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ペンダントが首に回る。
体が・・・熱い。
「・・・?」
近衛さんが立ち止まり、ゆっくりと振り向いた。
立ち上がった俺を無表情に見つめる瞳。
『さあ、稽古の時間よ。』
ペンダントから声が響く。
さっき俺の体を引きちぎった光球が容赦なく俺を襲った。
「ぐあああああっ!」
しかし俺の体は今度は千切れなかった。
『演じて。』
俺は光の球を・・・そう、さっき受けた攻撃をそのまま相手に返した。
近衛さんの足元のアスファルトに大穴が空く。
この手にはいつの間にか金色の錫杖が・・・
そして笛のような宝具の攻撃。
俺はいつの間にか奪った錫杖で攻撃を跳ね返し、女子の制服のスカートを翻して相手に襲い掛かった。全裸となった近衛さんに・・・止めを刺す。
錫杖を突立てた胸の間の皮膚が裂け、中身が噴出する。
『舞踏会の巫女、ヘカテーの偽りの器。その衣装を頂くわよ。』
萎み始めた近衛さんの体を受け止め、俺は命じられるままにその胸の間の裂け目に頭を突っ込んだ。
「ぎゅわうっわああああああぁっ!」
近衛史菜の顔が俺の顔に重なり、同化して俺の顔のなる。
手も。
足も。
胸も。
胴も・・・髪の毛も・・・・
股間の奥までも。
『最初の相手としては不足なしって所ね。作られた存在だから遠慮はいらないわ。それが今日から貴女の姿よ。名前も貰っちゃいなさい。本質の演じ手、近衛史菜ちゃん。』
手のひらを見る。
女子の夏服から伸びた細くて華奢な腕に小さな手のひら。細い指。
「こ・・・これが俺の体!?なんで女になる必要が・・・」
『私が演じることが出来るのは女だけだもん。』
「なっ・・・」
封絶をとくと、町が動き始める。
『偽りの器のくせに、その力は本体並みだったわね。まさかトライゴンまで使えるなんて。フレイムヘイズというより・・・貴女もう王といってもいいわ。ヘカテーと同じ。』
「俺が・・・紅世の王・・・頂の座・・・舞踏会の巫女・・・」
この力があれば・・・姉さんやシャナちゃん達を・・・

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