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なるほど、それならば俺について詳しかったのも、薬についてよく知っていたのも分かる。
研究に深く関わっていれば、薬を持ち出すのも簡単だっただろうし。処分するだの何だの理由をつけて持ち去れば良いだけなのだから。
だがしかし、何故俺にこんなことを?一介の研究者であるこの女が何故俺に救いの手を差し伸べるんだ?
普通ならば敵であるだろうに。代表の俺に何かのきっかけで研究を知られれば
、違法な研究は廃止され一巻の終わりだからな。
気になった俺は、この女についてさらに深く探ることにした。
俺を助けた理由、それを知りたかったからだ。案の定、すぐに知ることが出来た。
だが、その理由が俺には信じられなかった。信じたくなかった。
それは――
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