
          「よくまあ、あれだけ集中できるよね」
          「毎週楽しみにしているドラマなんだろ、だったら集中して見るさ」
          「そんなもんなのかな」
          眺めている雑誌を繰り返し流しながらそんな会話を両親はしていた。
          二度ほど夕飯をお代わりをした後、ビールを飲みあげるとお皿を片付け今度は冷やしておいた枝豆を取り出すとまた椅子に座りテレビに目を向ける。
          丁度ラブシーンらしく主演の男の人女の人は向きあいながらも真剣に語り合う。
          まさにドラマの中ではないと言えないなんとも甘いセリフが聞こえてくる。
          「約束よ、絶対に私のもとに帰ってきてね」
          「絶対に守るよ。
          そして今度は君を離さないから」
          見つめ合いながらもそう交わすとお約束というようにお互いを抱き締め合い互いの気持ちを確かめあっている。
          「はっ。あんなの現実に居たら臭いだけだよな」
          軽く鼻で笑うと手に持っていた枝豆を口に含みまたテレビに戻す。
          「とかなんとか言いながらあなただってドラマ見てるじゃない」
          「一度見始めたらとりあえず見ないと途中を抜かしたら楽しくないだろ」
          「…へー」
          テレビを見ながらお母さんの言葉に対して返事を返し枝豆をまた口にほうり入れる。
          全く興味の内お母さんは軽く返事を返し相変わらずページを捲り続けていた。
          悲しめな音楽が鳴り出すと画面上に次回予告という文字が出て少しストーリが流れる。
          「あー、また次回が楽しみだな〜」
          立ちあがり少し背伸びをした後、食卓のとこに戻ってきた。
          「ね、お母さん。
          あのドラマ今流行ってて楽しいのになんで見ないの」
          「私は流行りとかあまり気にしないし、恋愛ドラマとか苦手なんだよ」
          「そうだよね、昔から一緒にああいうドラマ見た覚えないもんね。
          お父さんとなら何回かあるけど」
          お父さんの方をチラッと見たあと何食わぬ顔をしながら枝豆を食べてコマンシャルを眺め続けていた。
          今見たドラマに関して語りたいがあまり興味を示さないせいで長くは語れない。
          小さくため息を吐いたあと自室に戻ろうと廊下へ向かう。
          「理恵、明日小田さんの所に行ってくれる?」
          「え、なんで?」
          いきなり掛かった言葉に驚き振り向くと聞き返す。
          「もうすぐ伊川さんが誕生日だからプレゼントとして何か作ろうと思って分けてもらうの」
          「分けてもらいたいならお母さんがいけばいいじゃん
          どうせ隣なんだし」
          「小田さんの性格分かってるでしょ。
          私が行くより子どものあなたが行った方がいいと思って」
          お母さんが言う様に少し小田さんは気難しい所がある。
          しかし、彼女の趣味である手編みに使われる毛糸は山ほど余っていた。
          それを時々近所の人は貰いに行くが、貰うとすぐに帰る人ばかりで立ち話をしている所を見たことがなかった。
          「だからってなぜ私に…」
          「いいじゃない、学校の帰りに少し寄ってくれたって」
          「お母さんこそ買い物のついでに寄ればいいのに」
          「私は何かと忙しくて時間があまりみつからないのよ」
          「そうですか…」
          何を言っても頼みを貫き続けるお母さんの性格を知っていたために最後は流すことにした。
          「じゃあ、頼んだよ」
          廊下に差し掛かる所で後ろからお母さんの声が飛んできて念を押される。
          はいはい…と心の中で答えると自室へ向かう。


      [222] Re[5]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/06/21(Sat) 00:32:40)


          あまり気の向かないままお母さんの用事で隣の小田さん家へ行かなければいけなくなった。
          周りと同様あまり良い思い出はない。
          朝、学校へ行く中で偶然玄関前で掃除をしている小田さんを見かけたことがあった。
          軽く挨拶をしようと彼女へ声をかけてみたが全く聞こえたそぶりもなく背中を向けて掃除を続けていた。
          本人はあまり口に出さないだけでそれなりに年はおっていたため聞こえなかったのかと今度はもう少し大きく掛けてみるがまたなんの反応も見せず作業を続けていた。
          少しむっときた部分もあったが学校へ行かなければならないため直ぐに駆けだし始める。
          そのまま気にせず行けばいいが少し気がかりになり振り返ったところ掃除が終わったらしく道具を片付けようとした所で近所の人に挨拶されていたが、一度顔を合わせたと思うと一言も交わさずに家へ入ってしまった。
          挨拶をした人は首を少しくねらせて呆れた顔をした後どこかへ向けて歩いて行った。
          その様子を見届けたあと一つため息をつくと学校へ向けて走り出した。
          その後も何度その光景を見たか覚えてはないが全くと言っていい程愛想がなくほぼ尋ねに行く人も減っていた。
          明日あの家へ行かないといけないとなると少し嫌な気分になり深いため息が出る。
          部屋に着くと暗い部屋を見渡しそのままベットへダイブしようと足を動かすと足に何かが当たる感じがし下を見下ろす。
          俄な明りで当たった物を持ち上げると少し古いアルバムが目に写る。
          そういえばアルバムを眺めてた途中で夕食に呼ばれたんだと思いだし、今は思い出に浸る気分もなくそのままベットへ寝っ転がる。
          暗闇の中で眺める天井は普段から変わらず少し見にくといういこと以外は同じだ。
          静かに天井を眺めているといつの間にか眠気がやってきてそのまま眠りについていく。


      [223] Re[6]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/06/26(Thu) 03:18:38)


          暗がりだった部屋がいつの間にか太陽のによって明るく周りを照りつけて理恵は寝る前と同じ天井へ向けていた。
          まだ寝起きの目を半開きに開けるとくっきりと見えた天井の模様を働かない頭でぼんやり眺めていた。
          どれくらい眺めていたか全く分からないが、静かだった廊下がいつの間にか忙しそうな足音が聞こえ、お母さんの呼ぶ声が二階まで届いてきた。
          「理恵、何してるの
          起きないと遅刻するよ」
          そんな甲高い声を出して廊下を歩く足音が過ぎて行く。
          お母さんの声から今何時かを確認しようと体を起こし少し離れた場所にある机の上に置かれた時計に目をやると六時過ぎを指している。
          そろそろベットから出て学校へ行く準備をしなければいけないが、なんとなくダルく感じ起きる気になかなかなれずにいた。
          「理恵、起きなさいってば」
          再度お母さんの大声が聞こえると、今度こそ起きなければいけないと体を起し、立ち上がる。
          ほぼ体だけが動いている状態で駆けてある制服をゆっくりと着ると、まだ必要な教科書をスクール鞄につめてないことを思い出し机に装備されてある椅子へ鞄を置くとすぐさま教材を入れ始めた。
          入れ終わり台所へ向かおうとドアを目指すが散らかしたままの物が床に散らばって危なく踏みそうになりながらも進んでいく。
          ようやく廊下まで出ると慣れた調子で一階へ降りて行き台所に着いたころには美味しそうに朝ご飯がテーブルに置かれていた。
          「おはよ」
          短く挨拶を済まして椅子に座ると用意されていたフォークを使い朝ご飯を食べ始める。
          理恵の調子を眺めながらなにかと動くお母さんはお弁当を作っている。
          「おはよ、理恵
          昨日はずいぶん早寝だったね」
          「まあね。暗くしたまま天井を眺めてたらいつの間にか寝てた」
          小さく欠伸をするとフォークに刺しておいたミニトマトを口にいれる。
          「そう、早寝は得するかもしれないから良かったね」
          「でも、起きた時間はいつもと変わらないよ」
          「まあ、学校に間に合うならそれていいよ」
          そう会話をしている間に朝ご飯を食べ終わり洗面台へ向かう。
          それなりの準備を終えた頃、スクールバックを自室から取りに行き一階へ戻ると台所から顔を出したお母さんは出来たてのお弁当を差し出すと玄関に進む理恵を見送る。
          「それじゃあ、いってきます」
          「いってらっしゃい
          気を付けて行くんだよ」
          「はーい」
          「あ、それから、小田さんの家に帰りにお願いね」
          その言葉を聞いた理恵はすぐに反応してお母さんの方へ振り返った。
          いつもの笑顔で軽く手を振ってみせる彼女を目を細めて横目で見るが、なにも気にしていないようで相変わらずの様子を見せていた。
          心の中で繰り返し返事をすると家を出る。
          丁度出る時間に小田さんは掃除しているみたいでいつものように玄関からでると庭掃除をしていた。
          何か声をかけても返事は帰ってこないだろうと考え横目で通り過ぎようとするが、外に出て着ると知っていてそのままなにも言わない事に気が引かれて自然と顔だけを隣に向けて声をかけてみるもやはり背を向けて庭掃除に専念して気付いていない。
          やっぱりかと思いながら門を抜けて道路へ出ると学校へ向けて走る。



      [224] Re[7]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/07/03(Thu) 01:27:57)


          いつもの通学路を歩きる程度行くと朝の商店街に差し掛かる。
          ほとんどの店が開店準備をしていて忙しそうに商品のチェックや整頓などをしていた。
          その通り道を歩いて行く人たちはそれほど多くなく、少しゆったりと歩いても邪魔にはならない。
          しかし腕にしている時計を見てみるといつもの時間より遅く急ぎ足で歩く必要があった。
          十分寝たはずが、こうも朝から急ぐことになるとやっぱり体力を温存できるはずもなく疲れて行くことになるんだと毎日分かっているはずが、なぜか同じ事になる自身に嫌気がさしていた。
          予鈴が鳴るギリギリの所でなんとか教室に入ると、吹き出た汗をハンカチで拭い自分の席へ向かう。
          「おはよ、理恵
          今日もギリギリセーフだね」
          「うん、なんとかね」
          席に座り鞄を掛けていると前の席の友達が理恵話しかけてくる。
          「いつもどれくらいに入ってくるか計ってるんだよ」
          「えっ、図ってるって何を?」
          「理恵がどれくらいかかって教室に入ってくるか」
          「そんなの計らないで良いよ」
          「いつも少しずつ違うからこれまた面白いんだよね。
          なんなら見る?」
          そう言いながら一冊のノートを見せてこようとするが、手を振り否定する。
          「いいよ、そんなの見せなくっても。
          自分のギリギリ時間なんて見たくないよ」
          「ええー、結構面白いと思うけどな。
          それになにかの参考にもなる」
          「なんの・・・」
          理恵が言いかけたと同時に朝のホームルームのチャイムが鳴った。
          まだ言いたいことがあると顔に書いてあるが、先生の教室に入ってきた声と共に体を前に向ける。
          記録をとられている事を知って少し悪趣味だななどと思いながらも先生が出席確認をしながら必要事項を伝え終わりその時間は終わった。
          「ね、千枝なんでそんなのとってるの?」
          「そんなの?」
          「教室に入るまでの・・・」
          「ああ、記録?
          毎日焦って入ってくるからその時によって違うから」
          「違うって言ってもそれ無許可だし、私は何も面白くないし」
          「ああ、ごめん
          結構毎日の事だからなんとなく記録するようになったの」
          「毎日で悪かったね」
          そう呟くとふてくした顔になり慌てて何かを言おうと千枝は顔を向けてくるがチャイムによって邪魔をされる。


      [225] Re[8]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/07/09(Wed) 00:08:13)


          授業中でも色々と考え事が頭の中を回っていて全く授業内容がはいってこない。
          業とギリギリに着く様にしているわけではないというのに千枝はそれを面白がりわざわざ記録を書いているということに気がいってしまいたぶん今何かの問題に当てられたとしたら答えられないだろうというくらいに集中が出来ていない。
          そんな色々なことに頭を悩ましている間でも前の席はのんきにうっつらと体を動かして居眠りしていた。
          千枝が言っていた記録はいったいいつから始まったのか気になり、見ることを断らなければよかったと後悔してもいまさらどうなるそともならない。
          授業が終わった後一言言って見せてもらえればいいという考えもあるが自分から言い出すのもなにか変だと思いそれは却下する。
          色々な見れるチャンスを考えてみてもいまいちピンとくるものもなく次々に却下していく。
          ひとまず考えるのをやめようと何気なく隣を見てみるとなにやら楽しそうに小さく肩を震わせて熱中していた。
          視線を机に向けてみるとノートに色々な漫画のキャラを書いて更にそれをアレンジというより眼鏡を掛けさせ髭をつけて楽しんでいるようだ。
          くだらないと理恵は机に向き直り小さくため息をつく。
          最近よくため息がでるなっと考えまたひとつ付いた。
          今まで書きこんできたノートを始めから見ようと表紙にもどると一枚めくり少し黒く汚れた部分もあるが文字が並んでいた。
          きっちりとしてきた実感はあったが、下の方を見てみると小さく落書きが書いてある。
          あれ。と思いながら二枚目のページを見てみてもまた小さく落書きが書かれていた。
          いつの間に落書きをしたのか首をひねっていると前の方から声が聞こえ芽を顔を上げると満面の笑顔を理恵に向けていた。
          「な、何?」
          予想できないことに驚きながら聞いてみると笑顔は崩れずに返ってくる。
          「そのノート、授業内容ばかりだったらなんか面白みないじゃん?
          だから私がちょいっと可愛くしといたの」
          その答えに一瞬間を開けさせて、勢いよく消しゴムをノートに押し当て消していく。
          「ちょ、ちょっと、せっかく可愛くしたのに・・・」
          「なにが可愛くだよ。
          私のノートに勝手な落書きをしないで」
          強く言ったつもりだったが、千枝はなんの悪がる表情もせずに逆に詰まんなさそうな顔をしながら前を向きなおす。
          何ページと消しゴムで消したおかげで机の上には消しカスが溜まっていき、更にイライラまでもが溜まっていた。
          勢いで消していたスピードが徐々に弱まっていき、そういえばなぜ授業中のはずなのに千枝はこちらを向いてたのか顔を上げて聞いてみようとするが、周りの状況で判断が出来た。
          静かだったはずの教室はいつの間にか騒がしくくなってそれぞの人が休憩に入っていた。
          机にうつ伏せになりふてくされた雰囲気を出している千枝の背中を軽く叩くと気付かないという風になんの反応もない。
          まったくと思いながらも呼びかけてみると少し後ろを振り向いたと思うとすぐにまたうつ伏せになっていた。
          今度も小さくため息をついた後に千枝の机に体を向けてなんだか分からない謝罪をするとのっそり体を起きあがらせて目が合うといつもの笑顔に戻っていた。
          「理恵たら、授業が終わってもノートを見つめていたから声掛けたんだよ」
          「あー、そうだったんだ」
          「そんなに何に熱中してたの?」
          あんたが知らない間に書いていた落書きだよ・・・とは言えずに何気なく笑い流す。
          「ふーん、そうなんだ」
          などと何に納得したのかさっぱり分からないが気にせずにいようと心に言い聞かせた。
          「ね、それよりさ
          授業が始まる前にいってた付けている記録の事だけど」
          「ああ、これ?」
          一冊のノートを机の中から取り出し思いっきり目の前に就きだしてくる。
          「そう、それ。
          いつから付けてるの?」
          「あー、いつからだっけな・・・?」
          そう言うと軽くページを捲りだす。
          その様子を静かに見つめていると行きつく所にたどり着いたかノートから目を話して答えてきた。
          「去年の五月からだよ」


      [228] Re[9]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/07/21(Mon) 23:05:29)


