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転校生で、シャナちゃん達が仮面舞踏会の巫女、ヘカテーという紅世の王と瓜二つだといってかなり調べたようだが、人間だという結論に落ち着いたはずの・・・
無表情なまま、俺を一瞥したその冷たい眼差し。それはいつもの近衛史菜ではない。
「あの・・・近衛さん?だよね?」
突然水色の光の玉が史菜の肩の上に浮かび、それが見る見る大きくなって、一直線に俺を貫いた。
「ぐああああっ!?」
掠れていく意識。少し離れた地面に、俺の下半身が転がっている。
胸から下が消失していた。
史菜は特に気にする様子もなく、俺の体から流れ出した存在の力を吸い込むとそのまま廃墟のほうに歩き始める。
くそっ・・・くそっ!!!こんなのアリか!?このまま死んでしまうなんて。
何にも役に立たないまま、死んでしまって皆に迷惑をまたかけて?
マージョリーさん、なんて言うんだろう、俺を見て。
『ねえ・・・あなた。』
誰かが話しかけてくる。少女のような若い女のイメージ。
「だ・・れ?」
『私は紅世の王の一人。このペンダントに封じられていたの。契約しない?私のフレイムヘイズになってよ。』
「えっ・・・・俺が・・・シャナちゃんや・・・マージョリーさん・・・みたいな・・・」
『どうなの?早くして。』
「ぜひ・・・お願いします。」
『貴方としての存在は消えるけど、いいわね?』
「・・・はい。」
そして俺は・・・
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