          なんの変哲もなく普通にそう言う彼女を真顔で見つめ更に頭を整理しなくてはならなくなった。
          「去年の五月って」
          「うん、なに?」
          ぱつりと小さくな呟きは千枝に聞こえたようで聞き返してきた。
          笑顔のまま理恵の言葉を待ってるように真っ直ぐ見つめている。
          「去年ってまだ・・・千枝と同じクラスじゃなかったよね」
          そう言った瞬間笑顔はなくなり後ろへ後退してしまった。
          「あれ、同じじゃなかったっけ・・・
          私の記憶だったら同じだと思ったんだけど」
          「だってほら、私のこのノートに書いてないよ」
          いつも必要なことは書いている理恵は高校入学と共に買ったものでそれなりに使いこんでいた。
          「ノートに書いてある事ばかりが本当の事ばかりってわけじゃないでしょ」
          顔を横に向け頬を少し膨らましながらどこか遠くを見つめる。
          「で、でもさ」
          「何かの理由で記入し忘れたってことあるでしょ」
          そるなこと余程の事がない限りあるわけがないと考えたが、確かに入学時は色々とばたばたとしていた事を思い出す。
          「んー、そうなのかな」
          まだもやもやとする部分を押しのけて千枝の言葉に同意した。
          「でもさ、去年から記録してるって酷くない。
          それを言わないってのも酷過ぎる」
          「ごめん、だって理恵全く何も言わなかったし、なんか習慣になってさんだよね」
          「習慣に・・・?」
          いちいち彼女の言う言葉は頭に残ることばかりで引っかかっていく。
          しかしそれで喧嘩になり空気が悪くなることが嫌だと無理やり頭から振り払うことにした。
          「それでさ・・・」
          手に持ったままだったノートをまた見せてこようと目の前に持ってくるが理恵は話しを逸らそうと目を一度外し思い立った時にすぐ戻した。
          「ね、最近繁華街に素敵な喫茶店が出来たみたいだよ」
          「うん、知ってる。
          でね・・・」
          「そこに行ってみたいんだけど学校が終わったら一緒に行かない?」
          「え、あうん。
          いいけど」
          「じゃあ、決定ね
          忘れないでよ」
          いきなり話しを進め出した理恵の様子を変に思ったように首をかしげるが渋々と流されるままに流された。

          「はい、では皆さん気を付けてかえるように」
          そう一言付け加え、放課後のホームルームは終わりそれぞれが準備を始めた。
          担任の言葉に素早く後ろに振り向き笑顔をむける千枝を軽く頷き帰りの準備を始める。
          「夕方になってもまだ熱いもんだねー」
          「そりゃあね、六月だもん」
          「もう一瞬で九月になってくれたら楽なのになー」
          「その考え、誰でも一度はするよ」
          少し前を歩く千枝は流れて行く雲を見つめ少しずつ変化していく太陽をながめ独り言を呟く。
          それに乗って後ろから少し突っ込み同じく空を見上げる。
          二人の後ろに長い影を作りながら雲と同じにゆっくり歩いていく。


      [229] Re[10]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/07/28(Mon) 03:14:19)


          学校帰りに寄り道をすることはだいぶ久しぶりで知らないうちにどこかわくわくしていた。
          商店街に入りそれなりの人通りがかなり多くなっている。
          「理恵ってあまり寄り道とか好きじゃないのにどうして今日に限って誘ってきたの?」
          「たまには良いかなっと思ってね。
          それに朝言ったように最近できた喫茶店が気になるし」
          「ふーん」
          今までの通り道より人が多く、二人で並んだ歩きをすると不意に人と肩をぶつけてしまっていた。
          「にしても今日は多いんじゃないかな。
          なんだか歩きにくいな」
          「何言ってるの。
          千枝はあまりここを通らないでしょ」
          「そーだったかな・・・」
          千枝の方をのぞく様に見てみると、一つの所に人だかりができていてそれが気になる様で眺めていた。
          「どうしたの?」
          あまりにも熱心に見つめるその場が気になり一緒になって見つめる。
          「んー、あの一番高い所に飾られてる服、いいと思わない?」
          「え?」
          そう言われ人が商品を探っている場所から少しズレルと見えた商品を見つめる。
          青い生地で出来たゆったりと胸元は鎖骨をのぞかせる程度のカーブをさせた飾り気が少ない半袖のTシャツが飾られてあった。
          あまり派手ではないTシャツに千枝との結びつきを見つけ出せれないで少し困惑する。
          「千枝ってああいうのも着るの?」
          「あ、うん。
          最近あんなデザインも良いかなっと思うようになってきて」
          「そうなんだ」
          意外な面を見つけて隣を見てみると小さく(あっ)と聞こえどうしたのだろうともう一度視線を戻すと一人の女性がTシャツに手をかけていた。
          「ちょっとごめんね」
          そう言い残すとその場から駆けだし商品が並べられている場所へ向かう。
          「はあ…」
          駆けだす千枝の姿を見送りながらもなんとなく人通りを見てみると黒い服を着たベレー帽を被るどこかこの場に似つかない人物が目に映る。
          商店街という場所で色んな人が利用するのは当たり前だが、あまりにも目立つその姿になぜか目が離せない。
          人だかりのおかげで隠れることは出来るがどこか危機を感じ身を縮めた。
          静かにその姿を見送るとなんとも呑気な声が理恵へかかる。
          「どうしたの?
          そんな警戒した顔して」
          「あ、うん。
          変な人がいて」
          「変な人? どこに?」
          辺りを見渡すとほとんどの人が主婦で今夜のおかずを買いにきている人ばかりだ。
          「もう出入口方向にいったけど」
          「ふーん、そうか。
          夕方だから変わった人だって通るよきっと」
          「そうかな・・・」
          さっき見た人物が気になるが、だからと言ってどうすることもできない理恵はそのままただの通りすがりの人だと思いなおすことにした。
          「それより気にしていたTシャツどうだったの?」
          「んー、なんか間近で見たら追ってたのと違ってたから何食わぬ顔し通り過ぎてきた」
          「そっか」
          軽く返した言葉だったが、千枝らしいと小さく笑いその場がなごむ気がした。
          「それじゃあ喫茶店に行きますか」
          千枝に言われ軽く頷くとまた並んで歩き始めた。


      [230] Re[11]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2014/08/09(Sat) 18:03:15)


          「だからねー」
          生き生きと話し続ける千枝に頷きながらも注文したアイスティーを飲む。
          出来たばかりということもあって店内はほぼ満員状態にあった。
          「って言ったんだ」
          話し続けていた内容をほとんど聞き流してしまったせいで何を話していたか全く掴めずとりあえず軽く頷いてみたが、不満そうな顔が理恵を見つめていた。
          「ど、どうしたの?」
          慌ててその理由を聞こうと訪ねてみたが、千枝は当然という表情をして息を吐き出した。
          「理恵、今の私の話し。
          聞いてなかったでしょ?」
          的を当てられた言葉に焦りが出るが、なんとごまかそうとあれこれ考える。
          「本当に理恵って分かりやすいよね。
          目が泳いでるよ」
          半分笑いながらも頼んでいた焼き菓子を小さなフォークで食べやすい大きさに切りながら言う。
          「そんなことは」
          「あるよ」
          急いで否定をしようと口に出すが、すかさず千枝は言葉を遮る。
          「それで、何をそんなに深く考えることがあるの?」
          「あまり深く考えてたつもりはないんだけどね。」
          「深く考えてなきゃ、ちゃんと話したことは耳に入ってるでしょ」
          「う、うん」
          千枝の言葉に同意をするも、自身何を深く考えることがあったのかいまいち分からずに更に頭を悩ませる。
          「考えていたことを忘れたってことか」
          黙っていたことがいちいち答えになるみたいで、千枝はそれを口に出して言う。
          またそのことが気に障り理恵は少しイラつきはじめた。
          「私が考えてることなんてどうでもいいじゃん。
          千枝はその話好きを続けていればいいし、なにも言わずに聞いてた方が好きに話せるでしょ?」
          思わず出てしまったことに後悔をして隣を見てみるが、彼女は俯きかげんになり焼き菓子を突っついている。
          「や、だからその…」
          言ってしまったことにどう弁解をすれば良いのか分からず、あたふたとしていると焼き菓子を口に含み微笑みを向けてきた。
          「うん、これやっぱりおいしい」
          いきなりそういうとあまり食べていなかったお菓子を急いで食べ出すと最後の一口になっていた。
          「理恵はさ、何か考え込むとなにも耳に入ってこない程じゃん?
          それは良いことだと思う。
          中途半端に考えてあとは流すなんてせっかくのチャンスが無駄になる可能性だってあるから」
          そこまで言うと途中切り、残りの一口を口に入れる。
          「でもさ、一人だけで考えて解決できることならいいけど、もっと重要なことだったり考えきれなかったりしたらさ私にも言ってよ。
          確かに話好きだしなんでもかんでも一人で話し続けるけど、聞く時はちゃんと聞くから」
          静かにフォークを皿におくと同時に注文してあったクリームソーダを飲みはじめた

          彼女を見つめたまま黙り今まで一人であれこれ悩んでたことがバカらしくなりアイスティーをあるていど飲み終わると千枝にほほ笑む。
          「うん、そうだよね。
          一人だけで考えてるなんて小さな範囲ぐらいしかでないもんね」
          ぽつりと呟き千枝を見つめると彼女もまた見つめて小さく頷いていた。
          「あのさ、さっきここに来る途中に見たって言ったじゃん?」
          「ん?」
          自然と口にしていた不安に思っていたことを言おうとしたが、クリームソーダに刺されているストローをくわえたまま疑問そうな顔を向けていた。
          「だから黒い服きたベレボーの人…」
          そこまで言うと、思い当たることがあったようで一言(あー)っと口に出した。
          「たぶん、さっき話を聞けてなかったのはそのことが気になってたからだと思う」
          「黒服ベレボーかー…」
          独り言を呟きストローを動かしながら何かを考え出していた。
          「なんで人通り多いのにそんな変な格好をしてたと思う?」
          「なんでかなー…
          もしかしたら、今日はそういう気分だったんじゃない?」
          「え?」
          「だって、いつもそんな格好をした人を見かけるって訳じゃないんでしょ?」
          「そうだけど」
          「だったら偶然だよ。
          だからそんなに考えることなんてないよ」
          明るくそういう彼女を横に本当に偶然目についたのか分からず、また一人考え込みそうになるが、千枝は腕を掴む。
          「さて、そろそろ食べ終わったし帰ろうか」
          にこやかに言うと立ち上がり片付けはじめた。
          急いで立ち上がるとガラスのコップを持ってカウンター返却口に空いた場所を探し置く。
          席に戻るとスクールバックを背負い入り口を指しまた歩き出す。
          その後を追うように店を出た。


      [232] Re[12]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2014/08/23(Sat) 23:51:19)


          「今日のとこ良かったね。
          お菓子も凄い美味しかったし」
          満足した表情をし、喫茶店の話しは続いていた。
          それをまた受け流しどうしても腑に落ちないあの格好をした人を考えていた。
          変わった格好をしていただけでなく、どこかで見たことがあるという事が引っかかっていた。
          しかしマラソンをしていたということで少し目立つ服装をしていたと考えればおかしい事はどこもないが、全身黒で統一していたということはやまり引っかかる。
          「まーた何か他の事考えてるの?」
          横から聞こえてきた千枝の言葉に真顔を向けると苦笑いになりため息を吐き出す。
          「また商店街のこと?」
          呆れ気味に言われながら理恵は小さく頷く。
          「もうそのことは答え出したじゃん」
          「まあね、でもさ・・・」
          深刻な表情を続け俯きながら道を進む理恵を心配そうに見つめ歩みを続ける。
          「もしかしてなにか思い当たる所でもあるの?
          近所のお兄さんとかどこかのお店を経営してる人とか」
          「お店を家いしてる人が全身真っ黒で出かける人か居ると思う?」
          「理由はあまりにも人気な店で買いだしか何かの情報を入手するために目立たない格好をしてたりとかあるでしょ」
          「あー、なるほど」
          隣で一緒に考えてくれた千枝の言葉に納得はするがどれも当てはまりそうな人は思い浮かんでこない。
          「全部違ったとしたら・・・
          何かなー」
          どの話にも浮かない顔を浮かべる理恵に他の提案を考えてみるも言葉にまらせいる。
          「私がさ、誘った側なのに楽しい話しに乗れないでごめんね。
          なんでか分からないけど・・・」
          「いいよ、気にしないで。
          どうしても気になることは気になるもんね。
          また次行く機会があれば楽しく話せたりできれば良いと思うし」
          「ありがと」
          理恵の笑顔にもやもやとしたものは少し吹っ飛ばされて小さく微笑みながら途切れながらも話しは続き帰り道を進む。
          「あ、私こっちだから」
          「あ、ああうん。
          今日はありがとね」
          「こちらこそ、じゃあ、明日ね」
          いつも別れる場所でお互い手を振り上げて別れ、少し後姿を見送ると家へ向けて歩き始める。
          あと少しで家に着くという所で曲がり角に人の影が見えた様な気がするが一向に姿は現れない。
          不思議に思いながらもいつも通り角を曲がり家に着こうとする時に一つのことを思い出す。
          「隣の小田さんの家へ行かなきゃ」
          そう呟きながら隣に建つ家へ目を向ける。
          隣通しと言うのに見比べて見ると奇麗に手入れされた庭は色々な花を咲かせていつも楽しいませてくれる。
          隣の人がもう少し愛想よければ人は集まってくるんだろうなどと思いながらも玄関へ近づく。


      [233] Re[13]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/08/31(Sun) 22:36:51)


          家を囲う塀に付属された扉近くに行くと奇麗に飾られた植木鉢に目向けるといくつもの花が開きその場を楽しませていた。
          表札の少し下に設置されたチャイムを鳴らせばきっと家の主が出てくるだろうとじっと見つめるが、ず何を話せばいいのかがいまいち分からず困惑していた。
          挨拶から入れば良い事は知っているが、その後に続ける言葉が何もない。
          用事がなくて来たわけではないがそれだけ悩むほどに隣との関係は親しくはなく、逆に関わることは数カ月になんとかぐらいしかないということに気づいた。
          「・・・」
          チャイムを目の前にしてなんとも言えない緊張感が理恵に襲いかかってくる
          気軽に接すればいいとは言うが、そんなに話すことない人にどう気軽に接すればいいかがなかなか難しくなってくる。
          普通に挨拶した後用件を伝えすぐ終えれば帰るという順序を頭で組みそれを実行すればいいと自分に言い聞かせチャイムまで届く位置へと指を持っていく。
          徐々に近づいてくるチャイムに対し人差し指か震えてくるのが分かる様な気がした。
          「・・・そこで何をしてるんだい?」
          すぐ傍で聞き覚えのある声が聞こえ横を振り向くと小さなきんちゃく袋を手に可愛らし籠を手に理恵を見つめていた。
          「え?」
          一瞬何が起こったかいまいち理解できず変な声と共に少し後ずさりをするとようやく脳が察知したみたいで小さく(ああっ)と呟いていた。
          「・・・あんたは、隣の宮木さんの子だね。
          なにか家に用事かい?」
          素っ気ない態度はいつも通りだがこんなに話している小田さんを見るのは初めてだ。
          「なにも用事がないのなら早く家に帰りなさい。
          人の家をじろじろ見るなんて・・・」
          小言の様にブツブツとそう言いながらなかなか話さない理恵を睨み家へ入ろうとしていた。
          「あ、あの」
          「なに」
          「小田さんの家に毛糸ってありますよね」
          「あるけど、それが?」
          「だ、だから少し分けけて・・・」
          「え、なんて言ったの?」
          業となのか元々のものか分からないが、会話はすぐに途切れ言いにくい表情を続けていると突如大声が帰ってくる。
          そこに驚いたかは分からないが会話が止まりお互い塀越しに見つめていた。
          「すまんが聞こえなかった
          もう一度言ってくれるかい」
          「その、だから・・・」
          「そんな小声で言っても聞こえはしいよ。
          もっとはっきりと言いなさい」
          小田さんに対して何をたじろいでいるか分からずその場でもごもごと口が小さく動く。
          「何もないなら家へ入るよ。
          きちんと言いたいことは言うべきだね」
          そう言い残し玄関へ向かい扉の鍵を開け入っていく。
          「はあ・・・」
          隣の人とあんなに長く話したことは今までなく、挨拶しても無視程度で終わっていたせいか、今回の小田さんを見て驚く事があった。
          あまり人とは口を利かず、一人で何から何までしていたことであまり人が訪ねてこないという意味で理解していたが、違う面でも人を寄せ付けないものがあったということを知らずに今まで接してきた自分になんだか変な気がしていた。
          玄関へ目を向けてみるがもう一度開くことはないと言われているようで取りあえず自分の家へ帰って行こうと歩きだす。


      [234] Re[14]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2014/09/18(Thu) 00:06:49)



          「ただいま」
          静かにそう言うとすぐに二階へ上がっていく。
          どうせこの時間は買い物へ行ってるだろうと台所に行く気にはなれない。
          自室に着くとスクール鞄を適当に投げ置き直ぐベットに寝っ転がる。
          天井をすぐ上に眺め今日一日の事を思い出すとどれもいい事があったとは思えなかった。
          「せっかく出来たばっかりの喫茶店で楽しもうと思ってたのにあの不審者のせいで・・・」
          ぼそっと呟き体勢を横に変えると薄暗くなりかけた外が見える。
          一日が終わろうと暗くなっていく様子を眺めどこか虚しさがこみ上げてくる様な気がした。
          完全に暗くなった頃珍しく遅く帰って来たお母さんの声が玄関の方から聞る。
          忙しそうに廊下を通ったと思うと直ぐに台所の方へ消えて行いた。
          あと少ししたらお母さんから呼び出しが来るんだろうと時々体勢を変えながら考えていると思ったより早く大声で名前を呼ばれた。
          一瞬間を開けて返事を返すとやる気のおこらない体をゆっくり起こしドアへ向かう途中に置いてある鏡に映るとぼんやり制服のままの格好をした理恵が立っていた。
          そういえば帰ってからベットへ横になると一度も起きあがることなくダラダラしていた事に気づき入口近くにある電気のスイッチを押してタンスへ適当な服を選ぶ。
          二度目の呼び声が聞こえてきた頃には丁度着替えを終えて入口に差し掛かったことで返事は思ったよりも大きく廊下を響いた。

          「珍しく今日はテレビ見てなかったけど、どうしたの?」
          お母さんの質問になんて答えようか迷うが適当に(見る気にならなかった)で済ませた。
          その答えに余計不思議な顔をするが理恵は気にせず台所に設置されたソファーへ勢いよく座り足を横に寝っ転がる形になる。
          「理恵どうしたの、今日はとことん気が抜けた感じだけど」
          「どーしたんだろね。自分でも驚いてるよ」
          返事と共にテーブルに置いてあったリモコンを手に取りテレビを点けた。
          とたんに賑やかになるリビングはただ見かけだけの明るさに思え気持ちがどこか白けて行く。
          「今日は買い物行くのとね、中山さんに会ったのよ。
          あの人の長女の子がなんと大学にうかったみたいで」
          理恵にとってどうでもいい話を長々としながら夕食の準備はされていく。
          テレビでの音声もお母さんの話しも全く入らずにボーっと寝っ転がっていた。
          いつもだ熱中してテレビを見ていても何か用を言われて渋々台所へ行くが今日はどうやらその用事を言われることはなかった。
          何も考えずに画面を眺めていると後ろからようやくお母さんに呼ばれて行ってみるとテーブルには美味しそうな夕食が並べられていた。
          「さあ出来た。
          食べようか」
          ご飯を眺めていると椅子に既に座ってそう言うと茶碗を持って食べ始める。
          慌て理恵も椅子に座り小さく手を合せると食べ始めた。
          色々会話をしていく中で聞きたくない人の名前を言われ一瞬動きが止まる。
          きょとんとした顔を向けて質問をされあった事実を言う事にした。
          「小田さんの家に入ったけど毛糸は貰うことできなかった」
          「え、あれだけ言ったのに。
          もしかして理恵適当に頼んで断られたんでしょ?」
          「適当にお願いなんて物を貰うのにできると思う?
          あの人あまりにもきつすぎて頼む前に家に入って行った」
          「たしかに小田さんきつい所あるもんね・・・
          でもあの人粘ればなんだかんだ言いながら貰えたりするよ」
          「そうか」
          短くそう切り持っていた茶碗を勢いよく入れその後の事は何も言わないでと無言に伝えていた。
          それを読み取ったか一言(ああ)と呟くと何のためらいもなく聞いてきた。
          「もしかして理恵、小田さんに冷たくされたからんなにやる気ない様になってるの?」
          「・・・いや、違うけど」
          「へー」
          まだ何も伝えてない言葉を勝手に読みとったと勘違いしたのかなるどという顔を向けてきた。
          苦笑いをお母さんに向けるがこれ以上何もいう気にならなくて黙って夕飯を食べ続ける。


      [235] Re[15]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/09/29(Mon) 22:46:49)


          「ごちそうさまでした」
          軽く手を合わせそう言うとテーブルを立ち流しに置く。
          いつもながらの行動に無意識でもできる様になっている気がした。
          「理恵、また明日お願いしてきてね」
          今回の失敗した報告に全く耳を貸そうとせずそんな言葉をお母さんは言う。
          ソファーへ向けていた足を止めてテーブルへ向けるが黙々と箸を動かし理恵を気にしているようには見えない。
          用事があるのならお母さん自身が行って欲しいという言葉を喉元まで沸いてくるが一生懸命抑えようと口を強く閉じる。
          当分の間テーブルを眺めていたからかお母さんは箸を止めて理恵に向く。
          いきなり目が合いすぐに反らすがその場からは動かなかった。
          「なに、何か言いたいことがあるなら言いなさい」
          「別にないけど・・・」
          不満が出ないよう口を強く結びお母さんを一瞬見るとソファーの方へ向かいまた体を横にして寝る。
          特に楽しい番組はなかったがなんとなく見続け適当にチャンネルを変える。
          テレビの中では楽しそうに進められる番組もよそに、また行かなければならなくなったというその思いでもやもやとしていた。
          「ただいま。
          お、理恵は寝てるのか」
          お父さんが帰って来たらしくソファーの様子を見ると直ぐにテーブルへ向かう。
          そんな様子を気にすることなくテレビへ視線を向け続けていた。
          「おかえり、今日町内会で・・・」
          何かお母さんは話しているが、そんな事は全くどうでもいいと耳に入ってこない。
          画面を見続けているといってもただ明るいだけの物としか認識されていなかった。
          暇つぶしに寝っ転がっても余計暇に思えてとれじゃあ二階に行くかと体を起こし台所ドアへ歩いて行く。
          お母さんが途中何か行っていたような気もするが、気のせいとして廊下を出て直ぐに階段を昇り始める。
          一回と違い二階の廊下は電気を切ったままだからか薄暗く月明かりさえ入ってないように見えた。
          直ぐ手前にあるドアを開けて部屋の電気を付けると一気に明るくなり何にホッとしてるかいまいち分からないがどこか安心した理恵がいた。
          カーテン近くに静かな風が吹き揺れると新鮮な空気が入ってくる。
          そのままベットへ横になり天井を眺めた。
          お母さんはなぜ自分の用事なのに押しつけてくるのか、それは毎回の事だがややこしい事は大体理恵に用事として頼んでくる。
          今までは適当に返事をしそれなりに流したりしてきたが今回の事で疑問ばかりが浮かんできた。
          「そう言えば・・・」
          夕方見た異様な服装をした人物をいきなり思い出し、更に不快な思いは理恵を覆い尽くす。
          全く気にしなければそれでいい事をなぜか気がかりになり一度気にすると直ぐに解消してくれることはなかった。


      [237] Re[16]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/10/30(Thu) 01:15:58)


          内心に引っかかるものを感じながらも変わらずベットの上をゴロつく。
          何に対しても中途半端に考え、内であれこれ回っていた。
          お母さんは何を果たせば理解をし話しを聞いてくれるのか、いつも何かを言うだけで後は達成できるまで聞き入れてくれない。
          どんな不満があるとしてもそれを言えずにただ振り回されるのみで理恵から意欲を持ち行動しようと思う事はなかった。
          用を言われ意欲的にそれを実行しようとする人はそんなに居るとも思えないが、果たすためには納得したうえで行動をしたいなどと考えていた。
          「はあ・・・」
          一度決心をし、小田さんの家へ行く所まではできたがしかし、相手から全面的に否定され力が抜けたといった感じがある。
          「また頼みに行かないといけないのか・・・」
          憂鬱な心から口に出せば晴れるだろうかと思い呟いてみるが逆に引っかかるものが余計深みだし、胸部部分が何かに突き刺されえぐられる様な痛みが出てく。
          何気なく体勢を横を向け窓を見てみると相変わらず僅かに入ってくる風がカーテンを揺らしその向こうが見え隠れする。
          部屋が明るいだけにむこう側は暗く、何かが起こるとしても何かの衝撃によってようやく気付くだろうというぐらい状況が見えないでいた。
          今の時間暗いのも当たり前で、窓に近づき外を覗けば暗がりでも電灯によって多少見えることは分かってはいるがそれだけ部屋側から見つめる外は未知で恐怖に思えた。
          もし今、あの不審な男が飛び出してきたとしたら・・・そんなありえない想像をし、余計に身震いを感じ反対側の壁に寝返るが不安が納まるということはない。
          微かに涼しげな風が首元を通り過ぎた気がすると一気に起きあがり周りを見渡して見るも、いつもの光景があるだけでなにかが変わった様子もない。
          一安心をし、もう一度寝っ転がるがどうも落ち着くこともできずに頭で色々と駆け廻っていく。
          その思いを追い払うため静かに目を閉じて落ち着かせようとすると一階からお母さんの楽しそうな笑い声が聞こえて何か面白い話ししているのだろうと考えているうちに不審な人は薄まっていた。
          理恵が必死に次はどう頼めばすんなりと分けてくれるか、夕方見た不審な人への恐怖心を抑えようとしているのになんとも呑気な笑いのせいで苛立ちが起こる半面、微妙に和らいだ事によってどう思えば良いのか曖昧で複雑な気分のままベットで体勢を時々変えながら時間は過ぎていた。


      [238] Re[17]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2014/11/07(Fri) 22:23:14)


          「んんー」
          朝の光を浴びながら気持ちよさそうに起きあがり伸びをする。
          どうやら窓を開けたまま寝たらしく、カーテンの間から俄に風が入り揺れていた。
          起きあがると爽やかな風に当ろう窓付近まで行き外を眺めるもまだ早い時間なのか人影があまり見当たらない。
          一通り外を眺め終わり窓を閉めると天気の良い空を見上げて目を細め、複雑に引かれた電線の上に止まってる鳥の小さな鳴き声を流し、一回へと部屋を出る。
          一回の廊下に下りた頃にはすでに朝食の準備をしているようで台所からは色々な音が聞こえてきた。
          「おはん、お母さん」
          「あら、おはよ。
          今日は早いのね」
          割といつも早起きして居るつもりの理恵にそう掛けたお母さんはまた火にかくてあったフライパンの方へ目をむける。
          そんなにいつもと違う時間に起きたのか不思議に思い台所に置かれた時計に目をむけるもいつも起きる時間より少し違うだけでほぼ変わりはない。
          「そんなに変わらないじゃん」
          一言そう呟き椅子に座ると丁度出来上がったらしく熱を加え続けたフライパンの中はまだ音が鳴り続けていた。
          「そうかしら、でもいつもより早いのは本当だから良いじゃないの」
          理恵の言葉に軽く答え、用意されていたお皿に出来上がった目玉焼きをのせた。
          フォークを片手に持つとキミの部分を少し崩した後口に運ぶ。
          いつもながらこれだけでも美味しく思う理恵は食べ進め、あとから出来上がった食パンを少し熱そうに運びお皿に乗っけるお母さんはお湯を沸かし熱湯をかッ部の中に注ぐ。
          すっかり焼けたパンの歯ごたえがぱりっとしてて噛むたびに良い音を立てる。
          「どう、おいしい?」
          そう声を掛けられた方え向き目の前に座っているお母さんは微笑みコップに口を付けている。
          「おいしいよ。
          お母さん焼き加減は上手いよね」
          少し間を開けて付けたすとコップから顔をあげて微笑んでいる。
          「滅多にそんなこと言わないのにどうしたの?」
          「ううん、なんでもない」
          短く切り急いで口中にいれる朝ご飯はお母さんがあまりにも見つめてくる事によって恥ずかしさを隠そうとしてかけ入れる。
          「こめちそうさまでした」
          すっかり皿の上を空にした後いつもどうり流し台に起き、洗面所で顔や髪をとかし終えると二階に上がり制服に着替えまた一階へ向かう。
          「いってきます」
          大きくそう言い終え玄関から出てみると部屋で見たときとは違い、人が慌ただしく道を通っていた。
          理恵もその中へ混じろうとした時隣の小田さんは相変わらず玄関を掃除して居て声を掛けようと思うがいつもと同じかなどと思い素通りをするとそのまま学校へ向かった。
          慣れた通学路を通り学校までの道のりを進むが、何かに違和感を感じ首をかしげる。
          とくに変わった部分もなく商店街を通ると開店前の忙しそうにしてる人達が映るのみでこの違和感がどうも気持ち悪い。
          「どうしたんだろ・・・」
          焦った理恵は急ぎ足で学校に向かい着いたころには息切れをしていた。
          周りに同じ制服を着た生徒たちが次々に理恵を越して校門を通り過ぎて行く。
          その流れに乗ろうと校門を通り過ぎて偶然上から鳥の軽やかな鳴き声が聞こえ見上げるとそこは雲ひとつない太陽の温かい光りが空に上がり、良い天気だと言って間違えはないが、青く澄みきっている様子はなく緑に染まっていた。
          「え・・・」
          小さく呟くも変わらず緑に染まる空を眺め違和感は続いた。
          「なんで・・・緑?」
          間抜けに出たその声を怪訝そうな表情をむけて通り過ぎて行く生徒たちを気にせず見上げ続けている。
          あまりにも不自然なその色に時間が経っていることも気にとめられることもなくその場に立ちつくしていると予鈴のチャイムが不意に聞こえて焦る気持ちと共に学校へ入っていた。


      [243] Re[18]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2014/12/25(Thu) 21:54:38)


          一日通してみても変わらず空は緑でまるでそれを当たり前というように雲や風、鳥は飛んでいた。
          一瞬理恵の目がおかしくなったのか朝から何度も目をこすり確かめる。
          しかし変わることがなく夕方を迎えていた。
          「朝からどうしたの?」
          目を何度もこするのを変に思ったみたいで千枝が怪しむように見てくる。
          「んー、なんか私の目がおかしくなったのかなって・・・」
          「おかしく?」
          「うーん
          空の色が変に見えてたりするんだ」
          理恵に聞いてみたはいいもの、余計首を傾げる答えが返ってきて謎が増えていく様に表情が険しくなっていく。
          「変な色ってどんな色?」
          「…緑に」
          「へ?」
          答えが返ってくると声を思わず上ずらせ、意味がわからないと傾いていた首が余計傾いていく。
          「緑に?」
          「…そう」
          短い問いに短く返し意味部かな表情を理恵はしている。
          しかし千枝にとって空を見てみても変わらない色をし、日常的に雲も流れていく。
          「きっと気のせいなんだよ」
          なんとか暗い表情を変えようと明るく言ってみるが、全く変わらずにみえた。
          「たぶん千枝ちゃんにとって私が言うことが変に思えるんだと思うけど、でもね外を何十回と見ても…緑なんだよ」
          「んー、それってもしかして目に何かが入ったりしてそれがそう見せているとかもあるかもしれないよ。
          目薬を指したら治るよ」
          「今持ってない」
          「じゃあ、貸してあげようか」
          ポケットから小さな瓶の形をした薬を取り出し机の上に置く。
          しかし、それを手に取ることなくじっと見つめ怪訝そうな表情をしている。
          「どうしたの?
          もしかしてなにか盛ってるなんて思ってる?
          そんなことするわけないじゃん」
          軽く笑いそう言うと、何かを確かめるため理恵は持ち上げた。
          あまりにも真剣に見つめる様子を見て、(なんにもないって)と手を肩に軽く当てるとなにか安心した表情に変わる。
          「…そうだよね、普通なら」
          何かを悟るように笑顔で目薬を見つめると千枝に返すというように差し出してくる。
          「え、目薬しないでいいの?」
          「うん、たぶん私の気のせいだと思う」
          微笑みながらそう言うと無理やり千枝の手に乗せると立ち上がり机を離れた。
          しばらくその変わりように呆気とられていたが、理恵が帰らないのか聞いてきて、慌てる風に机へ向かい荷物を取り後を追った。

          帰り道はいつもと代わりばえなく人通りもそれなりにあり隣り合わせで歩くのがギリギリという風な感だ。
          学校から歩いているうちに何を話せばいいのか考えているうちに二人に沈黙が続いている。
          いきなり変なことを言い出す理恵にどう返せばいいのかが分からず様子を伺いながら歩くという形になっていた。
          いまだに空の色が変わっているのか横顔だからその表情が半分に鹿見えない。
          「理恵さ…」
          「ん、何?」
          並んで歩いているから横顔だけが返事を返してくる。
          しばらく考えたうちあまりこのことには突っ込まない方がいいのかと軽く首を振りなんでもないと流す。
          無言でそのまま歩く様子から気のせいだったのかなっと予想をし安心してみるも一言も話すことなく分かれ道にたどり着いた。
          「うん、じゃあまた明日ね」
          「ん、また明日」
          笑顔で返してきたのを確認し、どことなく安心できた千枝はそのまま家へ向う。
          後姿を見送ると一人になる心細さを感じながらも家へ歩き進める。
          学校で言ったきり異変は変わらず続き、周りと全く違う色の空を見上げる。
          何時になったら戻るのか、それとも本当に目がおかしくなったのか。
          どっちの可能性も不安でしかない理恵は周りを見渡しながら帰り道を歩いていた。


      [246] Re[19]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2015/01/16(Fri) 21:42:37)


          徐々に下がって行く夕日に、濃くなる影がどこか不安を余計に助長し、空を見上げれば澄み切る緑が濁りにちかくなり、それがさらに不気味にさせていた。
          なるべく早く家へ着くように早足になる理恵は普段気にするはずのない石の音さえにもビクつき、顔を沈め身を縮こませている。
          道のりは長く思い、照らしている電灯さえ冷たく突き放すように足元を指しこんなにも恐怖を感じたことは今までにないと思い返しながらも道を進む。
          思えば、ただ空が変色しているだけのことが何故かここまで脅かすものになるなど今朝起きた時には思いもよらず、理恵自身今の状況を変に思えていた。
          友達も、空の住人も変わった様子などなく普段通りに過ごし、同じく終わるとそのまま行き着く場所へ向かう。
          それが普通だと言うのに一人違う場所で始まったこの状況はなるべく避けたく、今が通常だというのなら早く過ぎて欲しいと願っていた。
          家へ帰ると即座に二階に上がりベットで体を丸めようと頭の中で計画を立てているせいで気づくことなく一つの道から長く照らした影が理恵の方へと進み出てきている。
          静かに足を運ぶように一歩一歩靴を鳴らして近づいていたのに気づいたのは曲がる一つ前でその場に足を止め音を聞いていた。
          家が建ち並べられる中、妙に音を立てる人物を警戒し進みよる影を見下ろし通り過ぎて行くのを待っていたが、互いに壁一つというところで相手側も足を止め静寂が訪れ、背中に冷やっとしたものが一気に駆け巡ったと思うとどっと冷や汗が流れ出てきたのが分かり息を詰まらせてしまった。


      [249] Re[20]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2015/01/31(Sat) 23:36:04)


          その場で相手の様子を伺ってみるが、道に移す影は徐々に下がっていく陽により長くなっていくばかりで動く気配は感じない。
          このまま時間を費やしていくのも変に思い、なんとか相手を見ずに乗り切ろうと考えてみると走る案が浮かび足を後ろに下げながらもなにかないかと気を研ぎ澄ます。
          完全に走る体勢になると走り抜けるには真っ直ぐ行くしか方法はなく、もしそうなればそこに居る人を見る可能性が出てくるために、なるべく見ないよう心がけ足を動かし始める。
          一瞬出た道に変わる様子もなく相手は居続け、顔を下に向けたまま走り続け、夢中だったために理恵自身どこを駆け抜けているか分からなくなっていた。
          もう大分来ただろうと少しスピードを下げ息切れを整える。
          知る必要もないだろうが、一応確認しようと振り向くと猛スピードでたった先ほど壁越しにいた相手は向かって来ていた。
          驚きのあまりにまた走り出そうと足を動かすがうまく行かずもつれてしまいその場に倒れた。
          それでも逃げようと四足歩行になりたどたどしく進んでいるうちに立ち上がり走り出すと追いかけて来た相手とはそんなに距離もなく背後を捕まえられてしまった。
          一瞬金縛りに合い思考も停止になるもその状態から動く気配のない相手に恐る恐る尋ねることを決心した。
          「あの…私に何か用ですか?
          もしそうなら手を離してくれませんか」
          しかし返してこない相手にもう一度声をかけようとすると、俄かに何かが聞こえるが、それは聞き取れずにいた。


      [250] Re[21]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2015/02/21(Sat) 21:38:41)


          背後から掴まれたまま特別何か危害がおこることなくそのまま静止した状態でまた何分か流れる。
          冷や汗は引いたもののまだ相手がどう出てくるか分からず互いに様子見をしている状態となっていた。
          これは一体何なんだ・・・?
          ふと疑問に思い冷静に思考を動かす。
          意味もなく相手に追いかけられてまた石になった様に固まっている後ろの人は何を考えてこんな風に動かないのか。
          訳も分からず次々に出てくる疑問を頭で処理しようと考えるも会ったことのない相手に何を言えばいいのか。
          色々悩んでいると先程言葉を掛けた後返ってきた何かが気になりだしもう一度言ってもらうか考えるも、この状態のままいつまでもいるわけにもいかないと意を決して話しかけることにした。
          「・・・あのー・・・さっき何か言ってた気がするんですがー・・・何を言ったのかもう一度お願いできますか?」
          少しでも気を抜けば震えるだろうと力を入れて聞いてみるも相手は黙ったまま何も言わない。
          困ったなーとあれこれ考えていると今度も低く聞き取れにくいが何かが耳に届く。
          もう少し大きく言ってくれれば分かるだろうと相手にお願いの意味で声を掛けると少しずつだけど意味が分かってくる。
          「・・・とは・・・い」
          「え、何?」
          途切れ途切れに聞こえるせいでまだ言いたいことが分からずまた聞き返す。
          「・・・れた・・・は・・・いわ・・・ない・・・」
          あと少しで分かるだろうと繰り返される言葉に耳を向けていると今度ははっきりと聞き取れたがあまりの急な出来事に意味も分からず耳鳴りが響き続けた。
          「忘れたとはあああ言わせないいいい」
          何が起こったか分からないまま高い音が鳴り続けたまま暗い空間に引っ張られる感覚に慌てるが抵抗できずに吸い込まれていた。

          「・・・は、あなた次第です」
          薄らと明りが見えてきたと思うとすぐに耳に入ってきたのは若干低く言い放つナレーションの声で目を開くとどうやら心霊関係の番組が流れていた。
          「・・・なに、これ?」
          ダイニングルームのソファーに寝そべっていたらしく体を起こすとそれに気づいたお母さんが声を掛けてきた。
          「理恵、起きた?」
          夕方わ射しが消えって来た時にはテレビ点けっぱなしで寝てたからそのままほっておいたの」
          「私が、寝てた?」
          「そうそう。
          あまりにも気持ちよさそうだったから邪魔しないようにしようと思ったから」
          「・・・そう、ありがと」
          起きたばかりであまり動かない頭でお礼を言うも夕方帰ってきてそのまま寝た覚えがない。
          「もう夕飯出来てるけど食べる?」
          お母さんの方を向くと他愛無い笑顔にどこか安心できたようで激しく動いていた心臓が穏やかに収まっていた。
          「うん、食べる」
          起きあがりテーブルに向かうが、今だ意識がはっきりしないようで足元がふらつくがなんとかたどり着き席に座る。
          「ねー、お母さん。
          私怖い番組とか苦手なんだからあの番組流すのやめてよ。
          おかげで変な夢を見た・・・」
          寝て居ても無意識に周りの音に影響して変な夢を見ることもあり、今付いている番組があの夢につながったんだろうと不満を言う。
          「何言ってるの。
          理恵が点けっぱなしにしてたからずっと点けてただけで、私何もしてないわよ」
          「じゃあ、偶然あのチャンネルが心霊系の番組になってたの?」
          「そうよ。
          大体私帰ってからすぐ夕飯作りしたんだからチャンネル変える暇なんてないよ」
          「そうなんだ」
          一言そう言うと出されたおかずに手を付けて黙々と口に運ぶ。
          それにしても変な夢を見たと霧がかった夢を思い返してあまり夕飯の味は覚えていない。


      [251] Re[22]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2015/05/15(Fri) 21:34:57)


          夕飯を食べ終わった後またソファーに寝転ろがりゆっくりし、明日の準備をするために部屋へ戻った。
          しかしいつ家へ戻ったのか未だに思い出すこともできずどこかもやもやしている。
          覚えていることというと学校の帰り心底心細く思いながら帰りを急いでいたという所までで家の曲がり角まで着いたということすら記憶にない。
          「いったいどうなっているの・・・?」
          思わず口に出してしまう思いに不安が余計に押してきているようで気分も晴れない。
          夢遊病にでもなってしまったのか、この言葉ならなんとなくだがしっくりくるものがあるが帰り道いきなり眠気が襲ってきて寝てしまうそんな器用なことができる性格じゃないと理恵本人がよく知っていた。
          しかし、知らない間にいた場所が変わっていたということをどう説明すれば良いのか分からないのも確かで、一番的確で納得できる理由としてはこれがしっくりくる。
          「夢遊病・・・
          寝ている間に知らずと歩いている・・・っていうものだったはず」
          あまり詳しくは知てはないが、大体こんなものだという程度だ。
          今までまったくこういうことがなかっただけにおかしなことが続く不安から時計をなるべく見ないようにし夜を過ごしていた。
          時間の感覚がないまま部屋にいたためどれくらい過ぎたか分からないが、一回から聞こえていた両親の足音も聞こえなくなっていた。
          深夜になっていることが確かだと分かると明日の準備をある程度済ませ寝ることにする。
          少しずつ進んでいく音を耳にしながら薄れていく意識を実感ができた。
          けれどそれが邪魔をしてしまいまた現実に戻っていた。
          知らない間に出歩いていたらどうしようと、考えてしまい目が覚めていく。
          長く布団の中でがんばってみたが、眠れることなく体を起こす。
          いつの間にかパジャマが張り付いていて気持ち悪く思い布団から出ると適当に部屋にある本を選び読むことにするがなぜか集中することができない。
          電気をつけずに呼んでいるせいだと体を傾けを当てようとするが無理があった。
          小さくため息をつきもう一度布団に返り眠ろうとしてみると、どこから来るのか分からない寒気が一気に体を駆け抜けた気がすると、目を閉じたその先に全身真っ黒い人物が後ろを向きに立っている。


      [252] Re[23]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2015/06/18(Thu) 19:39:35)


          寒気がまた襲ってきたと思うと自然に体を起こしていた。
          瞬時に周りを見渡し警戒心を剥き出しにするが、それと同時に物音ひとつない部屋に安心と不安が同時に湧き上がり自身どうしたのか困惑していた。
          いった今何が起こったのかパニックが起きている頭ではきちんと判断ができないことを知ってはいたが落ち着くためにあれこれ整理をしていく。
          その中でひとつ思い出したことは全身真っ黒い人物に追われていたんだという事実なのか夢のことか曖昧だけれどたしかだった。
          「私・・・たしか帰りに掴まれて何か言われたんだけどそこで周りが暗くなった気が・・・」
          小さく確かめながら呟いていくが自信がなく曖昧に思い出していく。
          なぜ黒い人物は何の理由もなく追いかけてきたのか恐怖とともに疑問に思い深く頭に浮かべてもまったく持って関連するものが出てくることがなかった。
          全身を黒で統一する人にもし今まであっていたとしたら印象深くなり忘れることはないと思う。
          しかし相手は知っていたらしくだから追いかけてきたのだろうと思うがただ、無差別に誰かに恐怖心をあおろうとあんなことをしたのかという考えも出てくる。
          もし偶然理恵が通りかかったからターゲットとされたのならもうこんな怖がらせることはやめてほしいと思い今度会うことがあればやめるよう注意しようと決断をした。
          しかし、もし夢だとするとただの悪夢とも言えるが、頭に付いてしまった以上いつまた出てくるか分からないくそれが余計に恐怖になった。


      [253] Re[24]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2015/08/11(Tue) 18:43:10)


          「理恵、ご飯できてるから早く起きなさい」
          枕元に顔を近づけ大きく怒鳴るお母さんにようやく気が付いた様で目線を合わす。
          たった今目が覚めたせいでお母さんがぼやけて見えた。
          「・・・お母さん。
          今何時?」
          完全に目が覚めてない理恵は目を軽く擦り訊ねると呆れ口調に返事が返ってくる。
          「7時12分よ。
          いつもより遅いんだから早く仕度しなさい、ご飯も冷めるわよ」
          言うだけ言うと何か独り言を言いながら部屋を出て行った。
          あたりを見渡し穏やかな日差しが周りを包んでいることに安心ができて仕度をやり始めた。
          昨晩とだいぶ違いどこか落ち着いている自分自身に少し違和感はあるが、普通ならこれぐらいの安心があってこその日常だろうと逆に喜んでいた。
          完璧に準備を済ませ下へ降りるとお母さんは朝食をテーブルに置いたまま朝のニュースを見ていた。
          窓辺に置かれた時計に目をやるといつもより大幅に遅れていると気づき急いでテーブルに向い朝食を口にかけこみ入れてテレビに目を向ける。
          少しの作業にあっという間の時間経過を焦りチラチラとテレビに映し出される時間を気にして最後の目玉焼きを食べ終わり立ち上がる。
          「ごちそうさま」
          いつもの習慣で食べ終わると無意識に口に出る言葉を言い洗面所で一通りの作業を済ませ玄関から出ようとしていた。
          「あ、理恵。
          それで毛糸はもらえたの?」
          急いでいるときにお母さんのマイペースな質問をされて一瞬あっけにとられたが、前に頼まれていたことだと思い出し軽く(あー)と返事をすると急いでいることをジェスチャーで伝え玄関を出て行った。
          その間に後ろから小言が聞こえたが、聞こえないフリをして出て行く。
          「そういえばもらいに行かないといけないっけ」
          気が進まない用事を頼まれ、学校に着くまでそのことで悩んでいた。


      [254] Re[25]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2015/09/30(Wed) 22:48:26)


          日がちょうど真上にあがった時昼食時間になった。
          午前授業も終わり一息入れるところに友人同士集まりお弁当を開けていく。
          「理恵のお弁当って、大きさに比べたらおかずがだいぶぎちぎちに詰まってるよね」
          「ほんとだ、少しでも何かが欠けたらすぐにはみ出してきそうな勢いだね」
          すぐそばに座った千恵に続き感心した顔で中身をみてくる。
          「あはは、いつもこれでもかってぐらいお弁当に詰めてくれるんだよね、なぜか」
          お弁当の容器に合わない量を入れてくるお母さんに内心文句をつけながらもごまかす事のできない中身がすこしでも隠れるように蓋を半分かぶせ、状態を何とか維持しようと少しずつ箸を動かす。
          「私は羨ましいと思うけどな」
          ちょうど真ん前の席に座りギリギリのラインまで詰められたおかずを眺め一言言われたが、なにに対して羨ましいのか全くわからず真顔で真ん前を見つめる。
          「だって、それだけ多く食べなさいって作った人の気持ちが伝わってくるじゃん」
          「本当に、栄養のバランスを考えてくれた結果がこうなんだからちゃんと、理恵を思ってのことだって分かるよ」
          真ん前の隣からも感心したという表情をしお互い盛り上がっていた。
          たしかに食べる人のことを考え作ってくれることはとても嬉しいことだけれど、ここまてぎちぎちに入れられてしまうと逆に食べにくさが先に出てきてどこから橋をつければいいか考えなければならなくなり昼ごはんぐらいは何も考えずに気楽に食べたいと思う所から迷惑でしかなかった。
          しかもほとんどが夕べのおかずで今朝作っただろう物は茹で上げてあるブロッコリーとにんじんしか見当たらない。
          奇妙な薄ら笑いを浮かべてしまった理恵は朝食を思い出しまた微妙な心情になる。
          楽しそうな表情で会話が続く中、まだまだ残っている弁当を食べ進め、いつもながらの弁当の量をほぼ無心で食べ続けていた。
          「そういえば、午後から美術だけど出されていた課題終わった?」
          「あー、あと少しで終わるけどどうも最後の最後が納得いかないんだよね」
          「分かる、どうも何かが違和感あるんだよー」
          二週間前に出された彫刻の完成図を仕上げてくる課題の話をしているのだろうとようやく減って場所ができた所々のおかずは原型を残さずに力なく転げている。
          千枝を見てみると周りのこと課題に対して色々言っているが、それに参加する気もおこらず黙々と食べ進める。
          「理恵はどう?もう課題はすんだ?」
          突然そう聞かれてほぼ無心になっていたために呆気にっられる表情になるがら課題という言葉に軽く頷く。
          「私はまあまあかな。
          あ、でも輪郭とかがうまくいかなくて…」
          「輪郭なんてやってみないと分からないよ。
          どんなデザインになったか見せて」
          何かを期待している目に断ることもできず黙って立ち上がり席に向かうとかけてあったカバンから紙を取り出しそれを渡す。
          千枝渡したはずが次々に手が渡り皆期待していたものと違ったようで真顔になていく。
          「…聞きたいんだけど、これだれ?」
          一番始めに質問してきた千枝から紙を受け取り普通に自分を書いたつもりでいただけにはっきりと意思を示したが、紙に書かれていた人物は表情は付いておらず、前髪で隠された猫背の男の子が目に映る。


      [255] Re[26]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2015/12/23(Wed) 21:32:56)


          覚えのない絵を眺めてどんな間違いをしてこの絵が今あるのかあれこれ考えてみるが明確な答えを見つけられずにただ呆然としているだけになっていた。
          ひょっとすると家で誰かが書いた絵を取り間違え持ってきてしまったのかと思ってみてもそんなはずはないと否定をしていることに余計正確な答えへ行きつかない。
          考えている間眺め続けていたせいか友達数人も一緒になって見る形で半分からかうように声をかけてくる。
          「もしかして、絵に書かれてる人って理恵の知り合い?」
          「あ、近所に住んでいる子をかいたんだよね」
          そんな声に答えてる余裕もなく全く持って見覚えのない人物に加えて前髪がほとんど顔に係り顔が見えないことにどこか背筋が凍る思いがわいてくる。
          じっくりと見たいわけでもないのにこの人物を見ていなければ猫背に前かがみのせいでいまにも飛びかかってくる気迫をかんじてどうしようもなく頭があくせくしていた。
          「始め見たときびっくりしたけど近所の子を書いてたんだね」
          「脅かそうと思って何も言わずに私達に見せたの?」
          「あれ、でも今回は自分の絵を書かないといけなかったよね」
          口々に色々といってくるが一番混乱している絵はただイスに座りその人物が誰かを人物探索に忙しく周りの話は聞こえていない。


      [256] Re[27]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2016/02/26(Fri) 16:11:55)


          絵を眺めていると周りが勝手な解釈をしていき、もしかしたら理由はそうなのかと時々聞こえてくる話し声に反応をしてみるがやっぱりどこか違うと頭が混乱していく。
          「理恵、絵は上手くできていると思うけど今日の宿題は短な人なんじゃないからどうするの、それ」
          あまり焦った風には言わない友達はしょせん他人事でもし注意や少々怒られるとしてもこの絵を間違って書いたのは理恵なのだから関係ないと言ったようすで尋ねられる。
          「・・・」
          その言葉に答えられずに見覚えのない絵をやっぱり見つめ続けていた。
          微動だにできない理恵をおいて周りは昼ごはんを食べ終わり始めると次の授業への準備をはじめ使っていた机を元に戻していく。
          大きくくつっけていた机は徐々に離れていきとうとう千枝と理恵の机だけになっていた。
          「理恵、それ本当にどうする?
          さっき三坂が言っていた近所の子を書いたんじゃないんでしょ?
          それに絵に書いてあるような子、いなかった気がするけど」
          今までいた数人の友達と違い千枝は心配そうに言い、モデルの子が実在しないことを言い始めて頭でもやもやしていたものが取れた気がした。
          「やっぱり、千枝にもこの子、見覚えないよね?」
          「…うん」
          何度も理恵の家に遊びに来たことのある彼女には本当のことが聞けた。
          それなら本当にこの人は誰なのか。
          次の授業が始まる知らせが鳴るまで教室が二人だけになったことに気づくことなくその人物を頭で追っていた。


      [257] Re[28]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2016/06/19(Sun) 22:39:20)


          長い間その人物を追ってはみたけれど、やはり思い当たる人が居たわけではなかった。
          どういう経緯でこの絵が出てきたのかが分からず余計に頭は混乱していく。
          「理恵、次の授業が少しで始まるからとりあえず移動しよないと」
          絵に気を取られていたせいで、授業が始まる五分前になっていたことにも気付かず周りも誰一人残っていなかった。
          千枝は教科書と宿題で出された絵を横脇で挟んだ形で急かしてくる。
          しまったと慌てて机を元に戻し教科書を抱えて移動をし始めた時、不気味であってもとりあえず書いてきたことには変わらないことを先生に知ってもらうためあの絵を取り教室を出た。
          昼休みも終わり、開始時間がくるほんの数秒差でなんとかたどり着いた。
          同級生はすでに各自書いてきている絵を見せ合い何かと楽しそうにしているのを見て抱えてある自分の絵を思い出してなにか底知れない不気味さが体を覆い尽くそうとしているような気がして悪寒を感じる。
          振り払おうと急ぎ足に自分の席に座ると顔を伏せてあの絵は幻であるのではないかと願ってみるが、夢でない限りすり替わっているはずもなかった。
          どこで絵を間違えて持ってきたか頭で整理してみるがきちんとカバンの隣に書いておいた物を置いた記憶があり、何度考えても間違えるはずがなかった。
          そのあと一階に降りてカバンをソファーに置いたあと朝ごはんを食べていた間にお母さんがいたずらか何かですりこませていたのかと考えると、テレビをちょうど見ていてカバンの近くにいたということでチャンスはじゅうぶんにある。
          「さてはお母さんが…」
          少し大きめにつぶやいた事が周りに見られていたと気づいたのはすぐの事で前を向いたと同時に先生や同級生と目が合ってしまった。
          「高峰さん、どうしました?」
          普段は普通に砕けた話し方をする先生がやたらと丁寧に聞いてきた事で今は窮地にいるという事が誰にでも分かるほど冷静で声までが少し高い。
          「い、いえ。なんでもないです」
          先生の怒りと周りの目線に耐えられず、お母さんのいたずらなど忘れてしまいそうなほどの焦りに顔を再び伏せてこの状況が過ぎるのを静かに待つ。
          「お母さんとなにがあったか分からないですが、今は授業中ですよ。
          きちんと気持ちは切り替えてくださいね」
          丁寧な口調は変わらずどか突き刺さる言い方をしながら注意をし終わると今までの話し方が終わりいつも通りになっていた。
          先生が変わった事で刺さっていた視線も徐々になくなり普段どうりの授業が始まったんだと切り替えるよう思ってみるが、やっぱり疑う人ができた事で気持ちの奥はどこかもやもやするものがある。


      [258] Re[29]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2016/06/24(Fri) 21:18:10)


          授業は何事もなく進み、皆真剣な表情をし書いてきた似顔絵を元に板を彫り進めている。
          理恵はとりあえず持ち込んだ絵を先生に見せて訳を離そうとしたが、容赦なくやり直しを指示し周りより遅れて自分の絵を書いていた。
          本来なら同じ要領で彫り始めてるところまた似顔絵からということで心の中には不満がかなり溜まってはいたが、黙々と作業を進めていく。
          隣を見るとかなり彫ったようで輪郭や目元などがはっきりしだし、できればこうかんしてくれないかなどと全く現実味のないことを時に考えながら机の中にあるあの絵を考え、お母さんのいたずらに未だにもやもやするものがあった。
          こんないたずらをされて、頼まれていたことをすっぽかす口実にならないかと色々思いながら書き進めていると、いつの間にか授業が終わる時間が来ていた。
          終わるさいに先生が理恵の方を向いて無言の圧力なみな表情をしたと思うと作業関係のことをいい終わり教室を出て行った。
          周りは片付けに取り掛かり、似顔絵を書いていたために特にやることはなく描ききれていなかった部分を付け足し千枝がやって来たことで中断をする。
          「理恵、やっぱり美術の先生て怖いよね。
          怒鳴らない代わりに冷静にしかもトゲが刺さる言い方で注意してくるからね」
          「本当にそうだね、できればこんなことないようにしたいけど…」
          危うくお母さんのいたずらでと言いそうになったが、寸前のところで言葉を切る。
          どうやらそうしたことには気づかなかったみたいで軽く肯定をしてくる千枝と共に美術室を出て行く。


      [259] Re[30]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2016/06/30(Thu) 14:55:56)


          教室に着くとすぐに席へ戻り少しでも皆に追いつこうと授業で途中まで書いたにがおを取り出してみる。
          まだ半分といっていない絵は空白な部分が多く危うく見える氣がした。
          「さて、少しでも進めようかな」
          自身に言い聞かせるように呟きシャープペンを持つと休み時間いっぱい使い書き続けていく予定だったが、理恵の気持ちを知らない友人がいきなり声をかけてきて顔を上げた。
          「ね、今日の放課後って暇?
          もし暇なら一緒にショッピングしようよ」
          「いきなりどうしたの?」
          「いきなりって、まだ誘ってなかったの理恵だけだったからさ」
          楽しげにそういってくる友達に今なにをしているか机の上を見て欲しいと考えながら答える。
          もうこの誘いを断ることはすでに決まっていた。
          「せっかだけど…」
          「今日、あの店セールなんだって行こうよ」
          すぐさま断ろうと口にしてみたが、それを覆い尽くすように遮られた。
          「私はいいよ、別に欲しいのないし」
          「ないとしても行こうよ、楽しいよ」
          行くというまでしつこく誘ってくるのだろうと目の前の友達を見て思う。
          だからといって用のないところに行くとしても何の意味があるのかを考えていた。
          しかももう午後の授業に入って二つ目になろうとしている時にこんな話をされてすぐに行こうと思う人はいるのかを考えた。
          「でもさ、こういう話ってもう少し早くしない?」
          「遅いも早いも関係ないって」
          「午後から予定がもしあったとしたらどうするの」
          「それは残念だけど無理には誘えないな」
          なんという呑気な人なんだと会話をしていて思っていた。
          後先考えずに行ける人は行こうと言うことなのか、ということは幼児を作って行けないということにしようと理恵は思い無理に残念という表情をすると続くて言葉が出る。
          「ごめん。今日お母さんに頼まれごとをされてて学校に来る前に言われたんだよ」
          「それってどんな?」
          「…」
          用事があるというのを言えたまでは良かったが、詳しいことはあまり考えていなかったために言葉を詰まらせてしまった。
          「もしかして何か買ってきてだったら、丁度行く途中にある商店街に行って済ませようよ」
          「…うん」
          これ以上言いようがないため頷いてしまった。
          友達は嬉しそうに立ち上がると固めでなぜかウインクをするとひとこと言い去っていった。
          「約束だよー」
          その姿を見送り断りきれなかった自分にため息を吐くと途中にしていた似顔絵を書こうとシャープペンを動かしていたところ授業は始まってしまった。


      [260] Re[31]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2016/07/12(Tue) 16:21:26)


          楽しそうに会話をする友人を横に気の抜けたように少し遅く着いて行く。
          「私さ、今日のセールで可愛いスカート買いたいんだよ」
          「私はスカーフ」
          「それ分野違うじゃん」
          なんだかんだ言い合いながらその光景にやっぱり来るのではなかったと少し後悔をしながら会話を聞いていた。
          そんな理恵に不意な感触がし振り向くと少し先輩そうな顔をした千枝がそこにいた。
          「理恵、やっぱり少し引っ張られて参加した?」
          「…うん、まあね」
          「そっかー。確かに理恵がセールに行くなんてあまり聞いたことないもんね」
          千枝の言葉に少し疑いを持ったが、心配してくれての言葉なんだろうと思い直した。
          「まーね」
          短く返事を返した後前を歩いている友人をみつめた。
          休み時間、上手く断り切る口実を見つけれなかった理恵は一緒に遊びに行くことを強制的に参加することになっていた。
          学校が終わった放課後、勢いよく席に来たと思うと高いテンションで乗せるように連れ出されてしまう。
          たった数分前のことをなんとかそこで断ることができなかったのか悩んでいた。
          そばで心配そうな顔をされてるとも知らずに千枝でなく先にある店を今から見据えていた。
          商店街に入るとやっぱり人数は増えていき並んで歩くことがいつもながら困難になる。
          前の友人はどうしているのだろうと見てみると向かいからやってこようと追い越されようと横並びが崩れることなく綺麗なままだ。
          「凄い」
          思わず前の光景を見て出てしまった言葉になんのことか千枝も目線に前をすると同じ言葉が聞こえた。
          どんな人が来ようと構わずに突き進むその様子は見えない壁でもできているのかと思うぐらいに感心できた。
          「そういえばさ、この前…」
          隣で話しかけてきた理恵に反応するが、あまりのあっぱれさに目が離せずにいる。
          「理恵、聞いてる?」
          「ああ、うん聞いてるよ」
          思わず適当に返してしまったが、気にせずに話し続けているがまた適当に相槌をうつだけになってしまった。
          ようやく商店街を抜けようとしたところで駅が見えてくると高かったテンションがさらに上がったようで早足にかけていくところを唖然と見ていた。
          「どうする?ほっといて別の所に行く?」
          置いていかれそうなことをチャンスというばかりに千枝が聞いてくる。
          「う、うーん」
          何も言わずに別行動をするのは少し気がひけるが別に欲しい者があるという訳でもないため別れるなら今が絶好の機会だ。
          「じゃあ、あとでメールするということで違う所行こうか」
          気楽にそう言うと千枝も同じことを思っていたらしく頷いてきた。
          来た道を引き返し入り口付近に小さな飲食店に入った。
          夕方なだけあってやっぱり学生課多い気がして席があるかすこ心配にはなったかすでにカウンターへ並び始めた千枝に慌てて着いて列に並んだ。
          数人前にいたお客さんが注文を済ませると順番がやってきてメニューの方へ目をやった。
          適当に飲み物を選び席を探しに行くとテーブルはすでに埋まってしまってカウンターにちょうど二つ空いていたところへ座った。
          「やっぱりあまりにあのテンションにはついていけないよね」
          「うーん、まあね」
          勢いがすごかった友人の話を始め一時間ほど話しつづいた。


      [261] Re[32]: また、会える

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        ・投稿者/ 岸間 -(2016/07/29(Fri) 21:25:39)


          会話をしていると、テーブルのうえに置いていた携帯電話が鳴り結構な時間が経っているのに気づいた。
          画面に表示されていたのは途中別行動をした友人からでなく意外にもお母さんと出ている。
          「ごめん、ちょっと電話に出るね」
          一言そう言い一つボタンを押すと耳に携帯を近づけ返事を待つ。
          「理恵、今日何時ぐらいになる?」
          珍しく予定を聞いてくる声に少し不思議に思うが時間もそろそろ帰る時間だと帰ることを言うと納得したようにそのまま切れてしまった。
          「お母さんが珍しく電話してきたんだけど」
          「結構奔放そうなにね」
          「うん、電話で言ったようにもう帰るね」
          そう告げて立ち上がるとトレーを返却口まで返し途中分かれ道で別れた。
          「じゃあまた明日」
          「うん、またね」
          互いに出を軽く振り帰路の道へ進んだ。

          「ただいまー」
          辺りがまだ暗くなりかかっているというだけなのになぜか家中の電気が付いている。
          「あ、帰ってきた?」
          台所の方から疑問がかった返事が返りそのま玄関から台所へ進む。
          何時ものように夕飯準備をしているようでテレビの音声とともにフライパンが鳴っている。
          「うん、いつもあまり電話してこないけど今日はどうしたの?」
          不思議に思ったことを率直に尋ね、お母さんの様子を伺った。
          「いやなんとなく遅いなって思って電話しただけだよ」
          「そうかー」
          なんの変わりないお母さんになぜか安心をすると軽く返事を返し台所へ出ようとドアを開ける。
          「理恵、それであれはどうなった?」
          一瞬何のことかわからなかったが、分かると同時にすっかり忘れていたことを焦り台所の方へ向く。
          特に起こる様子もなくただ返事を待っているお母さんを見るとなんて言えばいいか言葉に詰まってしまった。
          「…また忘れてたのか。」
          ぽつりと呟かれ悟られたことに気づくと全身から汗が出てくる感覚に陥る。
          「いや、だけどね誕生日まであとまだ少しあるじゃん」
          「まあそうだけど」
          「だから今日ぐらいまだ忘れてたって間に合うよ」
          なんとか言い逃れようとあれこれ言葉を組み立てて納得いくように次々と出ていた。
          「でも私が作るのは編み物なんだけど」
          細めた目から言い訳などしないで早くもらってこいと言いたいのが伝わってきて口ごもる。
          「だ、だから毛糸もらってくるから少し待ってね」
          それだけを言い残し即座に台所を出て行った。
          後ろからはお母さんの
          「今日ていうわけじゃないんだよね」
          とトゲトゲしい言葉が飛んてきたが聞こえないフリをして自室へ入っていく。


      [262] Re[33]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2016/08/30(Tue) 18:00:14)


          自室に戻ると机に置いといた携帯に目をやり操作をしてみると着信履歴が出ていた。
          たぶん昼間途中で離れた友達から小言を言おうとしてかけてきたのだろうなど考えかけ直したほうがいいと思いつつその気になれない。
          お母さんからも半分嫌味を言われ、友達からも言われると思うとどこかで止めている自分に気づいた。
          といっても両方理恵が悪い部分があるのも分かっていたがそれでもかけ直す気にはなれなかった。
          「はあー」
          ため息を吐いたあとダイナミックに机にうつ伏せ横を見ると携帯が映る。
          何かをやる気にもなれずにただうつ伏せたままが続きお母さんの呼ぶ声が聞こえるのは15分ぐらいが過ぎた辺りだった。
          「理恵、夜更かししないで早く寝るんだよ」
          毎日のようにそう注意してくる声にげんなりとして内心、反抗するように怒鳴っていた。
          それだけでは足りず知らない間に口からも出ていた。
          「うるさいなー」
          言葉を言ったあと無言で外の音を聞いてみるともうお母さんはいないらしく静かで反論は聞こえてこなかった。
          体を起こし携帯を少しいじると風呂に入ろうと用意をし一階へ降りる。
          台所の様子を見てみるとどうやらテレビを見ているらしく音声が聞こえてきた。
          洗面所へ入り支度をするとお湯に浸かりどこかリラックスできることができて今までのモヤモヤしたものがどこかに行くのを感じる。
          数分温まり髪を洗ったあと風呂から出て二階へ向かう。
          その間もまだテレビの音声はだだ漏れになっていて見ているのだと簡単に理解ができた。
          二階へ上がり自室へ戻ると濡れた髪を乾かし机に目をやって携帯を見ると千枝からのメールが来ていた。
          「なんか変なメールが来ていたんだよ、意味がわからないよね」
          そう書かれ下に写真が付属されてるのに気づきスクロールしていくと、長く垂れた髪に洗いたてなのか濡れて髪はうねりを写していた。
          どこか嫌な予感を感じながらそのままスクロールしようか迷ったが、予想は外れきっと笑える画像なんだと理恵は自分に言い聞かせ千枝とともに笑い合えるようスクロールしていく。
          うねった髪は下へ垂れ下がりいよいよ顔部分に差し掛かっても髪が邪魔をして表情を見ることができない。
          「…これって…」
          予感が的中しそうでその場で手をて止めようとするが、無意識と好奇心から下へ下げていく。
          とうとう顎まで来たところで髪はまだ下へ続いていたがそれ以上下はないらしくスクロールはできず、しかしやはり嫌な予感は的中してしまった。
          どこかで見たことがあるというのは安易な言い方で見たもなにも昼間に美術の宿題として出された自画像がすり替わっていた絵が携帯の画像として映し出されていた。


      [263] Re[34]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2016/10/01(Sat) 17:36:38)


          当分携帯の画面を見つめていたが、なんとも言えない不気味さが全身から湧いてきて一歩も動けずにいた。
          画面が画像からコールに変わり千枝と名前を見るとすぐに通話ボタンを押した。
          「やっぱり誰かのいたずらかな。
          こんな画像を送ってきてさ」
          間延びする声にどこか呆れている感じが入るその声にどこかで見たことはないかと聞いてみたい感覚に襲われるが、それを言ってしまうと千枝にも恐怖を味あわせてしまうのではないかと一瞬で押しとどめた。
          「…だね、たぶん誰かのいたずらなんじゃないかな。
          じゃないとこんな画像を撮れたりしないよ。」
          「だよね、結構遅くにごめんね。
          じゃあまたメールするからね」
          そう言い終わると通話は切れてまたあの画像が現れる。
          不気味に思い、そんなに長く見ることができないためすぐにページを閉じてとりあえず布団に入ることにした。
          しかしなぜあれが二回も出現したのか理解できずにいつもはあっさり眠れる理恵は考えてしまいなかなか寝付けないでいた。
          宿題に紛れ込み、今回変なメールとして出てきた人物は何かを伝えたいから出てきたのかそんな考えとなっていた。


      [264] Re[35]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2016/10/26(Wed) 15:40:30)


          千枝との電話が切れてからだいぶ経つが寒気と鳥肌のせいで動くことができなかった。
          今すぐに消したい画像が今もなお画面に出ていることが怖くて汗が止まらない。
          なぜこんな画像が出てきたのかいくら考えても理解できず、頭を悩ませていた。
          「どうしてこんなのが今あるの」
          ようやく出た言葉だったがそれ以上に恐怖で何も言えない。
          ただ立ち尽くす中で嘲笑うように画面がやたらと明るく光りそれが余計に恐怖を煽ってきている。
          机に置くと携帯から距離を置くと後ずさりをしたあと壁にぶつかってしまった。
          勢いよくぶつかったせいで一瞬だけ壁に飾っていた写真が揺れた気がした。
          「あ、はははは
          気にすることなんかないよね、偶然同じ日に見たことがある画像にあっあただけなんだから」
          誰に言うわけでなく一人つぶやきとりあえず落ち着くことにした。


      [265] Re[36]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2016/11/16(Wed) 18:04:34)


          しばらく携帯から遠ざかり別のことを考えることにしてみるが、今は静かに置かれてある携帯が気になって時々机へ顔を向けていた。
          なんとも動かないがそれは今が今かとそうさしにこないか待ちわびているように見えた。
          壁寄りに座り漫画に集中しようと間を詰めてみるが、視界に少し机が映るたびに慌ててより距離を詰めた。
          基本好きな話を読んでいると周りが何か起こってもあまりきにすることない性格であるが、今回はそうもいかずに内心焦りがより多くなる。
          「明日になればきっと千枝どない笑ってるはず、そんなに気にする必要なんてない」
          さらに言い聞かせるよう少し大きめに呟くとベットへ潜り込むことにした。
          ベットとセットになっていた小さな本立てに読んでいたほんと携帯を置くと小さく息を吐き被った布団に顔を埋め目を瞑る。
          どれくらい潜っていたかわからないが、だいぶ時間が過ぎたんだろうと顔を出してみる。
          相変わらず静かな部屋に少しホッとしもう少し布団をどかした。
          何時か確認しようと頭上にあった携帯を手に取り開く。
          いっきに寒気と同時に携帯を落とし顔を青ざめていた。
          「なんで開いて島田んだろ…
          なんのために時間つぶしにしていたのか今のでわからなくなった…」
          震える声でそう呟き、削除ボタンへと指を動かし、確認してくる文を無視をしいっきに再びボタンを押した。
          削除しましだという知らせをこんなに爽快な気持ちで眺めたことはなかった。


      [266] Re[37]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2016/11/25(Fri) 21:15:07)


          携帯から画像を消したというのにどこか落ち着かない状況にいた。
          一心に忘れようと漫画を読み続けてみるがすぐそばにある携帯が気になる。
          もう何も考えずに電気を消して寝ればいいのだろうと分かっていてもどこか落ち着かずにそわそわとした。
          何も言わずにただ部屋を照らしてくれる電球にほっとしつつそばに置いてあるものにゾッとする。
          そんな夜を過ごしていると過ごしてカーテン側が微かにあかるくなり始め、夜明けがやってきたのだと今までにないほっとするものが湧いてきた。
          これで暗く心配する必要はないのだと千枝に連絡しようと携帯を取ってみるが、開いたらまたアレがあるような気がしてなかなか取ることができない。
          「もし、まだあの画像があったら…」
          当の前に削除したはずの画像を思い浮かべて全身が寒気に襲われる。
          「いや、間違いなく消したんだ、自分を信じればいい」
          強くそう呟き、思いっきり電源をつけてみると見慣れた画面が映し出されて一安心わした。
          しかしそれからの操作が鈍くなかなかいつものスムーズな操作ができないでいた。
          「五時過ぎか…たぶん寝てると思うけど連絡だけ送るか」
          みじかくつぶやくと一言(起きてる?)と打ちおくる。
          いつまで待っても返事がないためまだ寝てるんだとまた漫画をよみはじめる。
          時間が進むにつれて明るくなる外を背に少しの眠気が出てきたところで近くから軽い音が聞こえた。
          振り向いてみると携帯が何かきた知らせを表示をしきっと千枝なのだろうとすぐさま開く。
          (おはよ。理恵ちゃん、元気にしてる?
          また絶対に会う機会があるからそのときが楽しみだね)
          一見明るく普通の友達からのメッセージだと思うが千枝からでなくさらに差出人がむめいになっていた。
          昨日の夜からのことだからとまたあのぞわっとした寒気が立ち上がり布団の上に思わず携帯を落としてしまった。
          どうやら送りつけてきた人物は理恵のことをよく知った口ぶりできたが、そんなに親しくしている友人は片手を数えるほどしかいなかった。
          もし知った人物ならば送りつけてきた人物はになまえは書かれていてどれかすぐに分かるようにしているため余計に恐怖がせり上がってくる。


      [267] Re[38]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2016/12/05(Mon) 18:26:15)


          昨夜から今朝にかけて意味のわからない画像やメールによって眠ることができなかった。
          少しは眠ったのかもしれないが、全く眠った感覚がなく神経がずっと逆立っているように緊張している。
          時計を見ると七時過ぎになっていてそろそろ準備をしなくてはいけない時になっていた。
          しかし眠った感覚がなく、一晩中神経を張り巡らせていたせいか疲労と似た感覚に陥り行く気になれないでいた。
          いつまでも布団の中で寝っ転がっているとお母さんがやって来て起こそうとなんだかんだ言って来るが、今の理恵にとってそれはとてもどうでもよく思えて学校に行く気力さえなかった。
          「いつまでそうしてるの、良い加減に起きないと遅刻するでしょ」
          「今日はなんか行きたくない」
          「行きたくないっていきなりどうしたの」
          いつも割と寝坊により行く気のないって理恵と様子が違うように見えて少し心配をし、おでこに手を当てて見るが熱が出ているほどあついわけでもない。
          「ほら、風邪引いてるわけじゃないんだから早く準備をして学校行きなさい」
          「だから今日はなんか行きたくないんだってば」
          今まで壁の方へ向いていた体はお母さんに向かって思わず大声を出していた。
          「なんだ、元気じゃん。
          それなら準備しなさい」
          勢い余って出た言葉がお母さんには元気と、捉えたらしくすぐに部屋を出て行ってしまった。
          「…わたしの気も知らないで」
          一人ぶつくさと言いながらなんとか布団から体をあげると制服の方へ目を向け手を伸ばす。
          少し時間をかけたが服装を変えていつも学校へ行く制服と変わった。
          カバンに必要なものを詰めて台所へ向かい朝ごはんを流すように食べてまた部屋へ戻る。
          忘れ物がないか少し調べるとカバンを持ちベッドの本棚に置いてある携帯を手に取ろうとするが、あのメールを思い出し体の芯が凍るのを感じた。
          持って行こうか悩んだが、ないければなにかと不便なこともあるだろうと思い切って持ち、素早くカバンの内ポケットへ閉まった。
          「理恵、本当に急がないと遅刻するわよ」
          お母さんの言葉に適当に答えると部屋から出て玄関に向かう。
          「いってらっしゃい」
          笑顔で見送るお母さんを見て、無言で催促しているのだと分かると靴を履き外へ出て行く。
          「わー、本当にギリギリだ。
          少しテンポあげて歩かないと」
          早足に通る住宅街で偶然斜め向かいの住人の人に出会いお母さんの頼まれごとを実行するなら今だと話しかけようと近づいて行く。
          「おはよございます」
          「あら、おはよ。
          ここで会うのも珍し能わね」
          にこやかな笑顔になんとなく安心感が生まれ頼みごとをしようと切り出す。
          「あの、もしよかったら少し毛糸を分けてもらえますか」
          「毛糸?」
          「はい、おかあさが必要としていてお願いして来てって言われていたもので」
          「あー、分かったわ。
          じゃあ今は忙しいと思うから夕方に来てね」
          「ありがとうございます」
          一つ礼をすると学校を目指してまた早歩きになっていた。


      [268] Re[39]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2016/12/23(Fri) 21:26:10)


          「はあ」
          何限かやりすごし休み時間に大きなため息が出ていた。
          どうやら千枝は休んだらしく席は静かに置かれていた。
          少し間がある千枝との席は周りに誰もいなくどこか寂しく見えた。
          今日は昨夜あったことを相談しようと急いできてみたが、朝の出席て休むことを聞かされた。
          全くメールを出したのに返ってこなかったのはこういうことなのかと納得はできた。
          「でもな、メールでもいいから休むことを教えてくれたってよかったのに」
          少しの愚痴を吐きながら携帯を見つめる。
          電源を入れてない状態だからいまは真っ暗で理恵の浮かない顔が映し出されている。
          「理恵ー、今日はなんだか元気ないね」
          「まあね。」
          「やっぱり千枝のこと?
          心配だよね」
          「だね。熱を出すなんて珍しいよね」
          「いつも元気でいるのが千枝だね」
          なんだかんだ話題を千枝に集中し、メールのことは一切気にしないようにころがけていた。
          「今日行ったら迷惑になるかな」
          「休まらなかったら困るから理恵だけで行ってもらうか」
          どうやらみまいのはなしをしていた。
          普段誰とでも仲良く話す千枝は友達が多く理恵とは違っていた。
          そんな彼女が理恵と特に親しくしているのが不思議でならなかったが、一番本音で話せるのは千枝だった。
          風邪で大変な時は変な話はせずに現状を少しいうだけで帰ろうと放課後まで思っていたが、そうもいかなくなってしまった。
          「えーと、明日の連絡は以上だ。
          この後休んだ三谷のところへ連絡事項を持って行ってもらうのは…
          宮島が近いな。
          悪いけど頼むな」
          宮島さんの方をちらと見ると頼み以上だ。と言い教室を出ようとしていた。
          「先生、たしかに宮島さんは家が近いかもしれないですが、仲が良い人に頼んだ方が三谷さんも気を使わないではないでしょうか」
          いきなりの発言に半分出た体をまた教室へ戻すように振り返る。
          「しかし近い奴のほうが帰り道ついでになっていいだろ。
          宮島は嫌か?」
          「別に私は…」
          歯切れは悪かったが、そんなには嫌と言う意思はないように言う。
          「だったら悪いが宮島行ってくれ
          それじゃあ、また明日な」
          そう言うとすぐさま教室を出て行ってしまった。
          「理恵、いいの?」
          「私はやらないといけない用事があるから大丈夫」
          気を使うように聞かれたが、今日は毛糸をもらいにいかないといけないために断念をする。


      [269] Re[40]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2017/01/10(Tue) 15:13:48)


          学校から帰宅途中、やっぱり千枝のことを心配に思いながらも宮島さんが連絡を届けてくれるということで短くメールを入れるだけにしといた。
          (今日、熱で学校休んだけど平気?
          また平気になった時にメールちょうだい)
          そう書き終えると送信ボタンを押し送る。
          とりあえず大勢で行くと逆に迷惑になるだろうと思い今日は小田さんの元へ行くことにした。
          しかし隣人だけあって難しいところがあると知りながら行くとなると結構な抵抗感があるが、お母さんからの頼みを断ることができない理恵自身困るところがあった。
          今朝あった様子だといつもより気分が良かったらしく珍しい挨拶を交わした。
          しかしあの様子だと機嫌が良さそうだから頼むなら今日しかないという意思で行くことにした。
          いつもの商店街を抜けるとほぼすぐに住宅街に出て当分歩いて行くと理恵の家が見えて来る。
          家が立ち並ぶ一つに小田さんの家もすぐに目に入る。
          見慣れた門からチャイムを鳴らすと数秒無音になるがスピーカーから声が返ってくきた。
          「はい、どなた?」
          「こんにちは、隣の畠中ですが」
          「ああ、お隣さんね。
          それで何の用?」
          「もし良かったら、少し毛糸を譲ってもらいたいのですが…」
          「毛糸、若いのに編み物をするの?」
          「あ、いえ。母が少し使いたいと言っていたもので…」
          「あらそうなの、じゃあ少し待っていて」
          そう言い終わるとすぐに声は聞こえなくなり間が1分か2分ぐらい空いた後玄関から小田さんが出てきた。
          「お待たせ、これぐらいでいいかしら?」
          紙袋に二、三個毛糸を入れて差し出してくる。
          「ありがとうございます、きっと母も喜びます」
          一礼をしながらお礼をし門を後にする。
          「理恵ちゃんももし編み物に興味があるならぜひ来てね」
          にこやかにそう言われ会釈をするとすぐ隣の自分の家へ戻る。
          扉をあけて閉めた後、たぶんこの先編み物に興味を示すことはないだろうと、遠いい未来を見ていた。



      [270] Re[41]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2017/01/26(Thu) 19:10:53)


          「ただいま」
          普段通りに帰り家に上がるが奥から返事が返ってこない。
          どこか言ったのだとすぐに悟り貰った毛糸の入った袋を台所の入り口に置いた。
          暇だからテレビを見ようかすこし迷うが、なんとなくそんな気もなくなり二階へ行くことにする。
          階段を登っている間に千枝からメールは来てないか見てみるが、新着もなくまたポケットへ入れる。
          今朝届いたメールのせいでどこか不気味に思えるようでいつもみたいに長く携帯を見ることは避けていた。
          部屋へ入ると夕日が差し広がりオレンジの色に染まっているが数分経つとすぐに闇になるのだろうと電気をすぐさまつける。
          制服を脱ぐ気にもなれずそのまま部屋の真ん中に座り込み1日の疲れが取れ少しやって来たように思えた。
          当分何もせず過ごしているとポケットに入れていた携帯が震えメールの着信を知らせる。
          千枝からだろうとすぐに見て見ると宛名が思ったように千枝と表示していた。
          「今日は急に熱が出て学校休んじゃった。
          驚いたよ、理恵が来ると思ったら宮島さんが来たから。
          急に休んだこと驚いた?
          たぶん明日には行けると思う。メールありがとね」
          色々な絵文字を付けながら送って来たメールには元気さが出ているが、実際会っていないことから元気を装ってないかすこし心配になる。
          「そっか、大変だったね。
          あまり無理はしないでちゃんと元気になって学校にきてね。
          皆待ってるから」
          千枝とはすこし違う絵文字を付け少なめにしてみるが、あまり自分には似合わないナットすこし苦笑いを浮かべてメールを返信した。
          「理恵ーいる?」
          いきなりの下からの呼びかけにいつの間にか帰ってきた母の存在を知る。
          「何?」
          慌てて扉を開き下に向かい叫ぶとすぐさま返事が返ってきた。
          「この紙袋何?」
          見なくても隣からもらった毛糸のことを言われたのだと悟りそれを伝えるとようやくか、などと小さかったが聞こえてきたお母さんの声にだったら自分で貰いに言ってよと静かに文句を漏らした。


      [271] Re[42]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2017/03/02(Thu) 23:45:20)


          一階に降りてから一時間リビングで過ごしていた。
          雑誌を読んだりテレビを流し見をしながらダラダラとその場に居続ける。
          「そういえばさ、最近学校はどう」
          多分何気無く出た言葉なんだろうが、今は聞かれたくない言葉がお母さんから聞かれる。
          「んー、まあぼちぼちかな」
          ぼちぼち良い方向に言ったつもりだったが、曖昧の言い方が悪かったようで違った捉え方をされる。
          「え、ぼちぼちってもしかして学校で何かあった?
          もしかして言いたくないなにか嫌なことでもあるなら隠さないでお母さんに言いなさい」
          今までお母さんは台所の方の机に座り編む用意をしていたが、ソファーに寝そべる理恵の顔近くに持ってきたことで驚き思わず体を起こした。
          「う、ううん。
          何もないよ。
          ただ、今日は千枝が休みだったんだよ」
          「え、千枝ちゃんが?
          何かあったの?」
          今度は千枝に対して心配な表情をし始める。
          「あ、うん
          なんか風邪引いたみたいで…」
          「風邪かー、この時期には珍しいね。
          こんなところで寝そべってて平気?
          お見舞いに行かないと」
          無理矢理立たすと1人忙しく動き回っているお母さんを眺め、小さくため息をついた。
          「別に大丈夫だよ。
          メールも書いたし、変に騒いだら余計悪くなるかもしれないよ」
          「そういうけど親友なんでしょ、心配じゃない。
          少しでも顔を見てきなさい」
          そう言いテーブルの上に置いてあるいくつかの果物を袋に詰めると押し付けるように渡した後に背中を押されて玄関に向かった。
          「良い?
          少しで良いから見舞いに行くのよ「
          「ああ、うん」
          理恵以上に心配するお母さんを見つめ徐々に閉まるドアの隙間から見送る姿が見えなくなる。
          手に持つ袋を見つめ行くしかないかと息を吐くと千枝の家へ向かう。
          二駅見送り次の駅を降りると人気が疎らになりようやく大きく息を吸うことができた。
          毎日この通学している千枝を尊敬に思いまた歩き出す。
          駅から歩いて20分ようやく知恵の家は曲がったらすぐというところまで来た。
          早速曲がろうと道を横切ろうとすると後ろからキーキーと金具がこすれる音がした。
          すぐそこに公園があるのでそこからだということがわかり気にせずに行こうと思ったが、なぜか耳障りに思い振り返って見ることにした。
          ひとつのブランコが揺れているのが見えてどれかが遊んでいるんだろうというのは分かったが、まだ金具が擦れる音にイラつきを覚えて入り口に向かう。
          「誰、何してるの?」
          声をかけるつもりはなかったがつい言葉が出てしまった。
          「ん、何か?」
          ブランコに乗っていたのは黒のジャケットを着た男のような容姿をしている。
          「私が聞いたのになぜ質問で返すの?」
          「どちらが先とか関係ない。
          いきなり声かけてきたのは君だろ」
          「そうだけど、こんな人気のないところで1人何してるか気になって。」
          「ああ、そこね。
          別に君には関係ないだろ」
          「まあ、そうだけど」
          そう言うと会話が途切れなんとも言えない時間が流れた。
          「で、君は何?」
          「何って?」
          「どうしてまだ居るの。
          もう夕方だし日が落ちるよ」
          じっと見つめてくるその目に心配などした様子はなくただうっとおしいからさっさと去ってくれと言っているようだった。
          「確かに日が落ちるね」
          ただ、彼の言う通りにするのがどこかしゃくで空いているブランコへ腰をかける。
          千枝のお見舞いがなぜかブランコに座っている男に興味を持ちもう少しいることに決めた。


      [272] Re[43]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2017/08/21(Mon) 13:53:34)


          日がだいぶ傾き建物からギリギリ見えているという角度になったというのに男は動こうとする気配を見せない。
          そんな状況からまた動こうとしない千枝も人のことは言えないが、どうしても隣が気になった。
          「…ねえ、もう日が暮れそうだけど?」
          「だから?」
          何を言おうか迷ってようやく出た言葉にあっさりと聞き返してくる。
          「だから…」
          この後何をするのか、どう考えているか分からないせいで言葉が続かない。
          「だからね…」
          続けて言葉を言おうとしたがすぐに切れて口ごもる。
          「…君さ、何か用事があってこの近くに来たんでしょ?」
          「何で、それを?」
          「まー、ただの勘だけど。」
          勘だけで言い当てたこの男はなんだろうと彼を見てみるとブランコが静かにゆれている。
          「本当に勘で当てたの?」
          「どう思う?」
          「え…」
          思っていた荷と違う返事がきて少し悩む。
          妙な間ができてしまった。
          「…たぶん勘じゃないと思う」
          「そっか、君はそこまで何も考えてないわけじゃないんだね」
          いきなり言われちゃ言葉に少しむっと来たがここは抑えることにした。
          「で、本当に日が暮れてきたけど帰らなくていいの?」
          「君はどうなのさ」
          「…穂との心配してる場合?」
          「…」
          いったいこの人はここで何をしているのか興味はあったがいつまでもここにいるわけにも行かないと立ち上がる。
          「じゃあ、暗くなってきたから私は帰るけど、君も帰ったほうがいいよ」
          「大きなお世話」
          一言言うとさっさと帰れと言わんばかりに千枝を眺める。
          分かったと言うように千枝はひとつ頷きその場を去っていく。
          理恵のお見舞いをすっかり忘れて自宅へ急いだ。


      [273] Re[44]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2017/10/19(Thu) 00:39:28)


          家に着くとすぐさま部屋へ行き寝っころがる。
          あの冷たさはどこから来ているのだろうと数分前に会った男を思い出していた。
          千枝のことを思い出さないことはなく、隣に置いてある携帯を覗いてみたが通知が来ていることはなかった。
          せっかくお母さんが持たせてくれたフルーツが入った袋は横に倒れ一番上に入っていただろうものが転がっていた。
          千枝はいまごろ大丈夫だろうか…
          少し心配になるも冷気をまとった男を思い出してどこがゾッとしたのか寒気を感じ震わせる。
          ただブランコに乗っていただけの人物なのにいきなりの寒気に恐怖がでてかて布団を頭までかぶる。
          なぜ今になって恐怖心が湧いたのか理恵に分からずただ布団にくるまっていることしかできなかった。
          そういえばなぜブランコの金属音があんなに気になったのか、なぜ男がそれを鳴らしていたのか、理恵自身それにつられたように側に行ったのはなぜなのか。今になって疑問に思うことばかり振り返り不可解でしかなかった。

          「理恵、お見舞いはちゃんと行った?」
          いつの間に部屋に入って来たお母さんが声をかけてくる。
          「とりあえず、近くまで入ったよ」
          「近くまで行ったって、家にはいかなかったの?」
          掛け布団を少し退けてお母さんの顔を見てみれば、不思議そうな顔をしながら顔を傾ける。
          「少し疲れたから近くで休んで見舞いに行こうとしたの」
          「近くまで行ったならそのまま行けばよかったじゃない」
          「どうしても疲れたの」
          少し強くそういいまた顔まで布団をかぶる。
          意味がわからない軽く(ふーん)と返すと部屋を出て行ったらしくドアが閉まる音が聞こえた。
          体を起こしドアを見ると少し言い過ぎたかななど罪悪感も湧いたが今は追いかける気も起きずにそのまま壁にもたれかけて力なく床を見つめる。
          一体なにに恐怖を感じたのか、お母さんのおかげでどこかへ行ってしまった恐怖心に理恵は落ち着きはじめた。


      [274] Re[45]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/01/17(Wed) 14:24:40)


          緊張が解けたようでその夜はぐっすりと眠れた。
          何か夢を見たようで見ていない状態となって起きた時はすっかりと忘れてしまったのだろうと思うほど深く眠る。
          朝、起き出して見ると7時で出かけるまで少し時間がありのんびりとすごしているとお母さんがやってきてすぐにどなりごえをあげた。
          「たまには時間に余裕を持って学校へ行きなさい」
          「分かったからそんなに大声あげないでよ」
          ようやく返した返事はまだ眠さからくる気だるい雰囲気をもった声となった。
          お母さんが部屋から出ると携帯を持ち、千枝へメールを書いて見る。
          少し時間を開けてメールを待ってみたが返ってきないことで一度台所へ行くことにした。
          「おはよ」
          「ようやく降りてきた、早く朝ごはん済ませなさい」
          「はーい」
          軽く返事をするとパンを口に入れて朝ごはんを食べる。
          数分後、牛乳を飲み終わり二階へ準備しに行くとメールを知らせるランプが光っていた。


      [282] Re[46]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/02/15(Thu) 21:41:36)


          すぐさま携帯へ駆け寄り見てみると、千枝からのメールが届いている。
          体調が回復をしどうやら今日は学校へこれるというメールだった。
          返事を短めに書いて送ると学校へ行く準備へとりかかった。
          「それじゃあ、いってきます。」
          「理恵、今日は帰り早いの?」
          「どうして?」
          「前から言っていたじゃない、今日は誕生日だから少し帰りが遅くなるって」
          「ああ、そういえば…
          プレゼントちゃんと作れたの?」
          その質問に返事はなくなにやら後ろに回した手を動かしている。
          「だって、理恵、なかなか毛糸もらってきてくれなかったじゃない」
          「だから、プレゼントが間に合わなかったって?」
          「…」
          何も言わ無いお母さんにすぐピンときた理恵はそれだったらお母さんが取りに行けば良かったじゃないかと考えるが口には出さずにいた。
          「それじゃあ、行ってくるね」
          ドアを開けて後ろを振り向くと不満そうな顔で送るが何も言わずに家を出ることにした。
          千枝といつも会っている場所についあたりを見渡してみるが、同じ学校の制服を着た人がちらほらと通り過ぎるだけで本人の姿は見え無い。
          少し待ってみるかと思い交差点で待ていると遠くからかけてくる千枝の姿が見えた。
          「理恵おはよ、おかげでなんとか治ったよ。
          今回割としつこくって大変だった。」
          「おはよ、治ってよかったね。」
          挨拶を交わすと学校へたわいない話をしながら向かった。


      [293] Re[47]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/04/07(Sat) 18:21:33)


          「そういえばこないだ…」
          その日の休み時間、周りが何気なく談笑をしているそばで理恵も話を楽しんでいた。
          「ん、何?」
          言いかけたその言葉の続きを待っていると言う意味で千枝が声をかけたが続きを言う様子がない。
          「あ、ううん…なんでもない。」
          言葉ではどういったが表情では違っていた。
          しかし何み続きを言える雰囲気じゃないらしく深く聞こうとは思わなかった。
          「今日放課後どうする?」
          「どうするって?」
          突然千枝がそういってきて驚いたひょうじょうをしている。
          「どこか寄って帰らない?
          昨日までベットに寝てて退屈だったんだ」
          「でも体調の方は大丈夫なの?」
          「うん、猛然に治った感じ」
          両手を上げて組むと伸びをする格好で力をいきむ。
          その様子を見て無理はしていないんだとすぐに悟こちができた。
          …だけどー…
          「ごめん、千枝、今日はちょっとパスする。」
          「え、なんで?」
          断られるとは思ってなかったみたいで驚いた顔を理恵に向ける。
          「今日、ちょっと用事があるの…
          だからね?ごめん」
          歯切れの悪いいいかたをし申し訳ないと言う表情を見せる。
          「そっか、分かった。」
          あっさりと様子を見た千枝は承諾をしてくれ放課後は別々に帰ることになった。

          一日の授業がおわって皆部活へ向かう人、そのまま帰る人別れていく。
          「じゃあ、理恵またねl
          何人かの友人と教室から出ようとしている千枝が手を振りそういってくる。
          振る返してそのままバックを持つと急いで部活へ向かおうとした同級生とぶつかりそうになったが一歩引いてなんとかことなく終えた。
          理恵はあのブランコの少年が気になりもう一度公園へ向かうことにした。


      [296] Re[48]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/05/31(Thu) 21:25:18)


          いくつか電車を乗って降りた駅が千枝の家の近くその辺りにある公園を探す。
          ひとまず歩いて探してみるが、公園のありかを忘れてしまった。
          何度かその周辺だろう道を行き来してるみるが、見当たらず偶然道を散歩している老人に聞くことにした。
          「あの、すみません」
          「なんですか」
          声をかけるとすぐさま振り向き尋ね返される。
          「この辺に…公園てありますよね、どこか道になよってしまって…」
          「あんたこの辺の子じゃないね?」
          「え?」
          「この辺に住んでいるのならあの事件を知ってるだろう」
          「あの事件って…」
          「もう九年前になるかな、公園で遊んでた子が遊具から落ちて死んでしまったこと」
          「え…」
          「その後公園には誰も近づかなくなって今じゃあほぼさら地になってるよ」
          「…え、だってこの前…」
          「どこか勘違いしているのだろう。」
          そういう時老人はゆっくり歩き出した。
          その後ろ姿を見つめ、小さくぽつっと言う。
          「だってつい最近…公園に男の子がいて…」
          狐につままれた思いと、信じられないと言う思いが混ぜあい、真実をなぜか突き止めたくなる。
          もう一度公園の事を聞くため、辺りを見渡してみるが、通行している人がいない。
          ほぼ人気が少ない夕方の時間だ。

          「理恵、ぼーっとしてどうしたの?」
          あれから何分間人が通るのを待ってみたが誰もと入らなくて断念をし帰ってきた。
          夕方忙しくしているお母さんが、テレビを見ずに上の空の娘を気にかけて声をかけてきた。
          「う、うん…」
          不慮の事故で亡くなったこの話すのもどこか悪い気がして適当に答える。
          「じゃあ、お母さん言ってくるから。
          多分遅くなると思うけどちゃんと留守番してるのよ」
          そう言い残し玄関へ向かう。
          どうやら今日は誕生日会でお母さんが呼ばれたようだ。


      [300] Re[49]: また、会える

      記事引用返信

        ・投稿者/ 岸間 -(2018/09/30(Sun) 23:14:56)


          「はい、いってらっしゃい」
          軽く返事をするとまたテレビへ視線をやるが、内容が入ってくるわけもなくただぼーっとしているように側から見ればしているのだろうと誰でも思った。
          理恵は9年前、不幸な事故が起こったことなど知らずに、日々を送っていたのがどこか後味が悪く思える。
          なぇ、と言われても解決するはずもなく、その日は一日中悶々としている日となってしなった。
          考えても仕方ない、明日千枝に聞いてみるかという答えが出たには、夜の9時を回った頃だった。
          気づけば夜になっているというのにお母さんは帰って来ず、お父さんもなぜか帰って来た様子がない。
          一体どうしたのか不思議にも思うが、これが初めてというわけでもなく飲みにでも行っているんだろうと適当に考え、部屋に戻ることにした。
          部屋に戻ると早速机の上に置いてある携帯が何度かチカチカと光ってるのを見て開く。
          (理恵、今日がどしたの?顔色悪いように見えたけど?)
          文から読み取れる心配している数々の言葉、それをありがたいと思いながら返事を返す。
          (うん、ちょっとね…)
          そこまで書いて、あの通りすがりの老人が言った言葉を思い出す。9年前遊具から子供が落ちてしまった。
          そのことを聞いてみるかどうか迷いボタンの上で何度も指を行き来させていた。
          しかし、決心をつけ聞くことにする。
          (ね、千枝知ってるか聞きたいんだけど、9年前…公園で事故があったんだよね?)
          少し布に包むように言葉を選び送信をする。
          数分後返事は返って来た。
          (え、理恵そのこと知っていたの?うん…その子結構この町内では有名な子でね、なかなか人気もあったんだよ)
          (そーなんだ。その時…もしかして千枝もその場にいたの?)
          聞くのが勇気がいて、ボタンを押している間指が震えてた。
          数分しても返事は来ないで少し待ってみるが一向に返ってくる様子がない。
          やっぱり聞くんじゃなかったのかと後悔をしながら一言(ごめん)と送り、その日は寝ることにした。
          次の日、なにか千枝の勘に触ったことをもっと謝ろうと布団の中で決意をした。



    [247] 【無題】

    記事引用返信

      ・投稿者/ スカーレット -(2015/01/19(Mon) 16:28:34)

        宜しくお願いします。



    [244] ジャッジメントキラー

    記事引用返信

      ・投稿者/ カズ -(2014/12/31(Wed) 12:47:03)

        どうもカズという者です、初心者なので文面が変になると思いますがご了承ください。アドバイスなんかがあればじゃんじゃん言ってください。一応バトル物を書こうと思っています。


      [245] Re[1]: ジャッジメントキラー

      記事引用返信

        ・投稿者/ カズ -(2014/12/31(Wed) 12:48:24)


          俺は家のリビングの壁にもたれかかり過呼吸になるくらいに泣いていた、見慣れている部屋なのに全く別の場所にいる感覚がする。何故なら見慣れないものが俺の目の前にあるからだ、これがあることによって部屋の空気がやけに冷たくて重い…目にしっかり焼きつき目で理解している。だがしかし脳内では理解できていなっかった。ただ単にこの目の前の光景を受け入れたくないだけなのだろう、脳がしっかり動いてくれないのだ。
          その光景とは俺の目の前に二人の死体が転がっていることだ。
          一人は俺の母さんの死体、仰向けに倒れ顔には何発もの銃弾が撃ち込まれもはや誰なのかもわからなくなるくらいに顔がぐちゃぐちゃになっていた。最初に見たとき胃の内容物が口から噴き出しそうになったが必死に堪えた、今では感覚が麻痺して吐き気はしない。



    [242] +あの空に桜が舞う頃+

    記事引用返信

      ・投稿者/ 瑠乃 -(2014/12/09(Tue) 00:59:44)

        「この桜が咲いたら、またきっと会えるよ」

        「絶対にない、なんて絶対にない」

        クルクル、クルクル___


        さあ、物語は紡がれはじめもした。



    [240] 今好きになる。

    記事引用返信

      ・投稿者/ yuna:♡ -(2014/11/30(Sun) 18:24:59)

        VOCALOID/HoneyWorks/今好きになる。/初音ミク

        上記楽曲を基に、小説を書かせて頂きたいと思います。
        私は飽き性なところがありますので、何時辞めるかは分かりません。
        ですが、温かく見守って頂けたらと思います。
        更新日も未定、気紛れです。
        それでもいいという方は、お付き合いお願い致します。
        ※駄作になる可能性が高いので、ご了承願います。


      [241] Re[1]: 今好きになる。

      記事引用返信

        ・投稿者/ yuna -(2014/11/30(Sun) 19:46:06)


          「瀬戸口優」
          「はい」
          ・・・
          「榎本夏樹」
          「はい」
          ・・・
          「綾瀬小雪」
          「はい」

          ドキン・・・

          「綾瀬小雪」
          その名前が呼ばれた瞬間、私の心臓はドキンと高鳴る。
          何でだろう。このような感情を抱くようになったのは、中ニの夏からだった。
          雛が小雪を好きになったのは、そのころからだった。

          ****************************************************************

          卒業式が終わり、校門は記念撮影をする卒業生たちで溢れていた。
          私の兄である瀬戸口優や、幼馴染の榎本夏樹も卒業生の一人だった。
          そして、綾瀬小雪・・。私の初恋の人だった。
          厳密にいうと、初恋というわけでもない。
          だが、こんなに本気で好きになれたのは、小雪が初めてだった。

          (小雪先輩・・)

          夏樹と笑顔で話している小雪の横顔を見ていると、胸が苦しくて堪らなくなる。
          話しかけたい。でも、その勇気は持ち合わせていなかった。

          「雛ちゃん」
          「は、はいぃぃっ!」

          急に声をかけられて飛び上がった。
          しかも、その声の主は小雪だったのだ。
          タイミングが悪すぎて、雛は頭が真っ白になった。
          小雪は何やら話しかけてくるが、雛の頭には全く入ってこなかった。
          涙を必死で堪えていたのだ。
          優や夏樹と学校で会えなくなるのが寂しいというのもあるのだが、一番の理由はやっぱり小雪と会えなくなることだった。

          (ダメ、ここで泣いちゃ・・)

          思えば思うほど我慢できなくなって、とうとう涙が溢れ出した。

          「うわぁぁぁぁぁん」
          「え、ひ、雛ちゃん!どうしたんですか!?」
          「こ、こ、小雪先輩ぃぃ・・」

          小雪は見るからにしどろもどろしていた。
          それもそのはず、わけもわからず雛が突然泣き出したのだ。
          驚くのも無理はないだろう。

          「雛、笑って〜。はい、チーズ」

          カシャ

          何やらシャッター音が聞こえてきた。
          涙でにじむ目で何事かとシャッター音がした方を見ると、友達がカメラを向けていた。

          「ちょ、ちょっとぉ〜。泣き顔なんて撮らないでよ!」
          「へへへ、いいじゃん。一生の思い出に・・」
          「ちょ、羽衣!」
          「ふふふっ」
          「?」

          これは本当に焦った。
          小雪の前で、「一生の思い出」なんていうなんて。
          でも、羽衣は雛の一番の親友だった。
          小雪に関する悩みなども、色々相談するくらいの仲だ。
          雛ももちろん信頼している。
          だから、あれくらいの冗談は笑って受け流せるのだ。

          (小雪先輩、やっぱりカッコいいよなぁ〜・・)

          小雪は髪が肩くらいまであり、メガネをかけて、冬でも長袖で、まるで女の子みたいだった。
          近くにいても気付かれないこともあり、「透明人間」とまでいわれたこともあった。
          お世辞にも、「かっこいい」といえるような感じではないのだ。

          (初めて話したの、いつだっけ・・)

          雛は考えながら、一人で吹き出しそうになった。
          小雪との出会いは、普通の人が描くような甘酸っぱいものではなく、とても最悪なものだった。

          ****************************************************************

          掃除中、雛は箒を片手に廊下を掃きながら羽衣と話していた。

          「次の授業、何だっけ?」
          「ん
          「えーっと、数学じゃなかった?」
          「うわ、最悪。私数学一番苦手ー」

          「うわぁっ!」

          「「えっ!?」」

          叫び声に驚き振り返ると、男子生徒が持っていたゴミ箱をまき散らしていた。

          (うわぁ・・何してんだろ、この人。ていうか、そこ私たちが掃除したとこだし。努力無駄にしてくれるなー)

          その人は必死てゴミをかき集めていたが、全然片付いていなかった。
          それを見ていると、どうもイライラしてしょうがないのだ。
          雛はその人に向かって歩き出した。

          「あ、ちょ、雛!」

          「あの、すみません!そこ、私たちが掃除したとこなんですけど。早く片付けてもらえますか?見てる方がイライラします!」
          「あ、あの・・」

          その人は雛のスカート辺りを見ながらあわあわしていた。

          「え!?・・キャアァァ!」
          「えぇ〜〜!!」

          雛は慌ててスカートを抑えた。

          (パ、パパパ、パンツ!パンツ見られたぁ〜)

          徐々に顔に熱が集まっていくのが分かる。

          「ちょ、ちょっと・・!」
          「あ、あああっ・・!」

          その人は慌てて身構え、逃げようとする。
          だが、雛はそれで逃がさなかった。

          「見たなー!!見たでしょー!!」
          「ごご、ごめんなさい〜〜!見てないです、パンダのパンツなんて〜〜」
          「パンダのパンツ〜!?やっぱり見たでしょーー!!」
          「だだだ、だから、見てないですよ〜〜!」
          「うーーそーーつーーけーー!!」
          「うわぁっ!」

          掃除中の校内を走り回った。
          すれ違う生徒みんなが雛たちを何事かと交互に見る。

          (あいつ、絶対許さない!)

          上手く逃げられてしまった雛は、仕方なく掃除場所に戻る。
          雛の姿を見つけた羽衣は一早く駆け寄ってきた。

          「雛、すごかったね〜。あんなに追いかけっこしちゃって」
          「お、追いかっけこ?そんな楽しいものじゃないって〜。だって、パンツ見られたんだよ?パンツ!」
          「ちょ、雛。声大きいっ」
          「あっ・・」

          慌てて口を抑える雛を見て、羽衣がクスクスと笑う。
          雛の顔にはまた熱が集まっていった。

          「でも、あの人三年生だよ。雛やっぱりすごい!」
          「え・・?」

          羽衣の「三年生」という言葉に耳を疑う。

          「あの人、三年生なの?先輩なの!?」
          「え、そうだよ。雛、もしかして知らずにあんなこと言ってたの?」
          「うん・・っ!」

          雛は本当にどうしようかと思っていた。
          先輩だって分からずに、あんな言葉をぶつけてしまったのだ。

          「うわぁ〜、やっちゃったな〜」
          「ふふふ、雛らしいよ。そんなの気にしないでしょ?」
          「でも〜・・」

          **続く**




    [239] 複雑恋愛

    記事引用返信

      ・投稿者/ りん -(2014/11/22(Sat) 20:49:54)


        あたしの名前は、中野 薫。

        彼氏は、いる。

        彼氏の名前は、青山 玲音
        二歳年上。

        あたしは、中一、彼は中三。

        なかなか、ふたりで会ったりすることができないんだよねぇ...。

        ここであたしと彼がであったきっかけでもはなそう。
        もともと、玲音は、あたしの姉、中野 葵 と付き合っていた。
        葵は、玲音と同級生だし、部活も一緒、そんなこともあって、二人は、中一の秋に付き合い始めた。
        あたしは、玲音のことは、写真でみたことがあるくらい。
        ただ、かっこいいっていうのが、第一印象。
        でも、中二の冬、とうとうふたりは、わかれた。
        まわりにばれて、とめられたとか...。
        まぁ、あたしは、別れたんだぁ ぐらいでしか思ってなかった。
        それからだ。
        あたしも、同じ部活に入って、玲音のいいところに気づき始めた。
        イケメンだし、まわりに気配りができて優しいし、面白いし、馬鹿だけど真面目。
        あたしの理想だった。



    [206] うんこという間抜けについて

    記事引用返信

      ・投稿者/ 主 -(2014/03/24(Mon) 03:24:10)

        ゆーきん←このあほみたいな名前のカスは集団ストーカーです

        こいつの地元は京都の西院というところで本名はゆうきという24歳の男です。こいつは通称うんこと呼ばれており、出会い系の女の子に覚醒剤を強要したりするなんとも小さいゲスでございます。

        集団ストーカー(集スト)というテクノロジー犯罪も今では大分有名になっており、ネットで『集団ストーカー』とググるだけでかなりの数の情報が出てきます。普通集団ストーカーと言えば被害者を徹底的に追い込み、その秘密を一言も喋らせないぐらいの圧力があるものですが、こいつのとこの集ストは頭が悪く、弱くて舐められるためその秘密を全体的に晒されております。うんこは住所や出身校まで晒されるという集ストとしてはとんでもないあほでさむいガキです。

        集ストが悪用しているレーダー(マイクロ波パルス)や様々な機械も大体はネットや通販などでも簡単に手に入るようです。それがこいつらでも出来る理由ですね、加害者は増える一方です。

        集団ストーカー問題の解決を願います。



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